芝居・舞台

2016/08/21

MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人 (2008年版)


CATVのLaLaTVで放送されていたので、ひさしぶりに観た。というか、映像版を観るのは初めてで、自分が観たのはPARCOでの舞台。あの頃はまだ、あまり舞台とかを観たことがなくて、出演している役者さんも山内圭哉さん、春風亭昇太さん、岡田浩暉さんしか知らなかったのだけど、あのじいさん、吉田鋼太郎さんだったんだ。それに中山祐一朗さんも、戸次重幸さんも出てるじゃん。これだけ芸達者な人たちが大挙して出てれば、そりゃおもしろいよね。

ストーリーも後藤ひろひと大王らしい、楽しくて、わかりやすい笑いどころたっぷりで、だけど切なくて哀しくて、奥行きのある機微に富んだ内容。その後、映画化もされたけれど、映画版よりもおもしろいな。

舞台芝居の映像化作品は、カット割りによっては臨場感がなくなっちゃうこともあるのだけど、この映像作品は舞台ならではの良さを生かしつつ、客席にいるときよりも役者さんの表情をよく見られる映像ならではの良さもあって、良い作品になっていると思う。


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2015/08/09

ウーマン・イン・ブラック@PARCO劇場

イギリスのゴシック・ホラー『ウーマン・イン・ブラック』を渋谷のPARCOで観てきました。出演は岡田将生さんと勝村政信さんの2人のみ(そのほかにも劇中に3回ほど、キャスティングに名前の出ない「黒衣の女」がちらっと登場しますが)。

この舞台を見るのは、実は3回目。2003年と2008年に、同じPARCOで観ています。ただ、そのときはキャスティングが違い、上川隆也さんと斎藤晴彦さんの2人芝居(プラス「黒衣の女」)でした。2003年に初めて観たときに、あまりに素晴らしくて、原作小説も買ってしまったし、1989年にイギリスで制作されたテレビ映画?もインターネットで探してみてしまったくらいです。2008年に同じキャストでの再演(実際は、上川さん&斎藤さんでは再々演です)が決まったときも、すぐにチケット取りました。

そのくらい気に入っていた芝居が7年ぶりにまたPARCOで上演されるというので、すごく楽しみな半面、キャスティングが岡田将生さんと勝村政信さんというのがちょっと心配で。斎藤さんの代わりに勝村さんはまぁ大丈夫でしょうが、上川さんの代わりに岡田さんというのは大丈夫なのか。

で、見終わった感想ですが、上川さんと斎藤さんってやっぱりすごくうまい役者さんだったんだなと。

岡田さんもよくがんばっていましたが、「すごくがんばってる」感がひしひしと感じられてしまうんですよね。本当に一生懸命にがんばってる。でも、上川さん演じるヤング・キップスと比べてしまうと、まだまだ演技の幅が狭いです。キャラの使い分けも、感情表現の振れ幅も、こじんまりしてる。

勝村さんは、さすがにキャリアのある役者さんだけあり、複数のキャラをしっかり演じ分けていました。ただ、勝村さんはテレビで見る「ちょっと頼りなげで、どことなく抜けたところのある人のよさそうなキャラ」の印象がどうしても強くて。勝村さんが演じる、この芝居に出てくる複数の人たちは、この物語の底にずっと横たわる、つらく悲しい経験をみんな一様に持っているのですが、その重みが、あまり勝村さんのイメージにマッチしない。特に御者のケクウィックは、斎藤さんの演じるケクウィックがあまりに秀逸だったこともあり、勝村さんもけっして悪くはないのだけど、ちょっと見劣りがしてしまう感じがしました。

あと、演出とか、以前と少し変わっているのでしょうか? 以前に観たときは2回とも、もっと想像力を刺激されました。少しの効果音と役者の演技だけで、ヴィジュアルとしては映し出されていないものがまるで実勢に見えるように感じられたシーンがいくつもありました。犬のスパイダーの登場シーンや、スパイダーが沼でおぼれかけるシーンなどは、走ってくる犬の姿や沼でもがく姿が見えるようでした。濃い霧の中で馬車が道をはずれ、乗っていた御者と子供もろとも沼に沈んでいくシーンも、それをイールマーシュ館の窓から見ていたジェネットと一緒に見ているような気になりました。ケクウィックとヤング・キップスが馬車で館に向かうシーンも、上川・斎藤版では、実際は大きな籠の上に並んで座っているだけですが、馬車に乗ってるようにしか見えなかった。

でも、今回はそういうことがほとんどなかった。それが残念でした。なんか「黒衣の女」も、やたらとしっかりはっきり登場しちゃってた感じだし。それなりにおもしろくはあったのだけど、なんとなく、2012年にダニエル・ラドクリフ主演で制作された映画『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』を観たときと似たような、うっすらしたがっかり感が残りました。

あぁ、また上川さんと斎藤さんの組み合わせで観たいです。


パルコ・プロデュース公演 ウ-マン・イン・ブラック <黒い服の女>


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2015/07/20

志の輔らくご「牡丹灯籠」@本多劇場

下北沢で志の輔らくごを観るのは2回目。志の輔はなかなかチケットがとりづらいので、今回はとれてラッキーだった。

「牡丹灯籠」は、たぶん古いテレビドラマか映画でしか見たことがなく、原作がどんななのかは知らない。もともとはトータル30時間くらいになる三遊亭圓朝の創作落語らしい。そのうち、映像化されているのは主に、幽霊の娘と乳母が夜な夜な恋人である浪人のところに現れて、ついには浪人を取り殺してしまうという部分で、自分もこれがこの話の主テーマで、物語の大半なのかと思っていたのだけど、原作の落語はそうではないらしい。トータル30時間に及ぶらくご作品を、志の輔は前半に背景解説を1時間、幽霊が夜な夜な訪れるくだり以降(物語全体の3分の2くらいにあたるようだ)を2時間の、合計約3時間くらいにまとめて演じた。幽霊のくだりだけでなく、物語の最初から最後までを一通り全部3時間程度で表現するための工夫だそうだ。

全編を聞き終えて思ったのは、実は幽霊のくだりって、物語のなかでは意外と脇筋なんじゃね?ということ。物語の骨子は主に仇討で、そこに複雑なお家事情が絡むという、なんというか、とても歌舞伎っぽい物語のようだ。その仇討ちをドラマチックに演出するために、仇への出合い方のきっかけとして幽霊話をトリッキーに織り込んだ、という印象を受けた。率直に言って、幽霊パートの主人公である新三郎とお露なんて、物語全体のなかでみればすっごく小さな存在というか、仇討話を成立させるためだけのサブキャラのように思える。

もちろん、30時間を3時間にまとめているわけだから、そのまとめ方に志の輔なりの意図や思考があるはずで、それで言うと志の輔が、この物語のなかで新三郎とお露にはあまり興味を持たなかったのかもしれない。それよりも、幽霊に脅されてお札をはがし新三郎を死なせてしまった伴蔵や、その妻で欲深く嫉妬深いお峰のほうに、人間としてのおもしろみを感じたのかなと思う。たしかに、映像作品でも新三郎ってキャラが弱いし、お露もなぜそこまで新三郎にこだわるのかよくわからないところもあり、以前から主役二人が印象に残らない話だと思っていた。たしかにこの二人より、伴蔵夫妻のほうがある意味、人間味にあふれていて面白いな。

ただ、全体的には登場人物が多すぎて、複雑にしすぎた感がある話だ。それをわかりやすくするために志の輔は人物相関図を作成し、第一部で見せてくれたわけだが、この試みは非常に助かった。話だけではきっと、登場人物たちの関係が把握できなかっただろう。親の仇討のために剣の修業をしていた孝助の仇が実は修行先の師匠だったり、その師匠ができた人で、のちに孝助はその師匠の仇討を目指すことになったりと、運命の皮肉や不幸な偶然などもあって、それがひねりになっているわけだが、ひねりをいろいろ入れすぎて、全体の印象が散漫になってしまったのかなと思う。そんな話をコンパクトにわかりやすく楽しめたという点で、面白いというよりも勉強になった下北沢の志の輔らくごだった。


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2010/08/16

【舞台】スリー・ベルズ

渋谷のPARCO劇場にて。

最初に観たのは「ダブリンの鐘つきカビ人間」だったか「BIGGEST BIZ」だったか忘れたけど、後藤ひろひと大王の芝居はけっこう好きで、彼がらみのものはできるだけ観るようにしてる。今回の「スリー・ベルズ」も後藤ひろひとさんらしい、笑いと涙の入り混じったファンタジー。笑うべきところと泣くべきところをわかりやすく表現してくれるので、とても楽な気持ちで観ていられる。

3つの別々のストーリーが最後にはひとつの場所に収束する構成で、きっと一生懸命考えて全体の流れをつくったんだろうなと思うが、今回はちょっとばかし「ファンタジー」の曖昧さをご都合主義的に解釈して無理やりに一点着地させたかな、という感もなくもなく。とくにアメ女のストーリーはちょっとリアリティが希薄になりすぎたように思う。もちろんアメはメタファーなのだろうけど。あと、ミュージシャンと15年眠り続けた少年の話も、ちょっと少年の扱いがかわいそうだったような気が。

ところどころにちょっとした無理と、もう少し練り込めたんじゃないかな感を残しつつも、テンポよく展開し、きちんと場内の観客の心をつかんで、最後には一体感をもせるところが、さすが後藤ひろひと大王。最後に岡田浩暉さんの熱唱を持ってきたところもにくい。そういえば岡田さんって、もともとヴォーカリストだもんね。歌、うまいわ。

やっぱ舞台はいいなぁ。

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2010/02/15

■週末舞台■ AGAPE Store「残念なお知らせ」

AGAPE Storeの最終公演。公演前の「残念な前説(テープ)」から笑わせてくれる。

AGAPE Storeの舞台はそれほどたくさんは観ていないのだけど、笑いのツボが何種類かあって、ときにはそのツボが自分にはうまくはまらず、全体としてうっすらとしか笑えないこともある。でも「残念なお知らせ」は、小さな笑いから大きな笑いまで、いい具合に自分にもはまった。松尾貴史の役柄がもう少し前に出てもっと話をめちゃくちゃにしてくれてもよかったかなとも思うけど、あのくらいに抑えたことで他の役者たちとのバランスが取れ、舞台全体でのおもしろさが上がったようにも思う。

人間の持つ悪意と恨みと嫉妬をえぐりつつ、それでも捨てきれない善良さに救いを求める……などと難しいことを考えず、素直にいま目の前で進行している場面を楽しむのがよろし。おもしろかった。

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2010/01/12

■休日舞台■ 新春浅草歌舞伎

浅草公会堂で第1部を観劇。

「正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)」はガラスケースに入った和人形が動き出したかのような美しさ。派手な隈取で勇猛な姿の小林朝比奈(勘太郎)が途中で見せる女振りとか、ほのかにおかしく、楽しかった。

「元禄忠臣蔵(げんろくちゅうしんぐら) 御浜御殿綱豊卿」は以前に歌舞伎座でも観たことがあるらしいのだが、ぜんぜん覚えてない。台詞が中心の、動きの少ない演目だけど、そこは浅草歌舞伎、とてもわかりやすい応酬になっていて、コミカルな要素もけっこうあり、楽しく観られた。でも客席では寝ている人多数。

「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの) 将門」は、七之助の美しい舞いが見どころのはずなんだけど、最後のガマに全部もってかれた感じ。ガマというにはサンショウウオのようなトカゲのような丸っこい着ぐるみの登場に視線釘付けです。終演後の出口に向かう階段で若いお姉さんたちが「あのガマの写真をぜったい筋書きに載せるべき。むしろガマを表紙に!」とかいいあうほどに大人気でした。

観劇後は花やしきで少し遊んだあと、今半本店ですき焼き食べた。うまー。

ぐるなび - すき焼き 今半本店


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2009/12/24

■休日舞台■ おしゃべりなレストラン

毎年12月に20年間、青山円形劇場で行なわれてきた『ア・ラ・カルト』が昨年で一区切りとなり、今年は『おしゃべりなレストラン ~ア・ラ・カルト リニューアルオープン 準備中~』と題し、これまでとは少し違ったものになりました。

「違い」の中でいちばん大きいのは、やはりオーナー役の白井晃さんとギャルソン役の陰山泰さんが抜けたこと。キャラの濃い、個性の強い役者がふたり抜けた分、高泉淳子さんが場の空気をつくる役を一身に背負っていて、その意味ではヴァラエティ感は少し薄まったと感じます。

白井さん、陰山さんの後任?としてギャルソン役で登場したふたりのパントマイマー、山本光洋さんと本多愛也さんも頑張っていたけれど、まだまだ自分の個性を発揮できていないというか、長い年月を経て熟成された「ア・ラ・カルト」という舞台の中での役割や立ち位置が定まっていない感じです。前任のオーナー&ギャルソンが、その芝居や役柄が非常にクセの強いものだったので、よけいに薄い感じがしてしまうのは否めません。

それでも、やはり観にいってよかった。出演者が変わって、少し小粒な感じにはなったけれど、「ア・ラ・カルト」らしさはきちんと残っていました。山本さんと本多さんが来年以降の「新ア・ラ・カルト」にもそのまま出続けるのかはわかりませんが、もしレギュラーとして定着するなら、彼らならではの味わいももっと出てくるでしょうし、レギュラー3人&ゲストとの連携もさらにこなれてくるでしょう。それを観てみたいと思わせるに充分な「~準備中~」だったと感じます。

そして、昨日のゲストの篠井英介さん。この人、一度ナマで観てみたかったんだ。舞台に立つともう、ひとりだけオーラが違う。なんというか、上品な空気が彼を包み込んでいるように見えます。声も美しいし、手の綺麗さには少しびっくりしました。舞台上で台本を渡されて突然「芝居」をすることになる……という設定が、ほんとうに「その場で芝居を始めた」なのか、「その場で芝居を始めた芝居」として練習されたものなのかは判然としませんが、一瞬で引き込まれました。やはり上手だな。今度は篠井さんがメインの、べつの舞台もぜひ観てみたい。

レストランを舞台としたショート・ショートで今年もじんわりとやさしくあたたかな気持ちにさせてくれた『おしゃべりなレストラン』が来年、どんな『新ア・ラ・カルト』へと変わっているのか、とても楽しみです。

そうそう。丸刈り頭でギャルソンをする山本光洋さんを見ていたら、三田のコート・ドールにすごくいきたくなってしまった。丸刈り頭の愛すべきソムリエ・大園さんを思い出してしまって。あぁ、大園さんのところでワイン飲んでフレンチ食べたい!

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2009/08/10

■週末舞台■ 八月納涼大歌舞伎第一部

「天保遊侠録」はわかりやすくておもしろかった。体に染みついたやくざ者の血は、いくら取り繕ったところで隠しきることはできないのねと。役をもらうための根回しやら付け届けやら、昔から世の中はあまり変わらんのねと。しかし、あの子供の役は、えらく鬱陶しい。小生意気なクソガキ。しかしなんと、あのクソガキがのちの勝海舟なんだそうな。おやじがヤクザでダメな人だからこそクソガキはお城へご奉公へいく決心をし、のちに偉い人になりましたとさ、というお話へとつながるのであった。
一方「六歌仙容彩」はつらかった。所作っていうんですか、舞ものの歌舞伎はもともと苦手で、観てて飽きちゃうし、眠くなっちゃう。六歌仙容彩はその踊りだけで2時間近くあるわけで、すっかり飽きて途中で居眠りしちゃいました。歌舞伎座は席が狭いので膝も痛くなってくるし。やっぱ自分は、きちんと役者さんのセリフのやり取りで物語が進んでいくタイプの歌舞伎のほうが好きですわ。

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2009/02/09

週末映画&舞台


■卒業■
アメリカン・ニュー・シネマの名作... でしたっけ。ずっと以前に何度か観たことがあるのだけど、ひさしぶりにまた観ました。う~ん、だめだ。登場人物の誰にも共感できない。とくにベンジャミン、気持ち悪いよ、こいつ。思い込みの激しい粘着質。エレーンも、以前からの知り合いだったとはいえ、デートをしたのはたったの一度。そのあとはベンのストーキングしか具体的な接点がない。なのに結婚式をぶちこわしてベンジャミンと逃走って、どれだけ直情的かつ短絡的なんだろう。このふたりの未来がバラ色であるはずはなく、おそらく数か月、あるいは数週間で破綻するであろうことは容易に想像できるなぁ。

  


■ゴースト・ハウス■
もともとゴースト・ハウスだったわけじゃなく、ゴースト・ハウスになった理由と、その理由の解決までを描いた映画だったのね、これ。なるほど。まぁ、ああいうことがあればホーンティングしちゃうこともあるかもしれないけど、家じゃなく人に憑けよと思う。天井を這いまわったりしてベンにばかり姿を見せるクリーチャーもなにしたいんだかわからないし、ジェシカを傷つける理由もわからん。ソロモン一家の抱える問題も、こうしたゴーストたちの意図不明さをごまかすために、あとづけでつくったようにしか思えない。なんか、中途半端な映画。

  


■天然コケッコー■
う~ん、過疎化した小中学校を舞台にした、とくになにも起きない青春物語。ストーリー的に、それはそれでいいといえばいいのだけど、自分にとっての大きな問題は、劇中で使われている方言が半分くらい聞き取れなかったこと。なにをいってるのかわからない。ああいった土地や舞台についての基礎情報等がないためか、状況等から発言内容を推測することもうまくできなかった。そのため余計に「なにも起きない」(起きてたのかもしれないけれど、それを説明しているセリフを聴き取れない)ストーリーに感じたのかも。そよの父親と広海の母親がむかしなにかあったらしいことはわかるけれど、それがストーリーに奥行きを与えるかといえば与えず、ただ思わせぶりなだけ。むかしに橋から飛び降りて死んだらしい美人も、話題にしたわりにはなんの効果も影響もなし。なんだかなぁ。

  


■テーブル・マナー■
AGAPE Storeによる舞台。新宿の紀伊國屋サザンシアターで鑑賞。AGAPE Storeの舞台を見るのはひさしぶりだけど、松尾貴史はあいかわらず松尾貴史らしい役だった。もう少し違った感じの役も見たいぞ。もともとはイギリスの芝居を日本版として翻訳したものらしく、だから、皮肉の利いたというか、厭味ったらしい描写がふんだんにちりばめられたコメディになっている。登場するのが鬱陶しい人たちばかりで、あのなかの誰ひとりとして友達になりたくないというか身近にいてほしくない感じ。とくに既婚女性陣の鬱陶しさは非常に強力。でも、ああいう人、いるよねぇ。それにくらべると、ダジャレ連発おやじとか、ピントのずれまくった坊やとか、充分鬱陶しいけれど、まだかわいい感じがする。松尾貴史演じる、鬱陶しさではおそらく登場人物一かつとんでもないトラブルメーカーのおじさんにすら、むしろ好感を持ってしまう脚本が秀逸。オチがちょっと弱い気がするけれど、芝居らしい芝居といった感じでおもしろかった。

  

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2008/12/15

週末映画&舞台

■学校の怪談2■
前作より怪談らしい内容になっていると思う。しかも今回はちょっぴりタイム・スリップ&パラレルワールド風の味付けもあり、なかなかおもしろい。冒頭に学校関係者が一人被害者となるのは前作と同じだけど、今回は被害者である校長先生(岸田今日子)がその後のストーリーにも登場し、岸田今日子らしい?素敵な妖怪として活躍。なぜ校長が被害者となったのか、なぜ懐中時計がいまだに保管されていたのかなど、つながりのよくわからないところもあるけれど、あまり深く考えないほうがこういう話は楽しめるだろう。
前作では妖怪騒動に巻き込まれるぼやっとした教師役で出演していた野村宏伸が、今回はちょっと間抜けな泥棒役で登場、やっぱり妖怪騒動に巻き込まれる。このへんはお約束なのか。校舎内で子供たちが出会う「知らない子」や、同じ恐怖を体験する憎めない大人(というか、野村宏伸)とのあいだにほどよい信頼関係が生まれるという展開も前作同様。ただ、今回のほうがノスタルジックだな。
前作では、子役の中で印象的なかわいさをもった女の子が岡本綾だとわかって少しびっくりしたが、今回も印象的なかわいさのある子がいて、もしかしてのちに有名になったかと思ってエンドロールを見ていたら、前田亜季だった。やっぱり。

  


■ファイナル・デスティネーション■
ひさしぶりに観た。爆発前に飛行機から降りた学生たちの中のひとり、地味でパッとしない感じの女子生徒って、アリ・ラーターだったんですね。『HEROES』でニキ・サンダース(&ジェシカ)だった人。ぜんぜん気づかなかった。とくに最初のほうは金髪じゃないし。
運命論的というか、決められた「死の筋書き」と人知の戦いというアイデアが、やはりいいですね。その「死」をもたらすものをあえて「悪魔」とは呼ばずたんに「死(もしくは死神)」と呼ぶのが素敵です。「死」も含めた「人間の運命」をつかさどるのはけっきょくのところ「神」ですから、これは実は「神対人間の戦い」を描いた、ある意味で宗教的な内容だと思います。
などと難しく考えず、「奇妙な偶然」で「奇跡の生存者」たちがえぐく死んでいく様を見て喜ぶという悪趣味な楽しみ方をするのがよろし。


  


■デッドコースター■
これ、封切時に劇場で観たんだよな。邦題はこんなですが、原題は『Final Destination 2』、つまり『ファイナル・デスティネーション』の続編です。今回はハイウェイでの大事故を幻視により事前に知ったことで元々の「死の筋書き」から逃れた人々が、前作同様、新たな「死の筋書き」により一人また一人と「奇妙な偶然」でえぐく死んでいきます。前作よりもえぐさ倍増。
ここでもまた「死の筋書き」から逃れるための戦いがあるのですが、そこに前作での唯一の生き残りが深く関与します。つまり、前回よりも人間側の「知」のレベルが上がっていると。そしてついに、動き始めた「死の筋書き」を無効にする方法も見つかり... だけどきっと「人間」は「神」を超えられず、さらに新たな「筋書き」を用意されという、古代から延々と続く神対人間の知恵比べの様相がいっそう濃くなった気がします。
今回は「生存者」たちに「たまたまその場に居合わせた」以外の接点がなく、そのため人物の背景よりも「死に方」に焦点が当たっていて、前作以上に悪趣味になっているので、前作以上に悪趣味な楽しみ方をするのが正解でしょう。エアバッグのシーンとか、ありゃひどいな。

  


■蝋人形の館■
テレビ地上波で。これ、封切時に劇場で観たんだよな。独特の薄気味悪さが漂っていて、なかなかおもしろい作品です。
首にナイフが刺さったり、頭に杭が刺さったり、大型ナイフ2本で首が切り落とされたりと、派手でグロいシーンもありますが、自分としてはハサミでアキレス腱をぷちっと切ったり、ニッパーで指先をぷちっと切り落としたりの、地味に痛いシーンのほうが具合が悪くて気に入ってます。そういえばパリス・ヒルトンの頭に杭が刺さって死ぬシーンは、テレビではカットされてたな。地上波には向かない映像という判断なのでしょうか。ニッパーのシーンのほうがよっぽどリアルに痛くて具合悪いと思うのだけど。
圧巻なのはエンディングの、蝋人形の館が炎に包まれドロドロと溶けていくシーンなのですが、これはやはり劇場の大スクリーンで観たほうが圧倒的な迫力でいいですね。

  


■ア・ラ・カルト■
この時期になると毎年青山円形劇場で行なわれる「ア・ラ・カルト」に、今年も行くことができました。なんでも今年で20周年だそうで、劇場外の壁にはこれまでの19回の「メニュー」と写真が貼り出されていました。自分がこの舞台を知ったのが3年前。おととしはチケットが取れずにいけなかったのだけど、去年はその分?2回観て、今回で4回目の鑑賞になります。
クリスマス前のフレンチ・レストランを舞台に、ささやかだけれど心温まるショート・ストーリーと心地の良い音楽が提供されます。それぞれのストーリーをアントレ、メイン、デセールといったア・ラ・カルトのメニューに見立て、テーブルに着くお客様とメートルやギャルソンが心地よいひと時をつくっていきます。何年にもわたって来店(登場)する常連さん(キャラクター)は少しずつ「時」を積み重ね、初めて来店するお客様(その年のゲスト出演者)は初めてのレストランで初めての料理と初めての雰囲気を楽しむ。レストランのしあわせな姿がここにはあります。
ショータイムに白井晃演じる「ペギー富岡」へのお花贈呈が今年からなくなったのは少しさびしくもありますが、相変わらずのクオリティの高い音楽としゃれたストーリー、出演者たちの安定した演技力が堪能でき、今年もいいものを観たなぁという気分で劇場をあとにしました。来年も観られるといいなぁ。

  

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