BIJELO DUGME / SINGL PLOCE (1976-1980)
中古盤屋でこのCDを見つけたとき、表から見えていたジャケット写真がファースト・アルバムの『Kad bi bio bijelo dugme』と同じだったので、てっきりファーストだと思って買ったら、実は1982年リリースのシングル集『Singl ploce (1976-1980)』でした。アルバムのタイトルをちゃんと読めばわかりそうなものだ。ちなみに、表は『Kad bi bio bijelo dugme』の写真が使われていたブックレットですが、ケースの内側に面した方に『Singl ploce (1976-1980)』のジャケット写真が印刷されてました。くぅ。
タイトルどおり、1976年から80年のあいだにリリースされたシングル6枚のA面/B面両方を収録したもののようです。
このグループ、ボスニア・ヘルツェゴビナのグループということで、日本ではプログレッシヴ&ユーロ・ロックのコアなファンにしか聴かれていないでしょうし、それゆえ日本ではプログレ扱いされてるんだと思いますが、このシングル集を聴いていると、基本はいわゆるオルガン入りハード・ロック/ヘヴィ・メタル系のグループなんだろうと思います。力強いヴォーカルや、ヨーロッパ音楽的でありながらときにブルージーに奏でられるギターなど、70年代のブリティッシュ・グループ、たとえばDeep Purple(ディープ・パープル)とかRainbow(レインボー)
とかUriah Heep(ユーライア・ヒープ)
などの影がよぎります。ただ、そうした中にいかにも東欧らしい、西欧とは違ったひなびた哀愁がときおりまざりこんでくるところが、東欧のグループならではの魅力でしょうか。
ハード・ロック風な曲が大半ですが、M3「Milovan」などはホンキートンク・ピアノの音色が楽しいパブ風、カントリー風のロックだったりするし、M9「Pristao sam bicu sve sto hoce」はアコースティック・ギターのストロークを生かしたフォーク・ロック風、M12「Na zadnjem sjedistu moga auta」はラテンっぽいリズムに歌謡曲っぽい女性コーラスとジャズっぽいブラスが入った妙な曲だったりと、単純なハード・ロック・グループではありません。そして多くの曲に、短いながらも印象的な哀愁フレーズがあったり、ちょっとしたシンフォニック・アレンジがあったり、合唱風のコーラスが入ったりと、ユーロ・ファン心をくすぐる要素が隠し味のように現われます。M6「Dosao sam da ti kazem da odlazim」のオルガンをバックに歌われるスロー・パートなど、非常にヨーロッパ的な美しさに満ちていて、こういうメロディが聴きたくてヨーロッパのポップスやロックを聴いてるんだよなということを再認識しました。
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