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2015年8月9日 - 2015年8月15日

2015/08/09

ウーマン・イン・ブラック@PARCO劇場

イギリスのゴシック・ホラー『ウーマン・イン・ブラック』を渋谷のPARCOで観てきました。出演は岡田将生さんと勝村政信さんの2人のみ(そのほかにも劇中に3回ほど、キャスティングに名前の出ない「黒衣の女」がちらっと登場しますが)。

この舞台を見るのは、実は3回目。2003年と2008年に、同じPARCOで観ています。ただ、そのときはキャスティングが違い、上川隆也さんと斎藤晴彦さんの2人芝居(プラス「黒衣の女」)でした。2003年に初めて観たときに、あまりに素晴らしくて、原作小説も買ってしまったし、1989年にイギリスで制作されたテレビ映画?もインターネットで探してみてしまったくらいです。2008年に同じキャストでの再演(実際は、上川さん&斎藤さんでは再々演です)が決まったときも、すぐにチケット取りました。

そのくらい気に入っていた芝居が7年ぶりにまたPARCOで上演されるというので、すごく楽しみな半面、キャスティングが岡田将生さんと勝村政信さんというのがちょっと心配で。斎藤さんの代わりに勝村さんはまぁ大丈夫でしょうが、上川さんの代わりに岡田さんというのは大丈夫なのか。

で、見終わった感想ですが、上川さんと斎藤さんってやっぱりすごくうまい役者さんだったんだなと。

岡田さんもよくがんばっていましたが、「すごくがんばってる」感がひしひしと感じられてしまうんですよね。本当に一生懸命にがんばってる。でも、上川さん演じるヤング・キップスと比べてしまうと、まだまだ演技の幅が狭いです。キャラの使い分けも、感情表現の振れ幅も、こじんまりしてる。

勝村さんは、さすがにキャリアのある役者さんだけあり、複数のキャラをしっかり演じ分けていました。ただ、勝村さんはテレビで見る「ちょっと頼りなげで、どことなく抜けたところのある人のよさそうなキャラ」の印象がどうしても強くて。勝村さんが演じる、この芝居に出てくる複数の人たちは、この物語の底にずっと横たわる、つらく悲しい経験をみんな一様に持っているのですが、その重みが、あまり勝村さんのイメージにマッチしない。特に御者のケクウィックは、斎藤さんの演じるケクウィックがあまりに秀逸だったこともあり、勝村さんもけっして悪くはないのだけど、ちょっと見劣りがしてしまう感じがしました。

あと、演出とか、以前と少し変わっているのでしょうか? 以前に観たときは2回とも、もっと想像力を刺激されました。少しの効果音と役者の演技だけで、ヴィジュアルとしては映し出されていないものがまるで実勢に見えるように感じられたシーンがいくつもありました。犬のスパイダーの登場シーンや、スパイダーが沼でおぼれかけるシーンなどは、走ってくる犬の姿や沼でもがく姿が見えるようでした。濃い霧の中で馬車が道をはずれ、乗っていた御者と子供もろとも沼に沈んでいくシーンも、それをイールマーシュ館の窓から見ていたジェネットと一緒に見ているような気になりました。ケクウィックとヤング・キップスが馬車で館に向かうシーンも、上川・斎藤版では、実際は大きな籠の上に並んで座っているだけですが、馬車に乗ってるようにしか見えなかった。

でも、今回はそういうことがほとんどなかった。それが残念でした。なんか「黒衣の女」も、やたらとしっかりはっきり登場しちゃってた感じだし。それなりにおもしろくはあったのだけど、なんとなく、2012年にダニエル・ラドクリフ主演で制作された映画『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』を観たときと似たような、うっすらしたがっかり感が残りました。

あぁ、また上川さんと斎藤さんの組み合わせで観たいです。


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