« オードブルの盛り合わせとイナダのポワレ@レトワール(神楽坂) | トップページ | もち豚ロースのカマンベール焼き 黒キャベツ添え@ルナティック »

2009/01/26

週末映画

■ルート225■
う~ん、なんだかよくわかんなかったなぁ、これ。パラレルワールドへ迷い込んでしまった理由や必然もわかんなかったし、もともとパラレルワールドのほうにいた兄弟がどこへ行ってしまったのかもわからない。なぜあのテレフォンカードだけが元の世界へ電話をつなげられるのかもわからない。で、あのエンディングでしょ。たとえどんなものであっても、目の前にあるものは現実として受け入れるしかない、ということがテーマなのかなぁ。
ストーリーはどうとらえていいかよくわからなかったけれど、主演の多部未華子はこの映画でもとてもよかった。この娘、冷静にルックスだけを見れば決して美人でも可愛らしくもないのだけど、芝居をしているときの表情や目の輝きとかが素晴らしいよね。演技派だと思う。なんとなく、多部未華子が出演しているというだけでその映画をちょっと観たくなる、気になる若手女優ですわ。

  


■アヒルと鴨のコインロッカー■
これは、やられた。なるほど、そういうふうに展開しますか。前半が全部、後半の伏線だったのね。だから広辞苑じゃなくて広辞林なんだ。前半の、なんだかゆるい感じの青春映画が、後半ではシビアで哀しい青春映画になってしまう、そのギャップの大きさと、にもかかわらず全体としてのバランスの良さが、脚本の出来の良さを感じさせます。
しかし、瑛太はすごいな。難しい役柄なのに、みごとだった。松田龍平もすごいな。彼のまわりだけなんだか空気が重厚だよ。このふたりが際立ってた。
外国人に対する露骨な恐怖というか嫌悪というか距離のとり方に、あそこまでひどくないだろうと思う一方で、日常的に外国人を多く目にしないような地方都市ではいまもああなのかなぁとも思い、ちょっと哀しくなる。あと、CDをエンドレス再生したままコインロッカーにしまっちゃだめだよと思った。

  


■旅するジーンズと16歳の夏■
ガーリーな友情ものって、自分の苦手分野。だからこの映画も最初のうちは観ているのがきつそうな雰囲気が漂っていたのだけど、それぞれが夏休みに別の場所にいったあたりから、だんだんとおもしろく、というか、少し切なく哀しくなってきた。その「夏」の間に起きた出来事のうち、ブリジットとリーナのそれはいかにもガーリーな映画っぽいので自分的にはどうでもいい(とくにブリジットのほう)のだけど、カルメンのストーリーとティビー(&ベイリー)のストーリーは、沁みます。カルメンが電話でそれまで抑え込んでいた感情をぶつけるシーンや、ティビーとベイリーが寝転がって夜空を見ながら語るシーンとか、たまらん。ストーリー的にはあまり興味がないけれどリーナが過ごしたギリシャの町の景色の素晴らしさも印象に残るなぁ。
それまでいつも一緒だった4人が初めてバラバラに夏を過ごしたことで、4人それぞれがその個性に合った成長をするという話。その成長を1本のジーンズが見守るという設定がファンタジックなのだけど、そこで起きる現実はかなりシビア。だけど、きちんと前を向いて歩いていこうという姿勢がすがすがしいです。うん、なかなか素敵な映画だった。

  


■奈緒子■
タイトルは奈緒子だけど、ストーリー的には雄介の成長を描いたものなんですね、これ。なのになんでタイトルは奈緒子なんだろう?
ストーリー的には、とてもわかりやすい展開だと思います。小さい頃の事情があって歩み寄れない奈緒子と雄介が、雄介の所属する陸上部の監督のおせっかいと駅伝のおかげでわだかまりを絆に変え、その過程で雄介自身が走る意味、父が、そして自分が駅伝を選んだ意味に気づいていく、みたいな。ご都合主義的な展開も多く、だからどうしたという感じもありますが、まぁ、こういうストレートな青春ものも、たまには悪くないでしょう。
上野樹里は、やっぱりいいね。女子高生という設定のはずだけど、ひとりだけお姉さんでしたが。撮影時には21歳くらいだものね、たぶん。でも、忘れられない過去と悔恨を持ったまま先に進めない奈緒子という役を、上手に表現していたと思う。一方、雄介役の三浦春馬って、なんかいつもびっくりしたような顔をしている気がする。ドラマ『ガリレオ』のスペシャルではなかなか興味深い若手俳優だと思った気がするのだけど、これを観ると、けっこう普通かもしれんなぁ。

  


■しゃべれども しゃべれども■
なんか、中途半端な話。最後のプチラヴストーリーみたいなの、いらないでしょ。中途半端な落語家が中途半端な気持ちで中途半端に始めた落語教室に集まった中途半端な生徒たちの人間的な成長がテーマなんだと思うのだけど、その成長自体も中途半端。しかも、その中途半端な成長にきちんと落語が寄与しているかというと、そのかかわりや影響の描き方も中途半端。すべてが中途半端なところに持ってきて、最後に中途半端にラブストーリーで終わりますか。落語を生で聞いたことのない人が、この映画を観て落語を聞きに出かけたくなるかというと、まずならないだろうなぁ。生で聞く落語の楽しみを知っている人が、この映画を観たなら、もやもやとした気持ちが残り、うまい落語家の高座を観にいってもやもやを晴らしたくなるだろうなぁ。そんな出来だった。残念。

  


■すいか■
2003年に放送されていたテレビドラマ。銀行員による三億円横領事件というでっかいエピソードを持っていつつも、そっちにはあまり触れずに、日常の小さな幸せに焦点を当ててるところが、地味ながらも微笑ましい。と同時に、まかない付きの下宿屋に集まる人々の小さな成長を描いた群像劇としても、その成長がほんとに小さな、だけど明日への希望に向かうもので、地味ながらも爽やか。最終回でかわされる「また同じような一日が始まるね」「同じようだけど、ぜんぜん違う一日だよ」という会話にぐっときてしまう。悪人がひとりも登場しない、良いお話。

  


|

« オードブルの盛り合わせとイナダのポワレ@レトワール(神楽坂) | トップページ | もち豚ロースのカマンベール焼き 黒キャベツ添え@ルナティック »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 週末映画:

« オードブルの盛り合わせとイナダのポワレ@レトワール(神楽坂) | トップページ | もち豚ロースのカマンベール焼き 黒キャベツ添え@ルナティック »