週末映画&舞台
■卒業■
アメリカン・ニュー・シネマの名作... でしたっけ。ずっと以前に何度か観たことがあるのだけど、ひさしぶりにまた観ました。う~ん、だめだ。登場人物の誰にも共感できない。とくにベンジャミン、気持ち悪いよ、こいつ。思い込みの激しい粘着質。エレーンも、以前からの知り合いだったとはいえ、デートをしたのはたったの一度。そのあとはベンのストーキングしか具体的な接点がない。なのに結婚式をぶちこわしてベンジャミンと逃走って、どれだけ直情的かつ短絡的なんだろう。このふたりの未来がバラ色であるはずはなく、おそらく数か月、あるいは数週間で破綻するであろうことは容易に想像できるなぁ。
■ゴースト・ハウス■
もともとゴースト・ハウスだったわけじゃなく、ゴースト・ハウスになった理由と、その理由の解決までを描いた映画だったのね、これ。なるほど。まぁ、ああいうことがあればホーンティングしちゃうこともあるかもしれないけど、家じゃなく人に憑けよと思う。天井を這いまわったりしてベンにばかり姿を見せるクリーチャーもなにしたいんだかわからないし、ジェシカを傷つける理由もわからん。ソロモン一家の抱える問題も、こうしたゴーストたちの意図不明さをごまかすために、あとづけでつくったようにしか思えない。なんか、中途半端な映画。
■天然コケッコー■
う~ん、過疎化した小中学校を舞台にした、とくになにも起きない青春物語。ストーリー的に、それはそれでいいといえばいいのだけど、自分にとっての大きな問題は、劇中で使われている方言が半分くらい聞き取れなかったこと。なにをいってるのかわからない。ああいった土地や舞台についての基礎情報等がないためか、状況等から発言内容を推測することもうまくできなかった。そのため余計に「なにも起きない」(起きてたのかもしれないけれど、それを説明しているセリフを聴き取れない)ストーリーに感じたのかも。そよの父親と広海の母親がむかしなにかあったらしいことはわかるけれど、それがストーリーに奥行きを与えるかといえば与えず、ただ思わせぶりなだけ。むかしに橋から飛び降りて死んだらしい美人も、話題にしたわりにはなんの効果も影響もなし。なんだかなぁ。
■テーブル・マナー■
AGAPE Storeによる舞台。新宿の紀伊國屋サザンシアターで鑑賞。AGAPE Storeの舞台を見るのはひさしぶりだけど、松尾貴史はあいかわらず松尾貴史らしい役だった。もう少し違った感じの役も見たいぞ。もともとはイギリスの芝居を日本版として翻訳したものらしく、だから、皮肉の利いたというか、厭味ったらしい描写がふんだんにちりばめられたコメディになっている。登場するのが鬱陶しい人たちばかりで、あのなかの誰ひとりとして友達になりたくないというか身近にいてほしくない感じ。とくに既婚女性陣の鬱陶しさは非常に強力。でも、ああいう人、いるよねぇ。それにくらべると、ダジャレ連発おやじとか、ピントのずれまくった坊やとか、充分鬱陶しいけれど、まだかわいい感じがする。松尾貴史演じる、鬱陶しさではおそらく登場人物一かつとんでもないトラブルメーカーのおじさんにすら、むしろ好感を持ってしまう脚本が秀逸。オチがちょっと弱い気がするけれど、芝居らしい芝居といった感じでおもしろかった。
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