SITI NURHALIZA / TRANSKRIPSI (2006)
1979年1月11日生まれ、マレーシアのパハン州トュルムロー村出身の女性シンガーだそうです。シティ・ヌールハリザと読むらしい。アルバム・デビューは1996年で、以後、ほぼ毎年1枚のペースでアルバム・リリースを続けています。マレーシアなどの東南アジア音楽も女性シンガーも自分の守備範囲ではないのですが、イタリアン・ポップス仲間で女性シンガー好き(女性好き?)のP君が「これ、いいですよ」とCDを貸してくれたので聴いてみました。
うん、良くも悪くも女性シンガー好き(女性好き)のP君が好みそうな音楽。
伸びやかな歌声。おおらかで美しいメロディ。やわらかな哀愁。ほどよく盛り上げるオーケストラ。東南アジア的なエキゾチックさはほとんど感じないけれど、歌い回しでときどき独特のコブシが入ります。このコブシの入り方がなんとなく、南イタリアぽい感じがすると思うのは自分だけ? Nino D'Angelo(ニーノ・ダンジェロ)とかのナポレターナ系ポップス・シンガーの歌い方に似てると思うのだけど。
サビなどの歌い上げるところでは、素直で伸びやかな歌声を聴かせてくれます。この感じはLaura Pausini(ラウラ・パウジーニ)とかに似ているかも。というか、全体に「ときどき南伊ぽいコブシの入るLaura Pausini
がアメリカのチャート・インを狙ったスロー・チューン主体の女性ポップス・アルバムをつくりました」という印象が、アルバムを聴きすすめていくうちに自分の中でどんどん強くなりました。
で、Lauraのアルバムを聴いたときによく感じるのと同じ印象を、Siti Nurhaliza
のこのアルバムにも感じてしまったのだな。つまり、曲(歌メロ)はいいし、ヴォーカルも素直で伸びやかで上手なんだけど、歌い方があまりに優等生的でつまらない。もっと曲によって、パートによって、違う表情を見せてくれたり、瞬発力・爆発力があればいいのに。たとえばこれを、Antonella Ruggiero(アントネッラ・ルッジェーロ)
が歌ったなら、Silvia Mezzanotte(シルヴィア・メッツァノッテ)
が歌ったなら、最近のGianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ)
が歌ったなら、もっとシンガー独自の魅力を曲に加えられただろうに... と思ってしまうのでした。
大半はやわらかな哀愁を持った美しくスローなポップスですが、Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド&ファイア)の「Fantasy」に少し似たサビを持ったM1「Siti Situ Sana Sini」、バックの演奏はアメリカン・ハードロックぽいのに歌メロは歌謡曲ぽいM3「Destinasi Cinta」、尺八のような木管の音とほんのりアラブ風のエキゾチズムが印象的なM5「Hidup Penuh Bicara」、やわらかく軽快なボサ・ノヴァのリズムに乗った女性ジャズ・ヴォーカル風のM9「Rupanya Kita Serupa」など、印象を少し変える曲がバランスよく配置され、聴きやすいと思います。声や歌い方に強い個性やクセがないのも、BGM的にリラックスして聴く分にはかえっていいのだろうな。
P君、せっかく貸してくれたのにこんな感想でごめんな。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)








最近のコメント