救命病棟24時 第2シリーズ (2001)
少し前に再放送されいるのを観たら、やっぱり抜群におもしろい。もう何回も見ていてストーリーは知っているし、一部のセリフも覚えているくらいなのに、何度観てもおもしろいっていうのはすごいよな。
スピード感と緊張感がありつつ、シリアスなテーマな内容でありながらも、ところどころで力を抜いてくれるシーンが織り交ぜてあり、その構成とバランスが非常に優れていると思う。登場人物のキャラ設定もバラエティに富んでいて、かつ、それぞれに有機的に影響するように配置されているし、役者さんのキャスティングにも無理がなく、みんながその役にぴったりと感じられる。医局長と看護師長の掛け合いや、神林先生と太田川先生のほのぼのとした会話、互いにそこはかとなく好意を持っているようなのに安易に恋愛方向には進まない新藤先生と香坂先生の関係性など、どれもが愛らしい。そこに第1シリーズからの継続で新藤先生の過去を知っている桜井看護師や、馬場先生と城島先生と山城看護師の三角関係?などが彩を加え、医療ドラマだけでなく人間ドラマとしての広がりや奥行きを感じさせる。
シリーズを通して研修医の成長や救命救急センターとそのスタッフたちのチームワークや結束の強化が描かれると同時に、1話ごとに小さなテーマがあるのもよかった。そのうえで常に「救命は医療の原点であり、ただ目の前の患者を救うことに全力を尽くす」ということをいちばんのテーマとして扱っていたことが、このシリーズが何度観てもおもしろい理由なんだろうな。このあとの第3シリーズ以降は、大規模災害時における医療のあり方だとか、救命医療の崩壊だとか、社会的なテーマを大きく前面に打ち出すようになってしまい、それが物語としてのおもしろさをそぐ方向に行ってしまったように思う。このシリーズに求めていたのは「目の前を患者を救うことに全力を尽くす」医師や看護師たちの姿であり、その現場で起きるそのときどきの葛藤や苦しみや喜びなんだよ。
というわけで、自分としては第2シリーズがいちばん好きで、次に第1シリーズ、第3シリーズの順。第4シリーズと第5シリーズはクオリティダウンが大きくて、シリーズ全体が残念な感じに終わっていってしまった印象。
しかし、第1シリーズはあいかわらず再放送がないんだなぁ。また観たいなぁ。
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