書籍・雑誌

2021/03/22

江戸川乱歩 『悪魔の紋章』

猟奇的な趣はなかなか良いのだけど、、、、
ちょっとネタバレっぽい記述をするので、ここでいったん、広告を挟みます。
「ネタバレ困る」という方は、ここから先は読まないほうがいいかも。



江戸川乱歩で探偵ものといえば、活躍するのは名探偵・明智小五郎ですが、本作では明智探偵に勝るとも劣らない推理力でこれまでに数々の難事件を解決し警察からの信頼もあつい法医学の権威で民間探偵の宗像隆一郎博士が、猟奇的な事件を解決すべく奔走します。

発生する事件や、犯人の動機、それに死体の扱い方とかは、なかなかにエグくて良いです。
ただ、探偵小説としては、なんというか、禁じ手ではないかしら。映画『ソウ(SAW)』 の1作目的というか。

「すべての不可能を消去して、最後に残ったものがいかに奇妙なことであっても、それが真実となる」というのはシャーロック・ホームズのセリフだったかと思いますが、この作品でも、発生する事件のそれぞれにおいて「不可能」ぽいことを消去していくと、あぁ、この人が犯人かなぁというのが途中でなんとなくわかります。

そのこと自体は、読者が探偵の気持ちになって物語を楽しむうえで悪いことではないのですが、その結果、残ったもの=犯人がこの人なのかってところで「それは反則じゃね?」という気持ちになり、いや、まだひとひねり、ふたひねりがあるのではないかと期待して最後まで読んだら、やっぱりそれが真実だったときの「やっぱり反則じゃね??」感が強いです。

ていうか、最後にちょろっと出てきた明智探偵がおいしいところ全部もってっちゃった、という話でした。

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2020/12/13

『le notizie "Pensiero!" archive 2000-2001: イタリアン・ポップス・メールマガジン復刻版 第3集』を発行しました

第2集を発行してから半年以上が経ってしまいましたが、やっと復刻版第3集ができました。
メールマガジン発行当時の雰囲気を感じたり懐かしんだりするための資料のひとつとしてお楽しみいただけたら幸いです。

復刻版第3集には、2000年1月から4月までに発行した分と、2001年8月から12月までに発行した分の、合計10回分を収録しています。本当は2000年5月から2001年7月までに発行した分についても収録したかったのですが、原稿データが消失してしまったため、収録できませんでした。もし、当時のメルマガをお持ちの方がいらっしゃって、ファイルを提供していただけるのなら、完全版に作り直してもいいかもなぁなどと思いつつ。。。


le notizie "Pensiero!" archive 2000-2001: イタリアン・ポップス・メールマガジン復刻版 第3集



◆目次(抜粋)◆
2000年のサンレモ音楽祭
2000年のナポリ音楽祭
Eugenio Finardi レコード会社と戦う
Milva来日
LigabueとBocelli、プラチナ・ヨーロッパ・アワードを受賞
私のおすすめアーティスト -- Luna Pop
Avion Travel、ゴールドディスクを獲得
Marco Masini、舞台から落ちる
Renato Zero「テレビはもういいよ」と語る
Fiorella Mannoia、ベスト・ライヴ賞を受賞
Mau Mau来日
Francesco De Gregori、インターネットで無料配信を始める
Matia Bazar来日中止に
「Buona novella」の舞台始まる
Cristiano De Andre'のニューアルバムはエスニック指向
「日本におけるイタリア2001年」関係
Claudio Baglioni、楽曲をオンライン配信
Iva Zanicchi、テレビでの活動はあと2年でおしまい
Romina Power、ドラッグはAl Banoのせい
Andrea Bocelli、プラチナ・ヨーロッパ・アワードを受賞
イタリア語版『Notre Dame de Paris』リリース
など


4月に第1集を出したときは今年中に10年分のすべてを復刻するつもりだったのですが、思った以上に時間がかかっています。
この分だと、来年中に復刻が完了するかも微妙です。。。。

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2019/04/14

久保亮吾『ホスピタリティを育てる物語』

以前勤めていた出版社で編集制作を担当した『サービスマインドをたかめる物語』という本があります。その出版社ではたくさんの本の編集制作を担当しましたが、そのなかでも個人的に思い入れが強く、テーマも内容も仕上がりも気に入っている本のひとつです。

残念ながら以前勤めていた出版社は現在は事業を縮小しており、この本もおそらく、現在の在庫がなくなったら、増刷されずに市場から消えていってしまう運命でした。それがとても残念でした。

しかし、出版社と著者の久保亮吾さんとのあいだで話しあいが行われ、『サービスマインドをたかめる物語』はこのまま自然消滅的になくなっていってしまうけれど、その代わりに別の出版社から、新たにリメイク版が発行されることになりました。そうしてできたのが『ホスピタリティを育てる物語』です。『サービスマインドをたかめる物語』をもとに文章やイラストを時代に合わせて修正・調整し、新たなコンテンツも加えて、装いも新しくリメイクされました。

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『サービスマインドをたかめる物語』は、文章を極力シンプルにして、見開き2ページのうちの左ページは基本的にイラストにし、読者さんに言葉で理解してもらうよりも感性に訴えかけるような内容をめざしました。言ってみれば、サービスパーソンになったばかりの人に向けた絵本のような本でした。

リメイクされた『ホスピタリティを育てる物語』は、根底に流れるものは変わりませんが、絵本というよりは、より書籍らしい内容になっているように感じます。

書籍のサイズがA5判から四六判になったこともあり、いくぶんテイストは変わりましたが、このまま消滅してしまうのかと残念に思っていた書籍がリメイク版となってこの先も残っていくことになり、オリジナル版の編集担当としてはやはりうれしいです。リメイク版を作ってくださった編集者さんと出版社さん、そして著者の久保亮吾さんに感謝。

 

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2018/09/02

平野啓一郎 『最後の変身』


読み切るのがすごく苦痛だった。途中の、カフカの『変身』の解釈部分はなるほどなどとも思ったけど、基本的には自意識ばかり強くて、だけどなににもなろうとせず、けっきょくなににもなれなかった主人公が、なれなかった理由を自分以外のせいにして、ひたすら愚痴と文句と泣き言を一見、理論的な感じで書き散らしているだけで、こういうことはティーンエイジャーのうちに終わらせておこうよというようなことを社会人2年目に引きこもりになったいい大人が言っているという設定がもうきつい。そして最後はインターネットを使って不特定多数を自分の愚かさに巻き込んで不快にさせてやろうという思考形態も勘弁してほしい。こういう感じの思考や行動の形態をインターネット上で見せる人はときどき実際に見かけるように思うが、人目につかないところでひとりでやってかってに朽ち果ててろよと思う。



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2018/04/22

アーネスト・ヘミングウェイ 『老人と海』

なんだろう。いまでは年老いて、漁もうまくなっている老人が、いつもより遠くの海にまで出かけ、これまでに出合ったことのない大きなカジキと数日にわたる戦いをし、ついには釣り上げたのだけど、港に戻る途中でサメに襲撃され、釣ったカジキをすべて食べられてしまったという、ストーリーとしてはなんということのない話だし、カジキとの戦いのなかでの回想は「むかしは俺もすごかった」という過去の栄光のフラッシュバックだし、なにより帰り着いたときには獲物はなしで漁としては大失敗で終わる物語なのに、読後感がなんか清々しいんだよな。だから、ときどきまた読みたくなる。なんかよくわからないけれど、また読みたくなる。





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2017/11/29

Obscured by Pink / Confessions (2009)


グループ名や曲名などからも、きっとPink Floydが大好きな人たちなんだろうなぁと思ったけれど、曲を聞いたら予想どおりでした(笑)
プログレッシヴ・ロックというほどプログレッシヴではなく、アート・ロックやサイケデリック・ロックのような雰囲気も漂わせつつ、あちらこちらにPink Floydの曲へのオマージュというかリスペクトというかパクリもどきというかが散りばめられてて、なんだか微笑ましくて半笑いになります。



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2013/02/14

チャオ・アモーレ・イタリア


懐かしく感じる人にはすごく懐かしい
イタリアン・ポップスのミニコミ誌
「チャオ・アモーレ・イタリア」や
「LA STAGIONE DELLA MUSICA」が
楽天オークションに出てますよ。

チャオ・アモーレ・イタリア No.1

チャオ・アモーレ・イタリア No.2

LA STAGIONE DELLA MUSICA INVERNO

LA STAGIONE DELLA MUSICA PRIMAVERA

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2012/10/20

人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった

う~ん、なんか惜しいな。

一つひとつのエピソードは参考にもなるし、ある意味で感動的でもある部分が多いのだけど、一緒に働く店長やスタッフたちから「教わった」といっておきながら、どのエピソードもその背後に「こんなことできた俺、すごいでしょ!」「みんなが協力してくれる俺、人望あるでしょ!」「こんな好成績をあげられる俺、立派でしょ!」という自己顕示欲というか自己礼賛意識というか自己承認欲求の強さのようなものが見え隠れしてる。

タイトルがよく似た本に、10年くらい前に発行された『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』というのがあるのだけど、この本では、えらくて立派なのはいつも「著者のまわりにいる人」で、自分を育ててくれた「まわりの人たちへの賞賛」にあふれてた。「自分がこんなすごいことをやった」というような内容はなくて、だからおもしろく読めたし、読後感もさわやかだった。

それに対し「マクドナルドで教わった」のほうは、まわりの人を褒めているようでいて、実際は自分自慢の要素が強いと感じる。たしかに最初はダメスタッフだったかもしれないけど、「ダメを克服して賞を取れるほどの店長になった俺ってスゲー!」ってところに帰着してる。文章に直接的にそうは書いてないけれど、読みすすめるほどに行間に「俺様えらい!」という意識を感じてしまうんだよなぁ。そのため読後感がさわやかにはならなかった。




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2011/01/27

ホルモー六景

『鴨川ホルモー』のスピンオフ短編集。『鴨川ホルモー』関係者が、『鴨川ホルモー』に書かれたのとは別の場所、別の時間にどんなことをしてたか、を描いたもの。

あくまでもスピンオフなので、本編である『鴨川ホルモー』を先に読んでおいたほうがいい。そもそも「ホルモーってなんだ?」とか、「なんでそんなこといまもやってるんだ?」といったあたりについての詳しい記述は本編にしか出てこない。このスピンオフの読者は当然、そのあたりのことは本編で予習済みが前提になってるから。

また、それぞれのお話には別々の主人公が設定されていて、いちおう、どれも独立したお話としても楽しめるのだけど、物語のなかには本編との関連を示すちょっとした「ヒント」が仕込まれている。主人公のほとんどは本編での主要登場人物とは別の人だけど、本編を知らなければその短編の中だけでしか展開しない物語が、本編を知っていると本編の主要登場人物や本編でのイベントとの関連性が見えてくる。本編を読んでいればその「ヒント」に気づき、スピンオフ物語の背景に一気に厚みが出る仕組み。その点からも、やはり本編を読んでからこのスピンオフ集を読んだほうが楽しさが大きくなる。

さらにこの本、独立した短編として楽しめる話を集めてあると同時に、それぞれの短編のなかに別の短編へのリンクとなる「ヒント」も仕込まれている。本編でのあの時期に別の場所ではこんなことがあったんだを描いた短編の、さらに別の場所ではこんなことも起きていたんだと途中であるいは読後に気づく仕組み。そして収録された短編を最初から最後まで読み終わると、この短編集全体がひとつの輪になってることにも気づく。

個別の短編の中での構成だけでなく、短編と本編をつなぐ構成、短編どうしをつなぐ構成、そして短編集全体としての構成が、非常によく考えられていて、すごいなぁ、この人は。「あの人」がチョンマゲにならなければならなかったのには、本編を読んだだけではわからない、こんな理由があったんだね。



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2011/01/09

かたみ歌


「世にも奇妙な物語」でドラマ化された「栞の恋」の原作が読みたくて。
朱川湊人という作家のことは知らなかったし、この人の作品を読むのも初めて。

物語自体はなかなか魅力的に感じる作品もあったのだけど、文体というか、表現のしかたや言葉の選び方とかが自分に合わないようで、気持ちを乗せられない。だから好きになれなかった。
収録された作品の中ではやはり『栞の恋』が素敵だったけど、原作よりもドラマ版のほうが良いと感じてしまった。

こういう露骨に昭和ノスタルジーを武器にしたような作品って、やっぱり合わないんだな。
自分は昭和にノスタルジーなんて感じない。
舞台や背景に昭和ノスタルジーがないと成立しないような「良さ」には感情移入できない。
テーマの選び方自体は悪くないのに文体の合わなさと露骨な昭和ノスタルジー表現が物語を味わうことを阻害した残念な作品集だった。自分にとっては。


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