週末映画&舞台
■アフタースクール■
ひさしぶりの劇場での映画鑑賞が、この作品でよかったんだろうか。家でDVDでじっくり見たほうがよかったかもしれない。序盤から意図的に鑑賞者をミスリードし、中盤以降で意外な事実をどんどん明かして唖然とさせるという構成は嫌いじゃないけれど、それ以前の段階でのヒントの出し方や意外な事実の提示法や明かされるタイミングなどが、あまりうまくないなぁと感じる。映画自体が、特定の登場人物を他の登場人物が騙すというストーリーで、観客は騙される側の登場人物と同じ位置に置かれているのでこういうふうになってしまうのかもしれないが、事実が明かされてそれまでのエピソードが一点に向かって集束していくのを見せられたときのカタルシスが、あまり感じられなかった。その点でいえば『キサラギ』のほうが見事だったなぁ。
■750ライダー2■
1作目は原作漫画の雰囲気が色濃く出ていて、こっぱずかしさも含めてそれなりにおもしろかったのだけど、この2作目は全体に薄くなっちゃった感じ。あいかわらずの学芸会みたいな演技で中途半端なラブストーリーが展開され、なんか焦点が定まっていない印象。現在ではほぼ絶滅した「セーターを肩にかけるファッション」がちょっと新鮮?
■奥さまは魔女■
地上波で夜中に放送された吹き替え版。往年の人気ドラマ「奥さまは魔女」をリメイクするというストーリーで、サマンサ(魔女)役の新人女優に「普通の人間のような生活がしたい魔女」(二コール・キッドマン)が選ばれ、ドラマの中のサマンサとダーリンと同様に、サマンサ役の女優とダーリン役の男優がさまざまな騒動を起こしながらも惹かれあっていくという発想がおもしろい。吹き替えだったのでちょっとサマンサが幼い感じがしたけれど、ほどよくばからしく、ほどよく明るく、ほどよく楽しく、アメリカ映画の善良な部分を見たという印象が残った。
■ビッグ・フィッシュ■
これは、なかなかよくできたファンタジー。『ほら男爵の冒険』ぽい雰囲気がある。『ウォルター少年と、夏の休日』
にも通じるかも。監督がティム・バートンなんだ。そういわれると、なるほど。「父さん」の語る物語は魅力的だけど、嘘ばっかり。かと思ったら全部が嘘というわけではなく、本当の部分もある。映画の終盤で「虚実あふれる物語」のどこが虚でどこが実かが見えてくるあたりなど、ちょっと心温まるのだけど、映画全体のストーリー展開のテンポが悪いかなぁ。どうももっさりした感じがあって、ちょっとだらけてしまった。
■櫻の園■
吉田秋生の原作漫画って読んだことがあったかなぁ。『カリフォルニア物語』は大好きで何度も読み返した作品だし、『バナナ・フィッシュ』
や『吉祥天女』
なども素晴らしいと思うのだけど、これらを描いたのと同じ人が『櫻の園』
も描いたというのが、なんとなくうまく想像できない。それはともかく、この映画。女子高の演劇部が舞台で、なので登場人物も女子高生(役)の若い女の子ばかりなのに、見てもぜんぜんときめかないのはなぜでしょう。なんというか、みなさん、ルックスが弱いなぁ。中島ひろ子演じる部長のパーマだって、かわいいというよりはおばちゃんみたいだし。そんななか、つみきみほ(最近ぜんぜん見かけませんね)と白島靖代(この人も見かけなくなってしまいました)のふたりは際立ったオーラを発してました。なんというか、ものが違う感じ。ストーリー自体はそれほど大きな山があったりするものではない、むしろ淡々とした、でも繊細で瑞々しいものだと思うのだけど、それを上手に表現できていたのはつみきみほだけかもなぁ。もう少し他の生徒さんたちも雰囲気があればよかったのになぁ。
■翔んだカップル■
とりあえず、薬師丸ひろ子が可愛い。石原真理子も出ているけれど、薬師丸ひろ子のほうが圧倒的に輝きがある。鶴見辰吾がめちゃめちゃ子供。尾美としのりは、いわれないと気づかないぞ。しかしまぁ、なんですな。あの年頃の男の子は馬鹿だね。女の子にくらべると、圧倒的に子供で馬鹿。その感じがよく出てました。現在ではホンジャマカの石ちゃん以外ではめったに生息が観測されない「オーバーオールを着た人」(薬師丸ひろ子)が見られます。オーバーオールの女の子って、アラレちゃんか? そして、映画の終わり方はあれでいいのか? なんか中途半端な感じなんだけど。
■法界坊■
浅草・浅草寺裏に建てられた仮設の芝居小屋・平成中村座で。10月の中村座は『仮名手本忠臣蔵』で、歌舞伎らしい演目だけど動きよりもセリフメインで個人的にはちょっと眠くなってしまったのも事実。だけど今回の『法界坊』は、家宝の紛失により没落したお家の復興、失われた家宝をめぐる人々のさまざまなたくらみ、さらには助平爺たちの横恋慕やら派手な立ち回りやらもあってテンポもよく、単純に芝居としてとても楽しい。歌舞伎ならではの大見栄もふんだんに取り入れられ、華やかな衣装や舞い、早変わりなどもあって、わかりやすい歌舞伎作品になっている。ニューヨーク公演も行なった舞台なので、その際に一層「わかりやすく、華やかな」演出が加わったのかもしれない。大喜利の終盤から幕にかけての舞台上の美しさ・華やかさはみごと。思わず声が出る。最後はスタンディング・オベーションでカーテンコール(というのか?)が2回。とてもいいものを観たよ。
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