真船一雄 『K2』
どんな病気も手術で治してしまう天才外科医を主人公にした、いわゆるスーパードクターもの。同じ著者による『スーパードクターK』という作品の続編らしい。
基本的には天才外科医が「天才的な手術の技で問題を解決する」ということが主眼になっているようで、そのため、ともかく高難度の手術が必要であることが物語の前提になっているように思える。その病を抱える患者やその執刀をする医師の「人間としての個性」には、あまり関心がないのかもしれない。
天才外科医が主人公のマンガといえば手塚治虫の『ブラック・ジャック』という名作があるわけで、それと比較してしまうのはしかたがない。『ブラック・ジャック』は実は医療行為そのもの以外のところに基本テーマがあるように思うわけで、その意味では、治すべき病自体は必ずしも難病や超高難度の手術が必要なものでなくても実はOKに思う。ときには患者が救われないこと、さらにはブラック・ジャック自身が救われないこともあり、物語に奥行きや幅が感じられる。
比較の結果、自分にはやはり『ブラック・ジャック』のほうがおもしろいと思えてしまう。そんなわけで、『K2』は現在までに単行本が40巻くらいまで出ているようだが、10巻まで読んだところで飽きてしまった。
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