『ホテルマン東堂克生の事件ファイル~八ヶ岳リゾート殺人事件』(2022年・BS-TBS)
1990年から2002年にかけてTBSで断続的に連続ドラマやスペシャルドラマがつくられた、石ノ森章太郎のコミック『HOTEL』(1984年~1998年)を原案に、2022年にBS-TBSで放送されたテレビドラマ。番組サイトには「本作品は、石ノ森章太郎の名作コミック『HOTEL』を原案としたスピンオフドラマ」と書いてある。
過去のテレビドラマ版『HOTEL』シリーズも原作コミックとはずいぶんと内容の違うものにはなっていたが、それでも原作へのリスペクトはあったし、ホテルという場所の持つ魅力やそこで働く人、そこに訪れる人、そこで展開されるサービスといったものをきちんと描こうという原作の趣旨は受け継いでいたと思う。
しかし、このスピンオフはひどい。舞台がホテルである必要も、主人公が藤堂マネージャーである必要も感じない。昭和の時代に数多くつくられた温泉宿などを舞台とした2時間ミステリードラマと変わらない内容で、とりあえず、原作コミックのファンと過去にドラマ化されたシリーズのファンの両方に謝れといった感じでした。
ちなみに、藤堂マネージャーの名前は「東堂克生」というのだけど、「克生」の読み方が原作コミックでは「かつみ」、過去のドラマシリーズでは「かつお」で、今回のドラマでは「かつき」と、少しずつ違うらしい。名前の読み方は難しい。