食糧人類-Starving Anonymous- (原作:蔵石ユウ、作画:イナベカズ)
人間を捕食する地球外知的生命体との戦いを描いた作品という点では『寄生獣』などと似たようなところがあるけれど、『寄生獣』と比べると描かれているテーマや登場人物の描写などが非常に浅いと感じる。主人公?の伊江は基本的になんの役にも立たないし、キャラクターに魅力も感じない。伊江よりも活躍するナツネと山引はどちらも特異体質なのでストーリーを都合よく進めるうえでなんでもありだし、伊江の友人のカズは登場の必要性を感じない。桐生もマッドサイエンティストにしては知性の高さを感じない。最大の敵である巨大生物も、人類よりも知能も科学技術力も高いという設定なのに食糧を食べつくしたうえ共食いで絶滅って、とても知能が高いとは思えない。人間以外のものは食べないような設定でありながら共食いをするというのもなんだかなぁ。発言者の役柄や状況に対してそぐわないような子供っぽい、というか、ばかっぽいせりふもところどころであり、非常に興ざめ。SFとしてもゴアものやバトルものとしても中途半端で、登場人物たちの成長ストーリーとしても起伏が少ないうえ振れ幅も小さく、思ったよりもおもしろみのない、こじんまりとした作品だった。
食糧人類ーStarving Anonymous-(1) | ||||
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