芝居・舞台

2010/08/16

【舞台】スリー・ベルズ

渋谷のPARCO劇場にて。

最初に観たのは「ダブリンの鐘つきカビ人間」だったか「BIGGEST BIZ」だったか忘れたけど、後藤ひろひと大王の芝居はけっこう好きで、彼がらみのものはできるだけ観るようにしてる。今回の「スリー・ベルズ」も後藤ひろひとさんらしい、笑いと涙の入り混じったファンタジー。笑うべきところと泣くべきところをわかりやすく表現してくれるので、とても楽な気持ちで観ていられる。

3つの別々のストーリーが最後にはひとつの場所に収束する構成で、きっと一生懸命考えて全体の流れをつくったんだろうなと思うが、今回はちょっとばかし「ファンタジー」の曖昧さをご都合主義的に解釈して無理やりに一点着地させたかな、という感もなくもなく。とくにアメ女のストーリーはちょっとリアリティが希薄になりすぎたように思う。もちろんアメはメタファーなのだろうけど。あと、ミュージシャンと15年眠り続けた少年の話も、ちょっと少年の扱いがかわいそうだったような気が。

ところどころにちょっとした無理と、もう少し練り込めたんじゃないかな感を残しつつも、テンポよく展開し、きちんと場内の観客の心をつかんで、最後には一体感をもせるところが、さすが後藤ひろひと大王。最後に岡田浩暉さんの熱唱を持ってきたところもにくい。そういえば岡田さんって、もともとヴォーカリストだもんね。歌、うまいわ。

やっぱ舞台はいいなぁ。

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2010/02/15

■週末舞台■ AGAPE Store「残念なお知らせ」

AGAPE Storeの最終公演。公演前の「残念な前説(テープ)」から笑わせてくれる。

AGAPE Storeの舞台はそれほどたくさんは観ていないのだけど、笑いのツボが何種類かあって、ときにはそのツボが自分にはうまくはまらず、全体としてうっすらとしか笑えないこともある。でも「残念なお知らせ」は、小さな笑いから大きな笑いまで、いい具合に自分にもはまった。松尾貴史の役柄がもう少し前に出てもっと話をめちゃくちゃにしてくれてもよかったかなとも思うけど、あのくらいに抑えたことで他の役者たちとのバランスが取れ、舞台全体でのおもしろさが上がったようにも思う。

人間の持つ悪意と恨みと嫉妬をえぐりつつ、それでも捨てきれない善良さに救いを求める……などと難しいことを考えず、素直にいま目の前で進行している場面を楽しむのがよろし。おもしろかった。

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2010/01/12

■休日舞台■ 新春浅草歌舞伎

浅草公会堂で第1部を観劇。

「正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)」はガラスケースに入った和人形が動き出したかのような美しさ。派手な隈取で勇猛な姿の小林朝比奈(勘太郎)が途中で見せる女振りとか、ほのかにおかしく、楽しかった。

「元禄忠臣蔵(げんろくちゅうしんぐら) 御浜御殿綱豊卿」は以前に歌舞伎座でも観たことがあるらしいのだが、ぜんぜん覚えてない。台詞が中心の、動きの少ない演目だけど、そこは浅草歌舞伎、とてもわかりやすい応酬になっていて、コミカルな要素もけっこうあり、楽しく観られた。でも客席では寝ている人多数。

「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの) 将門」は、七之助の美しい舞いが見どころのはずなんだけど、最後のガマに全部もってかれた感じ。ガマというにはサンショウウオのようなトカゲのような丸っこい着ぐるみの登場に視線釘付けです。終演後の出口に向かう階段で若いお姉さんたちが「あのガマの写真をぜったい筋書きに載せるべき。むしろガマを表紙に!」とかいいあうほどに大人気でした。

観劇後は花やしきで少し遊んだあと、今半本店ですき焼き食べた。うまー。

ぐるなび - すき焼き 今半本店


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2009/12/24

■休日舞台■ おしゃべりなレストラン

毎年12月に20年間、青山円形劇場で行なわれてきた『ア・ラ・カルト』が昨年で一区切りとなり、今年は『おしゃべりなレストラン ~ア・ラ・カルト リニューアルオープン 準備中~』と題し、これまでとは少し違ったものになりました。

「違い」の中でいちばん大きいのは、やはりオーナー役の白井晃さんとギャルソン役の陰山泰さんが抜けたこと。キャラの濃い、個性の強い役者がふたり抜けた分、高泉淳子さんが場の空気をつくる役を一身に背負っていて、その意味ではヴァラエティ感は少し薄まったと感じます。

白井さん、陰山さんの後任?としてギャルソン役で登場したふたりのパントマイマー、山本光洋さんと本多愛也さんも頑張っていたけれど、まだまだ自分の個性を発揮できていないというか、長い年月を経て熟成された「ア・ラ・カルト」という舞台の中での役割や立ち位置が定まっていない感じです。前任のオーナー&ギャルソンが、その芝居や役柄が非常にクセの強いものだったので、よけいに薄い感じがしてしまうのは否めません。

それでも、やはり観にいってよかった。出演者が変わって、少し小粒な感じにはなったけれど、「ア・ラ・カルト」らしさはきちんと残っていました。山本さんと本多さんが来年以降の「新ア・ラ・カルト」にもそのまま出続けるのかはわかりませんが、もしレギュラーとして定着するなら、彼らならではの味わいももっと出てくるでしょうし、レギュラー3人&ゲストとの連携もさらにこなれてくるでしょう。それを観てみたいと思わせるに充分な「~準備中~」だったと感じます。

そして、昨日のゲストの篠井英介さん。この人、一度ナマで観てみたかったんだ。舞台に立つともう、ひとりだけオーラが違う。なんというか、上品な空気が彼を包み込んでいるように見えます。声も美しいし、手の綺麗さには少しびっくりしました。舞台上で台本を渡されて突然「芝居」をすることになる……という設定が、ほんとうに「その場で芝居を始めた」なのか、「その場で芝居を始めた芝居」として練習されたものなのかは判然としませんが、一瞬で引き込まれました。やはり上手だな。今度は篠井さんがメインの、べつの舞台もぜひ観てみたい。

レストランを舞台としたショート・ショートで今年もじんわりとやさしくあたたかな気持ちにさせてくれた『おしゃべりなレストラン』が来年、どんな『新ア・ラ・カルト』へと変わっているのか、とても楽しみです。

そうそう。丸刈り頭でギャルソンをする山本光洋さんを見ていたら、三田のコート・ドールにすごくいきたくなってしまった。丸刈り頭の愛すべきソムリエ・大園さんを思い出してしまって。あぁ、大園さんのところでワイン飲んでフレンチ食べたい!

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2009/08/10

■週末舞台■ 八月納涼大歌舞伎第一部

「天保遊侠録」はわかりやすくておもしろかった。体に染みついたやくざ者の血は、いくら取り繕ったところで隠しきることはできないのねと。役をもらうための根回しやら付け届けやら、昔から世の中はあまり変わらんのねと。しかし、あの子供の役は、えらく鬱陶しい。小生意気なクソガキ。しかしなんと、あのクソガキがのちの勝海舟なんだそうな。おやじがヤクザでダメな人だからこそクソガキはお城へご奉公へいく決心をし、のちに偉い人になりましたとさ、というお話へとつながるのであった。
一方「六歌仙容彩」はつらかった。所作っていうんですか、舞ものの歌舞伎はもともと苦手で、観てて飽きちゃうし、眠くなっちゃう。六歌仙容彩はその踊りだけで2時間近くあるわけで、すっかり飽きて途中で居眠りしちゃいました。歌舞伎座は席が狭いので膝も痛くなってくるし。やっぱ自分は、きちんと役者さんのセリフのやり取りで物語が進んでいくタイプの歌舞伎のほうが好きですわ。

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2009/02/09

週末映画&舞台


■卒業■
アメリカン・ニュー・シネマの名作... でしたっけ。ずっと以前に何度か観たことがあるのだけど、ひさしぶりにまた観ました。う~ん、だめだ。登場人物の誰にも共感できない。とくにベンジャミン、気持ち悪いよ、こいつ。思い込みの激しい粘着質。エレーンも、以前からの知り合いだったとはいえ、デートをしたのはたったの一度。そのあとはベンのストーキングしか具体的な接点がない。なのに結婚式をぶちこわしてベンジャミンと逃走って、どれだけ直情的かつ短絡的なんだろう。このふたりの未来がバラ色であるはずはなく、おそらく数か月、あるいは数週間で破綻するであろうことは容易に想像できるなぁ。

  


■ゴースト・ハウス■
もともとゴースト・ハウスだったわけじゃなく、ゴースト・ハウスになった理由と、その理由の解決までを描いた映画だったのね、これ。なるほど。まぁ、ああいうことがあればホーンティングしちゃうこともあるかもしれないけど、家じゃなく人に憑けよと思う。天井を這いまわったりしてベンにばかり姿を見せるクリーチャーもなにしたいんだかわからないし、ジェシカを傷つける理由もわからん。ソロモン一家の抱える問題も、こうしたゴーストたちの意図不明さをごまかすために、あとづけでつくったようにしか思えない。なんか、中途半端な映画。

  


■天然コケッコー■
う~ん、過疎化した小中学校を舞台にした、とくになにも起きない青春物語。ストーリー的に、それはそれでいいといえばいいのだけど、自分にとっての大きな問題は、劇中で使われている方言が半分くらい聞き取れなかったこと。なにをいってるのかわからない。ああいった土地や舞台についての基礎情報等がないためか、状況等から発言内容を推測することもうまくできなかった。そのため余計に「なにも起きない」(起きてたのかもしれないけれど、それを説明しているセリフを聴き取れない)ストーリーに感じたのかも。そよの父親と広海の母親がむかしなにかあったらしいことはわかるけれど、それがストーリーに奥行きを与えるかといえば与えず、ただ思わせぶりなだけ。むかしに橋から飛び降りて死んだらしい美人も、話題にしたわりにはなんの効果も影響もなし。なんだかなぁ。

  


■テーブル・マナー■
AGAPE Storeによる舞台。新宿の紀伊國屋サザンシアターで鑑賞。AGAPE Storeの舞台を見るのはひさしぶりだけど、松尾貴史はあいかわらず松尾貴史らしい役だった。もう少し違った感じの役も見たいぞ。もともとはイギリスの芝居を日本版として翻訳したものらしく、だから、皮肉の利いたというか、厭味ったらしい描写がふんだんにちりばめられたコメディになっている。登場するのが鬱陶しい人たちばかりで、あのなかの誰ひとりとして友達になりたくないというか身近にいてほしくない感じ。とくに既婚女性陣の鬱陶しさは非常に強力。でも、ああいう人、いるよねぇ。それにくらべると、ダジャレ連発おやじとか、ピントのずれまくった坊やとか、充分鬱陶しいけれど、まだかわいい感じがする。松尾貴史演じる、鬱陶しさではおそらく登場人物一かつとんでもないトラブルメーカーのおじさんにすら、むしろ好感を持ってしまう脚本が秀逸。オチがちょっと弱い気がするけれど、芝居らしい芝居といった感じでおもしろかった。

  

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2008/12/15

週末映画&舞台

■学校の怪談2■
前作より怪談らしい内容になっていると思う。しかも今回はちょっぴりタイム・スリップ&パラレルワールド風の味付けもあり、なかなかおもしろい。冒頭に学校関係者が一人被害者となるのは前作と同じだけど、今回は被害者である校長先生(岸田今日子)がその後のストーリーにも登場し、岸田今日子らしい?素敵な妖怪として活躍。なぜ校長が被害者となったのか、なぜ懐中時計がいまだに保管されていたのかなど、つながりのよくわからないところもあるけれど、あまり深く考えないほうがこういう話は楽しめるだろう。
前作では妖怪騒動に巻き込まれるぼやっとした教師役で出演していた野村宏伸が、今回はちょっと間抜けな泥棒役で登場、やっぱり妖怪騒動に巻き込まれる。このへんはお約束なのか。校舎内で子供たちが出会う「知らない子」や、同じ恐怖を体験する憎めない大人(というか、野村宏伸)とのあいだにほどよい信頼関係が生まれるという展開も前作同様。ただ、今回のほうがノスタルジックだな。
前作では、子役の中で印象的なかわいさをもった女の子が岡本綾だとわかって少しびっくりしたが、今回も印象的なかわいさのある子がいて、もしかしてのちに有名になったかと思ってエンドロールを見ていたら、前田亜季だった。やっぱり。

  


■ファイナル・デスティネーション■
ひさしぶりに観た。爆発前に飛行機から降りた学生たちの中のひとり、地味でパッとしない感じの女子生徒って、アリ・ラーターだったんですね。『HEROES』でニキ・サンダース(&ジェシカ)だった人。ぜんぜん気づかなかった。とくに最初のほうは金髪じゃないし。
運命論的というか、決められた「死の筋書き」と人知の戦いというアイデアが、やはりいいですね。その「死」をもたらすものをあえて「悪魔」とは呼ばずたんに「死(もしくは死神)」と呼ぶのが素敵です。「死」も含めた「人間の運命」をつかさどるのはけっきょくのところ「神」ですから、これは実は「神対人間の戦い」を描いた、ある意味で宗教的な内容だと思います。
などと難しく考えず、「奇妙な偶然」で「奇跡の生存者」たちがえぐく死んでいく様を見て喜ぶという悪趣味な楽しみ方をするのがよろし。


  


■デッドコースター■
これ、封切時に劇場で観たんだよな。邦題はこんなですが、原題は『Final Destination 2』、つまり『ファイナル・デスティネーション』の続編です。今回はハイウェイでの大事故を幻視により事前に知ったことで元々の「死の筋書き」から逃れた人々が、前作同様、新たな「死の筋書き」により一人また一人と「奇妙な偶然」でえぐく死んでいきます。前作よりもえぐさ倍増。
ここでもまた「死の筋書き」から逃れるための戦いがあるのですが、そこに前作での唯一の生き残りが深く関与します。つまり、前回よりも人間側の「知」のレベルが上がっていると。そしてついに、動き始めた「死の筋書き」を無効にする方法も見つかり... だけどきっと「人間」は「神」を超えられず、さらに新たな「筋書き」を用意されという、古代から延々と続く神対人間の知恵比べの様相がいっそう濃くなった気がします。
今回は「生存者」たちに「たまたまその場に居合わせた」以外の接点がなく、そのため人物の背景よりも「死に方」に焦点が当たっていて、前作以上に悪趣味になっているので、前作以上に悪趣味な楽しみ方をするのが正解でしょう。エアバッグのシーンとか、ありゃひどいな。

  


■蝋人形の館■
テレビ地上波で。これ、封切時に劇場で観たんだよな。独特の薄気味悪さが漂っていて、なかなかおもしろい作品です。
首にナイフが刺さったり、頭に杭が刺さったり、大型ナイフ2本で首が切り落とされたりと、派手でグロいシーンもありますが、自分としてはハサミでアキレス腱をぷちっと切ったり、ニッパーで指先をぷちっと切り落としたりの、地味に痛いシーンのほうが具合が悪くて気に入ってます。そういえばパリス・ヒルトンの頭に杭が刺さって死ぬシーンは、テレビではカットされてたな。地上波には向かない映像という判断なのでしょうか。ニッパーのシーンのほうがよっぽどリアルに痛くて具合悪いと思うのだけど。
圧巻なのはエンディングの、蝋人形の館が炎に包まれドロドロと溶けていくシーンなのですが、これはやはり劇場の大スクリーンで観たほうが圧倒的な迫力でいいですね。

  


■ア・ラ・カルト■
この時期になると毎年青山円形劇場で行なわれる「ア・ラ・カルト」に、今年も行くことができました。なんでも今年で20周年だそうで、劇場外の壁にはこれまでの19回の「メニュー」と写真が貼り出されていました。自分がこの舞台を知ったのが3年前。おととしはチケットが取れずにいけなかったのだけど、去年はその分?2回観て、今回で4回目の鑑賞になります。
クリスマス前のフレンチ・レストランを舞台に、ささやかだけれど心温まるショート・ストーリーと心地の良い音楽が提供されます。それぞれのストーリーをアントレ、メイン、デセールといったア・ラ・カルトのメニューに見立て、テーブルに着くお客様とメートルやギャルソンが心地よいひと時をつくっていきます。何年にもわたって来店(登場)する常連さん(キャラクター)は少しずつ「時」を積み重ね、初めて来店するお客様(その年のゲスト出演者)は初めてのレストランで初めての料理と初めての雰囲気を楽しむ。レストランのしあわせな姿がここにはあります。
ショータイムに白井晃演じる「ペギー富岡」へのお花贈呈が今年からなくなったのは少しさびしくもありますが、相変わらずのクオリティの高い音楽としゃれたストーリー、出演者たちの安定した演技力が堪能でき、今年もいいものを観たなぁという気分で劇場をあとにしました。来年も観られるといいなぁ。

  

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2008/12/01

週末映画&舞台


■オーメン666■
2006年にリメークされたもの。テレビ地上波で鑑賞。
う~ん、やっぱりオリジナルの素晴らしさは超えられなかったなぁという印象。そもそもダミアンが、最初っから最後までいかにも邪悪そうなんですけど。オリジナル版では金髪の巻き毛がふわふわの、誰が見てもまさか邪悪な存在とは思えないいかに愛らしい男の子が悪魔の子であることがとても印象深いのだけど、2006年版のダミアンは、そりゃあんたは悪魔の子でしょうよ、て感じなんだよなぁ。わかりやすいといわばわかりやすいのだけど、そこにわかりやすさを求めてどうするというか。ストーリー自体はオリジナルと同じだけど、要所要所の場面や台詞がオリジナルよりも直接的で明快。地上波でおそらくカットもあるだろうし、吹き替えで観たこともあるかもしれないけど、ソーン夫妻がそれぞれに精神的に追い詰められていくところといった「見えない部分」での苦しさやそれを引き起こさせる恐ろしさはほとんど感じられず。オカルト・ホラーの傑作だったオリジナルとはベクトルの違う、今風のエンタテインメント系ホラーになっていた。
ちなみにダミアンを守る乳母役がミア・ファローだったのがちょっと楽しい。ミア・ファローといえば、オカルト・ホラーの傑作『ローズマリーの赤ちゃん』で悪魔の子を生むローズマリー役を演じた人。以前に悪魔の子を産んだ人が乳母となり、新しく生まれてきた悪魔の子の身の回りの世話をする... というサブリミナル効果を狙ったキャスティングなんでしょうね、きっと。

  


■居酒屋ゆうれい■
これはなかなか趣のある映画ですねぇ。山口智子もかわいらしいけれど、なんといっても室井滋の独特な存在感が楽しい。この主演格の女優陣にくらべると、主演男優である萩原健一が少し弱いかなぁ。どことなくひょうひょうとした居酒屋のおやじでいいのだけど、もう少し存在感があってもよかったかも。居酒屋に来る常連客とたいして変わらない感じでしたからね。むしろ、いつもお会計額が2350円の魚屋さんのほうが印象に残っちゃったりするし。
あと、ちょっとストーリーが散漫ですね。まぁ、いろいろな人が集まる居酒屋という場所が物語の中心にあったりするので、いろいろなお客さんのいろいろなストーリーがちょっとずつ垣間見えるのは、ある意味でリアルではあるのだけど、「居酒屋」にかかるストーリーと「ゆうれい」にかかるストーリーが分かれちゃっているところがあったのが、ちょっと残念といえば残念。ただ、そんな難しく考えず、目の前に起きていることをそのままに見て、感じて、その場にいる登場人物に気持ちを重ねるようにするほうが、この映画の持つあたたかな魅力を楽しめるでしょう。
しかし、エンディングの曲はひどく興ざめ。なんであんな曲を使ったんだか。

  


■君の心臓の鼓動が聞こえる場所■
池袋サンシャイン劇場で上演された演劇集団キャラメルボックスの芝居。人気劇団だけど、実は生のステージを観るのは初めてだったりします。なんか、不思議な観客層。若い女性と30代後半から40代前半くらいの男性が多いみたいです。年配者はほとんど見当たらず、ふだん自分がよく出かけるような舞台よりも観客の平均年齢が低い感じです。
キャラメルボックスの舞台は以前、テレビで『きみがいた時間 ぼくのいく時間』の舞台中継を観たことがあって、そのときも思ったんだけど、ストーリーがすごくわかりやすい。前半に比較的集中的に、はっきりした笑いの要素を連発して場を温め、コメディタッチのストーリーかと思わせておいて、実は少し切ない系のファンタジーに展開していくのですね。これって彼らのスタイルなんでしょうか。
率直にいって自分には、前半のいかにも「ここが笑うところですよ」の部分がほとんど笑えず、居心地の悪い思いをしたのはテレビ中継を観たときと一緒。あと、意外とみなさん、演技が一本調子というか、ずっと声を張ってるので、ストーリーの機微の部分があまり上手に表現されていないような印象を受けてしまったのも、テレビ中継を観たときと一緒。物語自体はなかなか趣深いのに、ちょっと残念に思いました。たぶん、小説で読んだほうがおもしろそう。
ちなみに今回はテレビで活躍する若手女優・黒川智花が客演の主演だったのですが、舞台ではまだまだ勉強が必要なことがたくさんあるなって感じでした。間合いとか、表現力とか。今後に期待。んでも、めっちゃかわいかった。

  

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2008/11/17

週末映画&舞台

■アフタースクール■
ひさしぶりの劇場での映画鑑賞が、この作品でよかったんだろうか。家でDVDでじっくり見たほうがよかったかもしれない。序盤から意図的に鑑賞者をミスリードし、中盤以降で意外な事実をどんどん明かして唖然とさせるという構成は嫌いじゃないけれど、それ以前の段階でのヒントの出し方や意外な事実の提示法や明かされるタイミングなどが、あまりうまくないなぁと感じる。映画自体が、特定の登場人物を他の登場人物が騙すというストーリーで、観客は騙される側の登場人物と同じ位置に置かれているのでこういうふうになってしまうのかもしれないが、事実が明かされてそれまでのエピソードが一点に向かって集束していくのを見せられたときのカタルシスが、あまり感じられなかった。その点でいえば『キサラギ』のほうが見事だったなぁ。

  


■750ライダー2■
1作目は原作漫画の雰囲気が色濃く出ていて、こっぱずかしさも含めてそれなりにおもしろかったのだけど、この2作目は全体に薄くなっちゃった感じ。あいかわらずの学芸会みたいな演技で中途半端なラブストーリーが展開され、なんか焦点が定まっていない印象。現在ではほぼ絶滅した「セーターを肩にかけるファッション」がちょっと新鮮?

  


■奥さまは魔女■
地上波で夜中に放送された吹き替え版。往年の人気ドラマ「奥さまは魔女」をリメイクするというストーリーで、サマンサ(魔女)役の新人女優に「普通の人間のような生活がしたい魔女」(二コール・キッドマン)が選ばれ、ドラマの中のサマンサとダーリンと同様に、サマンサ役の女優とダーリン役の男優がさまざまな騒動を起こしながらも惹かれあっていくという発想がおもしろい。吹き替えだったのでちょっとサマンサが幼い感じがしたけれど、ほどよくばからしく、ほどよく明るく、ほどよく楽しく、アメリカ映画の善良な部分を見たという印象が残った。

  


■ビッグ・フィッシュ■
これは、なかなかよくできたファンタジー。『ほら男爵の冒険』ぽい雰囲気がある。『ウォルター少年と、夏の休日』にも通じるかも。監督がティム・バートンなんだ。そういわれると、なるほど。「父さん」の語る物語は魅力的だけど、嘘ばっかり。かと思ったら全部が嘘というわけではなく、本当の部分もある。映画の終盤で「虚実あふれる物語」のどこが虚でどこが実かが見えてくるあたりなど、ちょっと心温まるのだけど、映画全体のストーリー展開のテンポが悪いかなぁ。どうももっさりした感じがあって、ちょっとだらけてしまった。

  


■櫻の園■
吉田秋生の原作漫画って読んだことがあったかなぁ。『カリフォルニア物語』は大好きで何度も読み返した作品だし、『バナナ・フィッシュ』『吉祥天女』なども素晴らしいと思うのだけど、これらを描いたのと同じ人が『櫻の園』も描いたというのが、なんとなくうまく想像できない。それはともかく、この映画。女子高の演劇部が舞台で、なので登場人物も女子高生(役)の若い女の子ばかりなのに、見てもぜんぜんときめかないのはなぜでしょう。なんというか、みなさん、ルックスが弱いなぁ。中島ひろ子演じる部長のパーマだって、かわいいというよりはおばちゃんみたいだし。そんななか、つみきみほ(最近ぜんぜん見かけませんね)と白島靖代(この人も見かけなくなってしまいました)のふたりは際立ったオーラを発してました。なんというか、ものが違う感じ。ストーリー自体はそれほど大きな山があったりするものではない、むしろ淡々とした、でも繊細で瑞々しいものだと思うのだけど、それを上手に表現できていたのはつみきみほだけかもなぁ。もう少し他の生徒さんたちも雰囲気があればよかったのになぁ。


  


■翔んだカップル■
とりあえず、薬師丸ひろ子が可愛い。石原真理子も出ているけれど、薬師丸ひろ子のほうが圧倒的に輝きがある。鶴見辰吾がめちゃめちゃ子供。尾美としのりは、いわれないと気づかないぞ。しかしまぁ、なんですな。あの年頃の男の子は馬鹿だね。女の子にくらべると、圧倒的に子供で馬鹿。その感じがよく出てました。現在ではホンジャマカの石ちゃん以外ではめったに生息が観測されない「オーバーオールを着た人」(薬師丸ひろ子)が見られます。オーバーオールの女の子って、アラレちゃんか? そして、映画の終わり方はあれでいいのか? なんか中途半端な感じなんだけど。

  


■法界坊■
浅草・浅草寺裏に建てられた仮設の芝居小屋・平成中村座で。10月の中村座は『仮名手本忠臣蔵』で、歌舞伎らしい演目だけど動きよりもセリフメインで個人的にはちょっと眠くなってしまったのも事実。だけど今回の『法界坊』は、家宝の紛失により没落したお家の復興、失われた家宝をめぐる人々のさまざまなたくらみ、さらには助平爺たちの横恋慕やら派手な立ち回りやらもあってテンポもよく、単純に芝居としてとても楽しい。歌舞伎ならではの大見栄もふんだんに取り入れられ、華やかな衣装や舞い、早変わりなどもあって、わかりやすい歌舞伎作品になっている。ニューヨーク公演も行なった舞台なので、その際に一層「わかりやすく、華やかな」演出が加わったのかもしれない。大喜利の終盤から幕にかけての舞台上の美しさ・華やかさはみごと。思わず声が出る。最後はスタンディング・オベーションでカーテンコール(というのか?)が2回。とてもいいものを観たよ。




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2008/10/14

週末日記


10月11日(土)

ホリデー快速ビューやまなし号に乗って勝沼へ。雨が降っているからか電車は比較的すいていて、快適。勝沼ぶどう郷駅まで2時間程度。

駅前からシャトルバスに乗ってシャトー・メルシャン勝沼ワイナリーへ行き、メルシャン・ハーベスト・フェスティバルを楽しむ。このころにはすっかり雨が上がり、むしろ晴天で暑くなった。

シャトー・メルシャン・ハーベスト・フェスティバル2008

最初にテイスティング・グラス(200円)を購入したあとは、シャトー・メルシャンのワイン10種類くらいが1杯200円~500円程度で試飲できる。何種類か飲んだなかで、甲州グリ・ド・グリももいろメルローがけっこう気に入った。

  

会場では、ミニコンサート、乙女の葡萄踏み、ソムリエのワイントークなどのイベントあり。葡萄踏みをする今年のワイン娘さん、古い民族衣装が可愛い。着ている娘さんも可愛い。

昼食は会場で。サンドイッチ、メカジキのグリル、オードブルセットなど。味はまぁまぁ。もう少しバリエーションがほしいな。

ワイナリー見学と、ワイン資料館見物。資料館のほうがおもしろかった。100年以上前のワイン(現物)の展示とかあった。

夕方、普通電車で2時間半くらいかけて帰る。夕食は居酒屋で。


10月12日(日)

休息日。

午前中に映画『八つ墓村』(豊川悦司主演)を観る。豊川金田一は、しゃべり方が古畑任三郎に似ていると思う。八つ墓村って、龍のあぎととかが出てくるやつじゃなかったっけ? この映画には出てこない。それに、多治見家まわりの人物関係とか被害者の選ばれ方ともちょっと違うような気がする。

  

昼食は明太子パスタ。昼食をとりながらドラマ『ケイゾク』を観る。

  

午後はF1日本グランプリをテレビで。フェルナンド2連勝。すげー。

夕食は肉じゃが。食後に映画『インキュバス 死霊の祝福』というB級ホラー。なんだこれ? ストーリー破たんしてるがな。わけわからん。シャロン・ストーンが出てた。

10月13日(月・祝)

浅草へ。浅草寺に軽くお参りをしてから平成中村座の歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」を観る。2階右側の席だったので花道はよく見えるが、舞台の右側3分の1くらいはほとんど見えない。でも、こじんまりとした芝居小屋の雰囲気はやっぱいいな。
動きよりもセリフや義太夫による進行が多く、ちょっと眠くなった。もう少し動きのある演目のほうが好き。
大向こうさんはやっぱり歌舞伎座のほうが上手。声をかけるタイミングや、声の出し方自体がちょっと違うよね。
お昼は幕間にお弁当。

夕方、浅草の商店街をちょっと散策。花屋敷の外で忍者ショー?をやってた。ショーのゆるい感じが浅草。見物の中にいたお爺さんのえらい濃い感じが浅草。

新仲見世で知人への贈り物用に焼き物の日本酒セットを購入。そのあと仲見世で梅鉢模様の風呂敷を買い、日本酒セットの箱を風呂敷で上手に包んでもらう。

夕食は今半本店ですき焼き。人形町今半よりも庶民な感じ。肉うまー。

8時ころ帰宅。映画『Vフォー・ヴェンデッタ』を観る。『オペラ座の怪人』のような、『ヴィドック』のような、『ダークマン』のような、『未来世紀ブラジル』のような、『パノラマ島奇談』のような、いろいろ混ざった感じの映画だった。スピーディでスタイリッシュで、なかなかおもしろかったけど、終わりがけっこうあっけなかったな。

  

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