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2020/02/02

Dennis DeYoung / And The Music of Styx - Live in Los Angels (2014)

StyxのヴォーカリストだったDennis DeYoungのライヴ盤。タイトルどおり、Styx在籍時の曲を中心に演奏している。
Styxはの最盛期はやはり、Dennis DeYoungとTommy Shawの両方がいて、『Crystal Ball』『The Grand Illusion』『Pieces of Eight』『Paradise Theatre』といった名作アルバムを立て続けにリリースしていた1970年代後半から1980年代前半にかけてだろう。Dennis DeYoungのこのライヴ盤でも、このころの楽曲が多く取りあげられている。

Styxの楽曲において、Dennis DeYoungの歌声は魅力のひとつだったと思う。Styx自体はいまも現役で、コンスタントにライヴを行い、ライヴ・アルバムも数年おきくらいのペースでリリースしているが、Dennis DeYoungではなくLawrence Gowanが歌う全盛期のころの曲は、やはりどこか物足りなさを感じなくもない。Lawrence Gowanのヴォーカルも張りがあってよいのだけど、Dennis DeYoungのもつどことなく甘い雰囲気は、曲に色気を与えていたように思う。ただ、ヴォーカルが変わってもStyxはやはりStyxで、古い曲も最近の曲も魅力的に聴かせてくれる。

一方、Dennis DeYoungのこのライヴは、おなじみの曲をおなじみの歌声で聴くことができ、ある種の安心感はあるのだが、なんというか、眠たい。Styxの曲ではあるのだけど、やはりソロ・シンガーのパフォーマンスなんだな。奏でられるメロディはもちろん美しいのだけど、演奏にバンドとしての力強さや緊張感のようなものが感じられず、どこか間延びした感じがしてしまう。このライヴ盤を聴くと、往年のStyxの曲をすばらしいものにしていたのは、Dennis DeYoungのヴォーカルももちろんだが、それ以上に、そこにTommy ShawやJames Young、Chuck Panozzoらによる厚いコーラスと力強い演奏が加わった「バンド」としての音の一体感や躍動感による部分が大きかったのかなと感じた。Dennis DeYoungがいたころのStyxの同じ曲をライヴで聴き比べると、StyxではないDennis DeYoungのソロよりも、Dennis DeYoungのいないStyxのほうが、やはりStyxなんだと感じる。


アンド・ザ・ミュージック・オブ・スティクス 〜ライヴ・イン・ロサンゼルス [ デニス・デ・ヤング ]
by カエレバ


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