Pinnacle Point / Hero
メロディアス・ハードロック・グループ、Pinnacle Pointの2ndアルバム『Symphony of Mind』(2020)に収録されている曲。Pinnacle Pointは、アメリカ人ヴォーカリストのJerome Mazzaとデンマーク人ギタリストのTorben Enevoldsenを中心としたプロジェクト的なもののようだ。
全体的には1980年代から1990年代にかけての産業ロックぽい印象で、そうした音楽ムーブメントのなかで学生時代をすごした自分には、とても懐かしく、かつ、心地よく感じる。美しくてわかりやすいメロディをもち、キーボードが明るい音で曲に厚みをつけ、ほどよくシンフォニックでもある感じは、Giuffliaとかを思い出してしまう。
そんななかでも「Hero」はヴァイオリンが大活躍し、『Point of Know Return』あたりのころのKansasにそっくり。Jerome Mazzaのヴォーカルも、KansasのSteve Walshとよく似ているように感じる。ちなみにJerome Mazzaは、Steve Walshのソロ・アルバム『Black Butterfly』にゲストで参加して何曲かでリード・ヴォーカルをとっているらしい。
それはともかく、『Leftoverture』『Point of Know Return』『Monolith』あたりのKansasが大好きだった自分からすると、Pinnacle Pointの「Hero」からは、当時のKansasが現代に甦ったかのような印象を受ける。華やかなヴァイオリンと明るいキーボード・オーケストレーションがたまらない。大好物。