LITTLE TRAGEDIES / THE SIXTH SENSE (2006)
1994年に結成されたロシアのプログレッシヴ・ロック・グループ。トータル・タイムが80分近い大作で、全12曲収録のうち7分以上の曲が6曲、そのうち2曲は10分以上と、収録曲も大曲率が高いです。スピーディでクラシカルでテクニカルな演奏に、東欧らしい哀愁も入り混じり、タイプとしては自分好みの要素がたくさんあるのですが、なぜかあまりのめりこめないのはなぜだろう。
バックを含めた演奏部分は意外と爽やかです。チェンバロ系のキーボードやフルートなど、クラシカルな楽器も使われていますが、あまり湿っぽくならず、むしろ乾いた印象があるのはロシアにしては珍しいような気がしないでもないです。一方、ヴォーカルはロシア語で歌われている(のですよね?)こともあってか、妙に哀愁度が高い。ただ、言葉の響きと声自体の哀愁度は高いけれど、歌メロは意外と平凡であまり魅力を感じませんし、ヴォーカリストとしてのうまさも感じません。このあたりが、自分にとってあまり楽しめない理由のひとつかも。
また、わざとかもしれませんが、往年のプログレッシヴ・ロック・グループに似た(似せた?)演奏が頻出し、なんだか落ち着きません。明らかにPink Floyd(ピンク・フロイド)かと思えば1970年代後半頃のOmega(オメガ)
もどきな部分やSolaris(ソラリス)
みたいなところもあり、かと思えばアメリカン・プログレ・ハード風だったり、ドイツのシンセ・プログレ風だったり。しかも、曲ごとに違うグループ、違う雰囲気、だけど耳になじんだ感じの演奏やメロディが飛び出すので、だんだんなにを聴いてるのだかわからなくなってきてしまったり。そして歌メロはなんだか哀愁の韓国ポップス風?
演奏はうまいと思うし、上手に展開する曲づくりも悪くないと思います。けっこう複雑で密度も濃い楽曲が並べられていると思うのだけど、なにかこう、がしっと心をつかまれるところ、グサッと心に突き刺さるところ、じわっと心に染みいるところが感じられず、なんとなくあっさりさっぱりした印象が残りました。こてこてなのに薄味、みたいな感じ。なんだろうなぁ、やっぱ、歌を含めた個々のメロディの魅力が少ないのかなぁ。
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