週末映画&音楽
■アルゼンチンババア■
たぶん、いい感じの個人&家族再生ストーリーなんだろうと思うのだけど、どうもしっくりこない。物語のカギとなり、タイトルともなっているアルゼンチンババアの描き方が甘いというか、もうひとつ深みが足りないからかな。アルゼンチンババア役の京香さんの芝居自体は悪くないと思うのだけど、ババアというにはあまりに若く美しすぎ。本来はいったい何歳の設定だったのだろう。このあたりにもしっくりこない理由がありそう。しかし、この映画での堀北さんはめっちゃ可愛いなぁ。
■キサラギ■
物語の早い段階から少しずつ伏線となるヒントをちりばめ、終盤に向けてそれらがきちんと残らず拾われひとつの結論へとつながっていくつくりがとてもうまいと思う。前半がちょっともたもたするけれど中盤以降はテンポも展開も速くなり、飽きない。役者さんたちもみな芸達者というか、よく役にはまっていると思う。最後にやっと姿が映し出される如月ミキのどうしようもなくD級な感じもうまいな。
■ミッション・トゥ・マーズ■
何度か見たことがあるのに、どうしてもストーリーが覚えられないというか、印象が薄いのは、エンディングがあまりにあっさりしているからか。救出ミッションとか、それなりに緊張感とドラマ性があって盛り上がるのだけどな。そんで、火星人はいったいなにがしたいんだ?
■ランドリー■
う~ん、ファンタジーだから、まぁいいのか。おまえらふたりとも、ひとりじゃだめだけど、ふたり一緒なら大丈夫、とかいうセリフが劇中にあったけど、たぶん、ふたり一緒でもダメだと思うぞ、現実的には。ふたりとも現実とは少し距離を置いた場所にいるから、その場所に居続けるかぎりはふたり一緒でいいかもしれないけれど、いつかは現実に直面するだろうし、直視しなくてはいけないときも来るだろうし、あるいは正気に戻ることもあるだろう。そのときに、この相手とは続けていけないと感じる日も来るだろうなぁ。でも、ファンタジーはいつか現実世界に帰ってこなければならないといったのはイギリスの作家だったか。その意味では、よくできたファンタジーなのかもしれない、これも。
■青の炎■
公開時に劇場で観て、これは原作本が読みたくなると思うくらいになかなかおもしろく感じ、実際に原作本を読んだらかなりおもしろくて、そしてひさしぶりにまた映画版を観たわけだけど、原作小説を読んでしまったあとに観ると間引かれ具合の多さにかなりびっくり。原作にあった気持ちの揺れとか心の機微とかがずっぽり省かれ、ほとんどあらすじというかダイジェストというか、そんな感じになっちゃってたのね、これ。でも、その分、描かれていない隙間を想像する楽しみがあるともいえる。いえるけど、やっぱり原作を読んじゃったあとだと、原作にはかなわんなぁと思ってしまう。彼の最後の決断だって、そこに至るさまざまな葛藤や想像や想いが、この映画からはなかなか想像しきれないよなぁ。
■ゾンビーノ■
ゾンビ映画のふりをしてるけど、実はすごくアメリカらしい、それも、古いアメリカ映画っぽいホームコメディというか、家族再生ストーリーなんだね、これ。ゾンビ映画とかホラー映画とかを期待して観ると思いっきり肩すかしだし、コメディ映画としてはかなりの変化球。観る人を選ぶというか、観る人に選ばれたくないというか。変な味わいのあるほのぼのスプラッターもどきでした。
■Yngwie Malmsteen's Rising Force / Marching Out■
懐かしい。セカンド・アルバムだっけ。この人のつくる曲って、ギター・ソロはえらくかっこいいのだけど、バッキングのアレンジとか歌メロに魅力がないんだよな。少なくともこのころは。でも、学生時代に一生懸命コピーしたわ。半分くらいのスピードで(^^;)。
■Europe / Europe, Wings of Tomorrow■
スウェディッシュ・メタルのトップ・グループというか、北欧メタルのブームを牽引した人気グループというか。たしかにクラシカルな響きとかはちょっとあるんだけど、でも実は意外とアメリカンな感じですよね、冷静に聴けば。このあたりの、メイン・ストリームにほんのりユーロピアンなテイストを混ぜたバランスが受けたのかしら。人気はあったけど、メロディの魅力は薄いし、アレンジも野暮ったいよなぁと、あらためて思う。
■Carmen / Fandangos in Space■
フラメンコ・ロックの印象が強いグループだけど、出身はたしかスペインじゃなくてイギリスですよね。実際、たしかにスパニッシュ・テイストなギター・アレンジも聞かれるけれど、アルバム全体を包む雰囲気はとてもブリティッシュ。むしろカンタベリー系とかの雰囲気があったりして。そこに紛れ込むスパニッシュなアレンジがむしろ異質で、その異質さがおもしろい感じです。
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