映画・テレビ

2020/09/21

あやしい彼女(2016年)

多部未華子さんは『ルート225』『夜のピクニック』(ともに2006年)や『鹿男あをによし』(2008年)のころから好きな役者さんのひとりで、多部ちゃんが出演している作品は基本的にはずれなしというか、どの作品でも趣のある役柄を演じるという印象です。映画とテレビドラマだけでなく、舞台を観たときも独特の雰囲気をまとっていて、その印象を強くしました。

ただ、この『あやしい彼女』はなぁ、これまでに自分が観たことのある多部ちゃん出演作のなかでは、最も「多部未華子という役者がはまっていない」作品ではないかと感じてしまいました。

もともとは韓国映画かなにかのリメイクらしいですが、元の映画がそうなのか、それともリメイクのしかたがへたなのか、物語の進行はテンポが悪いし、主人公の書きこみ方は薄いし、軽く群像劇風な要素があるけれど主人公以外の書きこみ方はいっそう薄くて、登場人物の誰にも魅力が感じられません。

多部ちゃんはがんばっているし、周囲にも小林聡美さん、倍賞美津子さん、志賀廣太郎さんといった芝居のできる人を揃えているのに、最初から最後までだらだらしていて平板に感じてしまうのは、脚本が悪いのか演出が悪いのか、それともカット割りが悪いのか、ともかく残念な感じです。

そしてなによりも、この作品では多部未華子という役者さんの魅力が活きていません。主人公の大鳥節子は胸の奥にあるいろいろな想いを上手に表に出すことが得意ではないタイプの人のようですが、倍賞さんが演じた冒頭20分ほどでの瀬山カツ(大鳥節子の本来の姿)の描かれ方があまりにも「ただの感じが悪いばあさん」で、この時点で反感しかもてなかったことと、大鳥節子になってからも基本的には「口の悪い小娘」の薄っぺらな青春シーンが多く、主人公のもつ想いや人間的な魅力といったものが感じられません。

大雑把な表面の内側にある心の機微の表現が必要な、本来であれば多部ちゃんが得意とするタイプの役柄であるはずなのに、ほぼ見た目どおりの人物にしか見えないのは、多部ちゃんの演技力のせいではなく、脚本や演出が多部未華子という役者の魅力を理解していないためではないかと感じます。その意味で、「多部未華子という役者がはまっていない」と強く感じます。

多部ちゃんの出演作はいくつも観てきましたが、「これ、多部ちゃんではない役者で観たかった」と思った作品は初めてです。想像するに、この脚本と演出ならば、綾瀬はるかさんや榮倉奈々さんなどが演じたほうが、もっとポップな感じになってよかったのではないでしょうか。多部ちゃんをキャスティングするならば、主人公だけでなく脇も含めて人物描写にもっと深みや奥行きがほしかったと想います。


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2020/03/22

マスカレード・ホテル (2019)

飲食店やホテルといった「接客の現場」を舞台にした作品は個人的に好きなこともあり、この映画も楽しく観られた。最初の事件の容疑者のアリバイが、友人がその容疑者の自宅にかけた電話だけだというのに、かけた側の電話の通信記録も、受けたはずである容疑者の自宅電話の通話記録も、警察が取り寄せ確認をしていないというのはあまりにずさんではないか、そんな操作能力で連続殺人の捜査ができるのかとか、思うところはあるが、木村拓哉と長澤まさみが扮する主人公たちが、次々に登場する怪しげな宿泊客たちの「隠された事実」を見抜いていくオムニバス作品的な楽しみ方もできて、全体としておもしろかった。
ちなみに、木村拓哉の歩き方やお辞儀のしかた、待機時の手の位置などが、はみ出し刑事としての登場時はだらだらとしたものだったのに、潜入捜査が進むにつれてホテルマンらしいかっちりとしたものになっていき、捜査が終了し刑事に戻るとまた歩き方も揺れるようなものに戻るところに、ちゃんと考えて演技をしているのだなということが感じられ、好感を持った。

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2020/02/16

激走!5000キロ The Gumball Rally (1976)

違法な公道レースを題材にした映画はたくさんあるけれど、犯罪がらみとかではなく、交通ルールを破ること以外の違法行為が基本的にはない点がいい。
他の参加者よりも早くゴールするためのちょっとした企てはあったりするけれど、他者への悪意のある妨害工作がないところもいい。レースをする目的も、犯罪に関係していることもなく、大金のためでも名誉のためでもなく、ただ「クルマを速く走らせることが楽しいから」だけなところもいい。
大きな陰謀や事件のようなものもなく、ただクルマやバイクが激走しているだけなのに楽しい。
カワサキのバイクで参加するライダーはけっきょくひと言もしゃべらなかったように思うが、彼が走ってこけて跳んでつっこんでいるだけでおもしろい。
参加者はみんな、違法レースに参加し交通ルールも無視しまくる犯罪者ではあるのだけど、みんなナイスガイでかわいらしく、見終わったあとも気分がいい。
こういう単純で楽しい映画って、最近はあまりないように思う。



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2019/12/31

アナベル 死霊人形の誕生 Annabelle: Creation (2017)

『死霊館(The Conjuring)』シリーズのキーパーソン?とも言える呪われた人形「アナベル」の、タイトルどおり誕生秘話を描いた作品。そうかぁ、この夫婦がサタニズムに走って召喚しちゃったのかぁ。突然の大きな音や恐ろしげな顔のアップで脅かすよりも、じわじわ迫る系のオーソドックスなオカルト映画といった感じで、個人的には好きなタイプ。ただ、途中でいかにも映画版の『リング』や『呪怨』からの影響を思わせるカクカク動きが出てきたのは興ざめだった。
ところで、たしか『死霊館』の1作目と2作目の『死霊館 エンフィールド事件』は実話ベースで、アナベル人形も実在するらしいが、『アナベル 死霊人形の誕生』も実話ベースなのだろうか。しかしアナベル人形、悪霊つきではなかったとしても顔が恐すぎるよな。


アナベル 死霊人形の誕生 [ ステファニー・シグマン ]
by カエレバ

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ジグソウ:ソウ・レガシー Jigsaw (2017)

『SAW』1作目は、たしか劇場に観にいった。ほぼワンシチュエーションで最初から最後まで緊迫感が持続し、最後の種明かしでは普通にびっくりしたことを覚えている。その後のシリーズも、CATVでだが、ほとんど観た。ただ、ストーリーの衝撃や緊迫感で1作目を超えるものはなく、だんだんとただ痛いくてグロいだけのトーチャー映画になっていき、それはそれでそういうものとして楽しめるのだけど、そのうちに飽きてきてしまった。
そのシリーズも2010年の『ソウ ザ・ファイナル』で完結したはずだったのに、なぜか新しいシリーズとしてまた始まってしまったのが『ジグソウ:ソウ・レガシー』。率直に言って、やめておけばよかったのにと思う。痛さとグロさに走った感がある前シリーズ後半を反省してか、ストーリーづくりに力を入れたようで、その部分ではなるほどと思わせたが、あまりにシンプルなゆえにかえってそれが衝撃的だった1作目のストーリーと比べると、少し複雑にしすぎてしまった感があり、犯人が示されたときのスッキリ感はあまりなかった。また、ストーリーに比重が寄った分、このシリーズの見所のひとつである痛い仕掛けとそれを解除するための謎解きの部分がかなり弱くなり、そこでのある種のすっきり感も薄められてしまった印象。いちおう、新シリーズの1作目となるらしいが、続編はもうつくらないほうがいいのではないかな。

ジグソウ:ソウ・レガシー [ マット・パスモア ]
by カエレバ

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銀魂2 掟は破るためにこそある (2018)

原作コミックを読んだことがないのと、前作の映画も観ていないので、いきなり劇場版2作目を観て楽しめるのかと少し心配したのだけど、普通に楽しめた。舞台設定は荒唐無稽だけれど、展開のテンポがよく、アクションとコメディ要素と人情味を組み合わせたコアストーリーがわかりやすい。

登場時間は短かったが、長澤まさみはやはり美しいな。メインアクトのひとりである橋本環奈は、フェイスはめちゃくちゃ美しいのに、丈が短く肉付きがよすぎるボディが頭部とあまりにアンバランスで、そのちぐはぐさ加減が逆にかわいい。演技そのものは、少なくともこの作品ではうまいとは感じなかったが、アイドルフェイスでありがなら全力で振り切った変顔も辞さないあたりにプロフェッショナルなものを感じる、気がする。

男優陣では、堤真一は出てくるだけで存在感がありまくりだし、柳楽優弥の目力も魅力的。小栗旬のアクションもかっこよかった。菅田将暉は、もっとできる役者のはずだけど、この作品ではガーガーわめいているだけのシーンが多くて、ちょっともったいなかった感じがする。

ところで、劇中に『となりのトトロ』と『新世紀エヴァンゲリオン』のパロディが挿入されていた。自分はこの2つしかわからなかったのだけど、きっとほかにもいろいろあったのだろうな。こういったパロディは、オリジナルを知っていないと意味不明になるわけだけど、『銀魂』の劇場版を観る観客層と『となりのトトロ』『新世紀エヴァンゲリオン』を観る観客層って、重なっているのだろうか。それとも、『となりのトトロ』『新世紀エヴァンゲリオン』は誰でも知っていて当然のスタンダードにいまの日本ではなっているということなのだろうか。


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2019/11/03

シカゴ・ファイア

AXNで放送されている「シカゴ・ファイア」のシーズン6がシーズン・フィナーレを迎えたわけだが、なんというか、いやな感じの終わり方だったな。グリソムの局長就任も感じ悪いが、ガブリエラ・ドーソンがまた「私だけが正しい」で暴走するドーソン病を発動してケイシーを困らせているのがほんとに嫌な感じ。ドーソンはシーズン1からのメインアクトのひとりだけど、基本的に他の人への配慮や思いやりを重視する51分署のスタッフたちのなかでドーソンだけが「自分の気持ちがいちばん大事」で、他の人にも「私の思いを100%尊重しろ」と押し付けるキャラクターであるところが、どうしても好きになれない。もう、プエルトリコでもどこでもいいから派遣されて、そのままシリーズを降板してくれればいいのにと思う。


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2019/08/13

羊の木 (2018)

刑務所の収容人員削減および地方の過疎化対策のための行政による極秘プロジェクトとして、刑期を終えた殺人犯を地域に受け入れるという設定自体はなかなかおもしろいと思うのだけど、6人の殺人犯のうちの4人は全体のストーリーにほとんどかかわってこなかったのが残念。群像劇としてうまくつくれないのなら、最初から受け入れる殺人犯は北村一輝と松田龍平の2人だけでよかったのではないか。「その他」の殺人犯に田中泯、市川実日子、優香とか、役者の無駄づかい。ネームバリューのあるキャスティングをしているのに「その他」関係のエピソードが核となるストーリーとはほとんど絡まないために全体の求心力を弱めることにしかつながっていないように思う。
しかし、『梅ちゃん先生』での看護師とか、『ボク、運命の人です。』でのヒロインとか、不機嫌そうだったり不幸な感じだったりする役を演じる木村文乃は素敵だ。明るく元気な役で笑顔を見せるときよりもずっと美しく感じる。


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2019/04/14

ヘブンズ・ゲート The Minion(1998)

ドルフ・ラングレン主演。B級オカルトアクションでしょうか。神側も悪魔側も体力勝負で、知力はほとんど使いません。ストーリー展開も力業といった感じで、オカルトならではの知性や神秘性とは無縁です。マシンガン撃ちすぎ。テンプル騎士団弱すぎ。正直に言って、つまらなかった。

 

 

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2019/03/10

亜人 AJIN (2017)


まぁ、ストーリーや設定はなんというか、だからどうしたという感じで、たいしておもしろくなかったというか、自分の好みとはずいぶん遠いところにあったわけで、それはまぁ好みの問題なのでいいのだけど、しかしあれだな、綾野剛って、こういう強さとか非情さとかを前面に出す必要がある役が本当に合わないな。どうも線が細くて迫力がない。少し気弱だったり抜けてたり繊細だったりする役のほうがはまるように思う。もしかしたら綾野剛と佐藤健は配役が逆のほうがよかったのかもしれないと思った。


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