映画・テレビ

2024/01/08

『DEP:重大事故捜査班』(2019~2023 / カナダ)

原題:Departure (TV series)
出演:Archie Panjabi、Kris Holden-Ried、他

カナダの連続テレビドラマで、いまのところ「航空機編」(シーズン1)、「高速列車編」(シーズン2)、「旅客船編」(シーズン3)までつくられている。各シーズンとも1話45分×6話構成で、長すぎないところが好ましい。ただ、ストーリー的にはシーズンを追うごとにつまらなくなってしまった。シーズン1では墜落の原因が事故か自殺かテロかと錯綜し、その理由も個人的なもの、ビジネス的なもの、国家的なものとストーリーが進むにつれて変化していき、最後にそう来たかという点で、単なるディザスターものプラスαのおもしろみがあったのだけど、シーズン2以降は最初から事故の原因の陰謀臭さが強すぎるし、生存者数もどんどん増えていくし、いろいろとスケールダウンしていった印象。シーズン4は厳しいだろうな。


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DEP:重大事故捜査班(アクションチャンネル)
Departure (TV series) (Wikipedia)

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2023/12/03

『死刑にいたる病』(2022 / 日本)

監督:白石和彌
出演:阿部サダヲ、岡田健史、他

日本のサイコなシリアルキラーものって、動機や殺害方法や遺体の処理のしかたなどがどこかマンガチックというか、見せ方に「ほらほら、いかにもサイコっぽいでしょ」といった感じがあるものが多く、アメリカの『Criminal Minds』に登場するシリアルキラーなどとは比べものにならないほど計画や犯行が稚拙というか幼稚な印象で、不気味さとか得体の知れなさとかがあまり感じられないことが多いのだけど、この作品はなかなかの具合の悪さで、個人的にかなりおもしろかった。阿部サダヲにこういう役をやらせると本当にうまい。

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2023/08/13

『セイント・モード/狂信』(2019年・イギリス)

原題:Saint Maud
監督:Rose Glass
出演:Morfydd Clark、Jennifer Ehle 他

オカルト・ホラーぽいタイトルや雰囲気だけど、日本語タイトルに副題風につけられている「狂信」が思いっきりネタバレ。なにかに対して強く思いすぎること、その思いにとらわれることが、いちばん恐ろしい。

「恐ろしいのは…信仰だ。いっさいの異端を認めない心。これは邪悪なものだ!これはうそで実在しないものだと狂信している精神は恐ろしい」

萩尾望都『ポーの一族』



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『護られなかった者たちへ』(2021年・日本)

監督:瀬々敬久
出演:佐藤健、阿部寛、清原果耶 他

なんか、悲しい話だった。加害者も被害者もその他の登場人物も本当に悪い人なのではなくて(たぶん、悪人は千原せいじが演じたおっさんだけ)、さまざまな事情や状況が重なった結果としてああいう行動を選んでしまっただけ。その選択が間違いだったと、当事者からは遠い安全な位置にいる人があとから言うのは簡単だけど、実際に自分がその渦中にいたならば絶対に選択を間違わないでいられるかどうかはわからない。
謎解きものとしては、真犯人は途中でわかってしまったけれど、最後の黄色いパーカには思いが至らなかった。そうか。
役者陣も、阿部寛さんはまぁいつもの阿部寛さんでしたが阿部寛さんならではの味わいがあり、キーパーソンである佐藤健さん、清原果耶さんは安定して芝居が上手だし、深い包容力を感じさせる倍賞美津子さんもさすがだった。そして永山瑛太さんはもう、こういう複雑な心境を持つ登場人物を演じるのが本当にうまい。
基本的にはつらく悲しい話だけど、良い作品だったと思います。




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2023/06/04

『ヒッチャー (The Hitcher)』(1986年・アメリカ)

監督:ロバート・ハーモン Robert Harmon
出演:C・トーマス・ハウエル C. Thomas Howell、ルトガー・ハウアー Rutger Hauer、他

ルトガー・ハウアーのマッチョなサイコっぷりが印象的。
クルマで移動中にたまたまヤバいやつとちょっとした関わりを持ってしまったがために執拗に追い回され命を狙われるというという構図は『激突! (Duel)』(1971年・アメリカ)っぽくもあるが、追いかけてくるクルマの運転手が最後まで映らない『激突! (Duel)』のほうが不気味感は上かも。
犯人が名前も身元もどこでどういうふうに生きてきた人間かもわからないという設定は『セブン (SE7EN)』(1995年・アメリカ)と同じだけど、ルトガー・ハウアーが演じたJohn Ryderのほうが、『セブン』のJohn Doeよりも人間味があるように思う。その意味で不気味感は『セブン』のほうが上かも。
ジョン・ライダーが神出鬼没すぎる(なぜジム・ハルジーの居場所がことごとくわかるのか)とか、警察が弱すぎるとか、気になるところはあるけれど、けっこうおもしろかった。ただナッシュは気の毒だったな。余計なことに首を突っ込むから、もう。





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2023/03/12

『ホテルマン東堂克生の事件ファイル~八ヶ岳リゾート殺人事件』(2022年・BS-TBS)

1990年から2002年にかけてTBSで断続的に連続ドラマやスペシャルドラマがつくられた、石ノ森章太郎のコミック『HOTEL』(1984年~1998年)を原案に、2022年にBS-TBSで放送されたテレビドラマ。番組サイトには「本作品は、石ノ森章太郎の名作コミック『HOTEL』を原案としたスピンオフドラマ」と書いてある。
過去のテレビドラマ版『HOTEL』シリーズも原作コミックとはずいぶんと内容の違うものにはなっていたが、それでも原作へのリスペクトはあったし、ホテルという場所の持つ魅力やそこで働く人、そこに訪れる人、そこで展開されるサービスといったものをきちんと描こうという原作の趣旨は受け継いでいたと思う。
しかし、このスピンオフはひどい。舞台がホテルである必要も、主人公が藤堂マネージャーである必要も感じない。昭和の時代に数多くつくられた温泉宿などを舞台とした2時間ミステリードラマと変わらない内容で、とりあえず、原作コミックのファンと過去にドラマ化されたシリーズのファンの両方に謝れといった感じでした。

ちなみに、藤堂マネージャーの名前は「東堂克生」というのだけど、「克生」の読み方が原作コミックでは「かつみ」、過去のドラマシリーズでは「かつお」で、今回のドラマでは「かつき」と、少しずつ違うらしい。名前の読み方は難しい。


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2023/03/11

『白鯨(Moby Dick)』(1956年・アメリカ)

監督:ジョン・ヒューストン John Huston
出演:グレゴリー・ペック Gregory Peck 他

有名だけど観たことのなかった作品。原作小説も未読で、船乗りのあいだで伝説的に語られる巨大な白クジラ・Moby Dickを仕留めることに執念を燃やす老船長の話……くらいの知識しかなかった。
舞台はエイハブ船長が指揮する捕鯨船で、ストーリーはMoby Dickを追跡し闘うことと、ある意味では単純なものではあるのだけど、船長はエイハブ(アハブ)だし語り手はイシュマエルだし出航前にはイライジャ(エリヤ)という名の予言者がちょっと登場するしと、聖書との関連というか影響というかがあちらこちらにうかがえる。
そうすると、圧倒的な力を持ち多くの船乗りから恐れられる巨大な白鯨は、もしかしたら神のメタファーかもしれないし、それに挑もうとするエイハブ船長やPequod号の船員たちは異教徒、異端者のメタファーであり、滅ぼされて当然、そしてその力を伝えさせるためにイシュマエルを生かしたのか。あるいは、多くの船乗りの命を奪った白鯨は悪魔のメタファーで、それを滅ぼそうと最後まで闘ったエイハブ船長や船員たちは殉教者なのか。
などと深読みもしたくなるが、大長編らしい原作小説(核となるストーリーから逸脱した記述も膨大らしいが)を2時間弱の映像作品にまとめたためか、意外とあっさりした印象が残った。エイハブ船長とスターバック一等航海士がなぜあそこまで信頼し合っているのか、その背景がもう少ししっかりわかるように描かれていたなら、Moby Dickに執着するエイハブ船長をあれほど諫めていたスターバックが、エイハブ船長の死を目にして帰還を望む船員たちをたきつけ、自ら先頭に立ってMoby Dickに立ち向かっていくシーンに、もう少し納得感があったかもな、とか思う。
古い映画なので、映像に登場するMoby Dickはなかなかの作り物感があるが、捕鯨に向かう帆船はPequod号も含めておそらくみな実物なのだろう。大海原を進む帆船はやはり美しい。



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2023/02/26

ハケンアニメ(2022)

監督:吉野耕平
出演:吉岡里穂 他

自分はアニメにまったく興味がないし、コミックにもそれほど興味がないので、作品の舞台であるアニメ制作の現場についてもほとんど関心はないのだけれど、それでも長く書籍の編集の仕事を続けてきていることもあり、業界は違ってもクリエーターの仕事には関心がある。そういう観点でこの映画を観た部分もあるのだけど(単に吉岡里穂が見たかったという部分もあるけれど)、残念ながらあまり楽しめなかった。なんというか、制作・製作に対する熱意といったものが、思ったよりも希薄だったなと。
2015年公開の『バクマン。』(監督:大根仁、出演:佐藤健 他)は、同じく自分にはあまり興味のない漫画制作の現場が舞台だったけれど、ストーリーから、そして映像からも制作・製作に対する熱意が感じられて、けっこう楽しく観られた。その点を考えると『ハケンアニメ』を楽しめなかったのには、物語の舞台に対する個人的な関心の低さとは別の理由があるのだろう。吉岡里穂はけっこう好きなのだが、この作品ではあまり役がはまっていなかったようにも感じるし。
観る前はもう少し楽しめるかなと思っていたので、ちょっと残念。


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2022/01/29

2022年1月から新しいテレビドラマが始まったわけだが

とりあえず見始めてみたものの個人的な継続視聴予定など。

「しもべえ」
これはおもしろい。最後まで見ると思う。

「妻、小学生になる。」
初回はクリア。よほど変なことにならなければ見続けると思う。

「愛しい嘘~優しい闇~」
まぁ、見続けてみるかな。途中で飽きるかもしれない。

「シジュウカラ」
初回を見ただけで脱落。

「わげもん~長崎通訳異聞~」
もっとおもしろくなるかなぁと思ってたんだけどな。4回くらい見て飽きた。

「婚活探偵」
まぁまぁおもしろい。気楽に見られる。

「逃亡医F」
けっこう苦痛。がんばって2回目まで見たけど、もう見ない。

「鹿楓堂よついろ日和」
原作を知っていることもあってか、すべてに違和感しかない。着物をもっと美しく着こなせよ。なんか気持ち悪くて、初回を最後まで見る気になれなかった。

「おいハンサム!!」
これはおもしろい。もしかしたら今クールでいちばん楽しみかも。最後まで見ると思う。

「DCU」
事前の期待が高すぎたのか、つまらん。いろいろがっかり。たぶん見続けるけど、食事の際のバックグラウンドビデオ扱い。

「ミステリと言う勿れ」
まぁまぁおもしろい。この先もっとおもしろくなりそうな気がするので、たぶん見続ける。

「恋せぬふたり」
主演ふたりの演技がうまいので、安心して見ていられる。たぶん見続ける。

「ドクターホワイト」
この先おもしろくなってくれるといいな。もう少し見続けてから判断。

「ファイトソング」
清原果耶の演技を見たいので、もう少し見続ける。

「#居酒屋新幹線」
安心して、かつ、気楽に見ていられる。気がつくと最終回を迎えているパターンだな。

「ムチャブリ! わたしが社長になるなんて」
お仕事ドラマとして進んでいくなら見続ける。ラブストーリー要素が前面に出るようになったらたぶん見るのをやめる。

「となりのチカラ」
2回目まで見たらもうおなかいっぱい。上戸彩の役柄はいいんだけどなぁ。残念ながらもう見ない。

「ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○」
がんばって2回目まで見たけれど、おもしろさもリアリティも感じられず視聴終了。

「ケイ×ヤク―あぶない相棒―」
初回の15分くらいで自分には合わないと判断。

なんか今クールはあんまり盛り上がらないなぁ。

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2020/09/21

あやしい彼女(2016年)

多部未華子さんは『ルート225』『夜のピクニック』(ともに2006年)や『鹿男あをによし』(2008年)のころから好きな役者さんのひとりで、多部ちゃんが出演している作品は基本的にはずれなしというか、どの作品でも趣のある役柄を演じるという印象です。映画とテレビドラマだけでなく、舞台を観たときも独特の雰囲気をまとっていて、その印象を強くしました。

ただ、この『あやしい彼女』はなぁ、これまでに自分が観たことのある多部ちゃん出演作のなかでは、最も「多部未華子という役者がはまっていない」作品ではないかと感じてしまいました。

もともとは韓国映画かなにかのリメイクらしいですが、元の映画がそうなのか、それともリメイクのしかたがへたなのか、物語の進行はテンポが悪いし、主人公の書きこみ方は薄いし、軽く群像劇風な要素があるけれど主人公以外の書きこみ方はいっそう薄くて、登場人物の誰にも魅力が感じられません。

多部ちゃんはがんばっているし、周囲にも小林聡美さん、倍賞美津子さん、志賀廣太郎さんといった芝居のできる人を揃えているのに、最初から最後までだらだらしていて平板に感じてしまうのは、脚本が悪いのか演出が悪いのか、それともカット割りが悪いのか、ともかく残念な感じです。

そしてなによりも、この作品では多部未華子という役者さんの魅力が活きていません。主人公の大鳥節子は胸の奥にあるいろいろな想いを上手に表に出すことが得意ではないタイプの人のようですが、倍賞さんが演じた冒頭20分ほどでの瀬山カツ(大鳥節子の本来の姿)の描かれ方があまりにも「ただの感じが悪いばあさん」で、この時点で反感しかもてなかったことと、大鳥節子になってからも基本的には「口の悪い小娘」の薄っぺらな青春シーンが多く、主人公のもつ想いや人間的な魅力といったものが感じられません。

大雑把な表面の内側にある心の機微の表現が必要な、本来であれば多部ちゃんが得意とするタイプの役柄であるはずなのに、ほぼ見た目どおりの人物にしか見えないのは、多部ちゃんの演技力のせいではなく、脚本や演出が多部未華子という役者の魅力を理解していないためではないかと感じます。その意味で、「多部未華子という役者がはまっていない」と強く感じます。

多部ちゃんの出演作はいくつも観てきましたが、「これ、多部ちゃんではない役者で観たかった」と思った作品は初めてです。想像するに、この脚本と演出ならば、綾瀬はるかさんや榮倉奈々さんなどが演じたほうが、もっとポップな感じになってよかったのではないでしょうか。多部ちゃんをキャスティングするならば、主人公だけでなく脇も含めて人物描写にもっと深みや奥行きがほしかったと想います。


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