映画・テレビ

2018/04/08

刑事モース~オックスフォード事件簿~ Endeavour (TV series 2012~)

コリン・デクスターの小説に登場するモース警部が、まだ刑事になったばかりのころを描いたテレビドラマ。10年以上にわたって製作されたテレビドラマ『主任警部モース Inspector Morse』のスピンオフで、原作小説に登場するキャラクターをベースにつくられたオリジナル・ストーリーという点が、『オックスフォードミステリー ルイス警部 Lewis』と共通しています。

そして自分は、オリジナルの『主任警部モース』も嫌いではないけれど、どちらかというと『オックスフォードミステリー ルイス警部』と『刑事モース~オックスフォード事件簿~』のほうが好きなんです。それはたぶん、『主任警部モース』のモースのキャラクターが、あまり好きではないからなのかもしれません。いかにもイギリスといった感じの雰囲気や、落ち着いたストーリー展開はすごく気に入っているのだけど、主人公のキャラとしては『ルイス警部』のルイスとハサウェイのほうが好きだし、『刑事モース』の若き日のモースのほうが好き。たぶん、彼らのほうが『主任警部モース』のモースより、シャイな感じがするからなんだろうな。

特に『刑事モース』のモースは、シャイだけど空気を読まずに偉い人にも率直な意見を言ってしまうところがかわいらしい。目をかけて面倒をみているサーズデイ警部補も胃が痛いことでしょう。サーズデイさんが、あとから入ってきたモースのほうに目をかけるから、ちょっと拗ねて意地悪気味なジェイクス巡査部長も、ある意味でかわいいし、口の利き方を知らないモースに厳しく当たるブライト警視正も物語を引き締めます。主要な登場人物たちがみな物語を構成するうえで意味のあるキャラクターを持っていて、そのバランスが優れているところが、きっとこのドラマをおもしろくしている要因のひとつなんでしょう。

最新シーズンはWOWOWでの放送のみで、BSでの放送はシーズン2で終わりのようで、すごく残念です。AXNあたりで放送してくれないだろうか。






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2018/03/25

パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~


テレビ朝日で放送された、天海祐希主演によるアガサ・クリスティ作品のドラマ化なんだけど、なんでこんなにひどいんだろう。主演の天海祐希のほかに、草笛光子、石黒賢、勝村政信、鈴木浩介、西田敏行、橋爪功と、一癖も二癖もある芝居のうまい人たちをたくさん集めているのに、役者のむだ使いとしか思えない。緊迫感も緊張感も皆無だし、ストーリー展開に緩急も抑揚もないし、展開は遅いし、せりふ回しはとってつけたようで現実感がないし、これでは役者さんたちがかわいそうだ。
詮索好きでおしゃべりなおばあさんのミス・マープルを警官上がりの超優秀なキャリア女性にキャラクター変更したのもなんの役にも立っていないし、安楽椅子探偵としての発想や推理の冴えといったものもまったく感じられない。探偵側、容疑者側、被害者側のそれぞれの人物描写も薄っぺらくて深みやおもしろみがなく、その点でもミステリーとして魅力が薄すぎる。
数多くあるアガサ・クリスティ作品の映像化のなかでも大失敗のひとつだと思える。この分だと、まだ見ていないけど、今日放送された「大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~」もきっとすごく残念な出来になっているんだろうなと思ってしまう。


パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~ (テレビ朝日)




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2018/02/11

桐島、部活やめるってよ (2012)


いかにも日本映画らしい作品だと思う。情緒的で、ストーリー展開よりも登場人物の心情の動きを楽しむタイプ。こういうタイプの作品は、自分はあまり好きではない。それでも最後までそれほど退屈せずに観ることができたのは、若い役者さんたちがそれぞれに若いゆえの繊細さとか純粋さとかいやらしさとか狡猾さとかを上手に演じていたからだと思う。東出昌大の役者としての魅力はあいかわらずよくわからないが。


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ザ・レガシー ep:1 失われた地底帝国の謎 El Dorado: Temple of the Sun (2010)


はるかむかしに失われた伝説の都市とそこに眠る財宝を探し求めるトレジャーハンターが主人公で、それに協力する者たちとの掛け合いがあったり、それを邪魔し阻止しようとする敵方との戦いがあったりという、典型的なアドベンチャー・ムーヴィーなのだけど、観ていてちっとも高揚感を得られないのはなぜだろうか。緊張感も緊迫感もないシーンの連続。物語の展開も淡々としていて緩急やメリハリがなく、トレジャーハンティングの途中で起きた出来事を順番に紹介しているだけだし、登場人物間のセリフの掛け合いもリズムが単調だし、会話の内容にもおもしろみがない。エピソード1が107分、エピソード2が101分の全2話で構成されているらしいのだが、あまりの退屈さにエピソード1を最後まで観るだけでも苦痛で、エピソード2は観るのを断念した。

ヒロインのナタリー・マルティネスは、のちにテレビドラマシリーズの『アンダー・ザ・ドーム』や『APB ハイテク捜査網』でメインキャストを務めた人だが、この2作品とも自分にはつまらなかったんだよなぁ。テンポ感とか会話の妙といったところがぜんぜんだめで。この人が出る作品は自分には合わないのかも。なお、上記テレビドラマシリーズではずいぶん体が大きくなってましたが、この『ザ・レガシー』はこれらよりも前の作品で、ナタリーさんがまだ比較的細いです。

主人公のトレジャーハンター役はシェーン・ウェストという人で、日本版のWikipediaによると1990年代後半から様々な映画やテレビドラマに出演しているのだけど、そのフィルモグラフィのなかにこの『ザ・レガシー』が含まれていないところに、この作品の評価を見た気がしないでもない。

『ザ・レガシー』はいわゆるテレビ映画なので、劇場で公開される映画と比べることはできないが、それでもこの退屈さと比べると、『インディ・ジョーンズ』シリーズとか『ハムナプトラ』シリーズとか、あるいは『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』とか、本当によくできた作品だなと思う。

そういえば、『ザ・レガシー』の主人公はジャック・ワイルダーという名前なのだが、もしかしたら『ロマンシング・ストーン』シリーズの主人公であるジャック・コルトンとジョーン・ワイルダーからとったのかな。だとしたら『ロマンシング・ストーン』に土下座して謝れといったレベルの内容だった。





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2018/02/04

救命病棟24時 第2シリーズ (2001)


少し前に再放送されいるのを観たら、やっぱり抜群におもしろい。もう何回も見ていてストーリーは知っているし、一部のセリフも覚えているくらいなのに、何度観てもおもしろいっていうのはすごいよな。

スピード感と緊張感がありつつ、シリアスなテーマな内容でありながらも、ところどころで力を抜いてくれるシーンが織り交ぜてあり、その構成とバランスが非常に優れていると思う。登場人物のキャラ設定もバラエティに富んでいて、かつ、それぞれに有機的に影響するように配置されているし、役者さんのキャスティングにも無理がなく、みんながその役にぴったりと感じられる。医局長と看護師長の掛け合いや、神林先生と太田川先生のほのぼのとした会話、互いにそこはかとなく好意を持っているようなのに安易に恋愛方向には進まない新藤先生と香坂先生の関係性など、どれもが愛らしい。そこに第1シリーズからの継続で新藤先生の過去を知っている桜井看護師や、馬場先生と城島先生と山城看護師の三角関係?などが彩を加え、医療ドラマだけでなく人間ドラマとしての広がりや奥行きを感じさせる。

シリーズを通して研修医の成長や救命救急センターとそのスタッフたちのチームワークや結束の強化が描かれると同時に、1話ごとに小さなテーマがあるのもよかった。そのうえで常に「救命は医療の原点であり、ただ目の前の患者を救うことに全力を尽くす」ということをいちばんのテーマとして扱っていたことが、このシリーズが何度観てもおもしろい理由なんだろうな。このあとの第3シリーズ以降は、大規模災害時における医療のあり方だとか、救命医療の崩壊だとか、社会的なテーマを大きく前面に打ち出すようになってしまい、それが物語としてのおもしろさをそぐ方向に行ってしまったように思う。このシリーズに求めていたのは「目の前を患者を救うことに全力を尽くす」医師や看護師たちの姿であり、その現場で起きるそのときどきの葛藤や苦しみや喜びなんだよ。

というわけで、自分としては第2シリーズがいちばん好きで、次に第1シリーズ、第3シリーズの順。第4シリーズと第5シリーズはクオリティダウンが大きくて、シリーズ全体が残念な感じに終わっていってしまった印象。

しかし、第1シリーズはあいかわらず再放送がないんだなぁ。また観たいなぁ。



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2018/01/06

ペット・セメタリー2 Pet Sematary 2 (1992)

1989年公開の前作は、原作小説の持つ魅力には遠く及ばないものの、原作の持っていた「深い愛情ゆえの間違った判断と行動の結果として起きる恐怖と悲劇」がそれなりにきちんと描けていて、なかなかよくできた映画だった。

しかし、その後日談となるこの2作目は、もう残念としか言いようがない。子どもたちがつくったペット・セマタリーの奥にある、ミクマクインディアンが「腐った土地」として廃棄した古い埋葬地(という説明は映画のなかではされていないが)に死んだものを埋めると生き返る、という設定だけを都合よく使った、前作とは別物と考えたほうがいい。

死んでしまう理由も、それを生き返らせる理由も、非常に場当たり的で思慮に欠け、そうしなければならないと決心させるに足る愛情や悲しみの深さもないし、それをすることに対する倫理的な葛藤もまったくない。『ペット・セマタリー』という作品は、そこが物語の根底部分のはずなのに、そういったことをすべてすっ飛ばして、単純なモンスターもどき映画にしてしまった。ミクマク族の古い埋葬地も、そこへと続く道への境界線である枯れ木の山を越えるには強い意志が必要だし、死んだものを入れるための穴を掘るのは大人でさえ一晩かかるような、石が多くて非常に硬い土地だから、ここでも「どうしても生き返らせたい」という硬い意志が必要なはずなのに、この映画では子どもでもたいして苦労せずに掘れる土地になってる。簡単に死んで、簡単に穴を掘って埋めることができ、簡単に生き返ってくる。

「そこに死んだものを埋めると、それが生き返る土地がある」というアイデアがほしかっただけならば、『ペット・セマタリー』(映画では『ペット・セメタリー』と表記)というタイトルは使わないでほしかった。これが『ペット・セマタリー』のシリーズでなければ、それなりに楽しめたかもしれないのに。




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ぶどうのなみだ (2014)


う~ん、これはなぁ、どうかなぁ。いわゆる人生再生ものなんだけど、再生が必要になる前の生と再生中の生との落差がそれほど明確に描かれていないから再生の必要性もあまり強く感じにくいし、おそらく物語の中心となるはずであろう再生中のストーリーが淡々としすぎてておもしろみや主人公の成長を見る楽しみも希薄だし、そもそも主演の大泉洋がこういう役には合わないというか、大泉洋の良さや魅力がうまく出ていなくて、いろいろと残念な感じ。舞台が北海道だからというだけで大泉洋をブッキングしたんじゃないかという印象がすごく強い。

ヒロイン?役の安藤裕子はちょっとすてきだったけど、この人が演じるエリカという女性の再生ストーリーも中途半端でなんだかなぁ。

主人公である大泉洋に対しある種の愛憎や葛藤を抱える弟を演じた染谷将太も、もっとできる役者さんのはずなのに、きちんと活かされていないように感じる。

大杉漣やきたろう、田口トモロヲ、りりィなど、味わいのある役者を脇に多く配しているのに、ほとんどが役者のむだ遣いといった感じ。




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グッドモーニングショー (2016)


中井貴一はシリアスな役も重厚な役も上手だけど、個人的にはコメディ系の芝居が好き。生真面目でちょっと不器用な中井貴一がちょっとした騒動に巻き込まれて困った顔であたふたしているだけでおもしろい。その点でこの作品も十分楽しめた。

思い込みが強すぎて困った女子アナ役の長澤まさみもよかったな、いかにもいそうな感じで。長澤まさみもコメディ系の芝居のほうが魅力的なことが多いように思う。全体のヴィジュアルはいいけれど笑顔が少しアホっぽい感じがするからか。

濱田岳は、なんかどの役で見ても濱田岳だな、良くも悪くも。役を選ぶ役者な気がする。

志田未来の目力はあいかわらずすてき。そして木南晴夏は脇役でも必ず一定以上の存在感を示すよな。ふたりともいい役者さんだと思う。




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2018/01/04

ファイナル・デッドクルーズ Donkey Punch (2008)


超絶つまらない。豪華クルーザーに乗った頭の悪いパーリーピーポーの男女7人が船の中でくだらない理由で殺しあっていくだけ。前半はポルノ映画まがい、後半はサスペンスもどき。ちなみに『ファイナル・デスティネーション』シリーズとはまったく無関係。時間のむだ。



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2017/12/31

超高速!参勤交代 (2014) / 超高速!参勤交代 リターンズ (2015)


悪意のある権力者にむちゃ振りされた貧乏弱小集団が、もてる知力と体力、人間力などを駆使してさまざまな難関をクリアしていく珍道中を描いたロードムービー風時代劇というアイデアが非常に独特かつユーモアに富んでいておもしろかった1作目。登場人物たちもそれぞれにキャラクターが立っており、キャラのヴァリエーション面でも人数面でも過不足のない、非常にちょうどいい感じで、そうしたことも含めてすべてにわたって非常によく考えられた楽しいエンタテインメント作品だった。

その続編となる「リターンズ」のほうは、1作目からのある種のお約束的な小ネタは挟まれていたが、作品のアイデアの基本部分であったはずのロードムービー風要素がほとんどなくなってしまい、よくある感じのある種のエンタテインメント系時代劇になってしまったのが残念。主人公たちの前に立ちはだかる難関をクリアするための「知恵」も1作目に比べると小粒だし、そもそも「知恵」を出す必要に迫られる局面自体も数が減ってしまった。エンタテインメント作品として十分おもしろくはあるのだけど、ユーモアと小気味よさ、それに人情味を適度なテンポで描いた1作目のバランスのよさとそこから生まれるおもしろさと比べると、少し見劣りがするな。








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