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2008/08/19

STYX / EDGE OF THE CENTURY (1990)

Styx(スティクス)って、けっこう好きだったんです、自分。『The Serpent is Rising』『Man of Miracles』のころのブリティッシュな香りとプログレッシヴな要素が強いころも好きだし、なんといってもTommy Shaw(トミー・ショウ)が加わってからの『Crystal Ball』から『Paradise Theatre』までのアルバムは(『Cornerstone』はちょっといまいち。「Boat on the River」はいい曲だけど)どれも、ドラマティック&メロディアスなDennis De Young(デニス・デ・ヤング)の持ち味とTommy Shawの軽やかでスタイリッシュなポップ・ロック・センス、それにJames Young(ジェームズ・ヤング)のハード・ロックなドライヴ感が、ときに寄り添い、ときにぶつかり、融合したりしなかったりと絶妙なバランス感覚でStyxならではの独特の個性をつくりあげていました。
でも、メンバー間でいろいろあって、1983年の『Kilroy Was Here』および翌年にライヴ・アルバム『Caught in the Act』をリリースし、グループは活動休止。以後6年間、沈黙しました。その間にメンバーはそれぞれソロ活動や別のグループを結成するなどし、Styxはもう終わりかなと思ってたら、1990年になぜか再結成され、再結成第1弾としてリリースされたのが『Edge of the Century』です。

しかし、これってStyxの音楽なんだろうか。アルバムには10曲が収録されていますが、明確に「いかにもStyxらしい」と感じる、Styxならではの独特な個性を持った曲は、ほとんどないように思います。かろうじてM8「Carrie Ann」でStyxのドラマティックなメロディアス・ポップ面(Dennis De Young風味)が楽しめますが、他の曲はStyxじゃない別のグループの曲だといわれたら自分は簡単に信じるくらいに、らしさがありません。

それはやはり、再結成メンバーにTommy Shawがいないことが大きく影響してるのでしょう、きっと。演奏面でも、曲づくりの面でも、Tommyがいないことで往年のStyxサウンドをつくりあげていた「Dennis, Tommy, Jamesによる3つの個性のバランス」が崩れてしまい、そこから出てきた音楽は意外と凡庸なアメリカン・ハード・ロックになってしまった印象です。

M1「Love Is the Ritual」のエレキ・ギターなどは妙に重く暑苦しく、それまでのStyxにはなかったもの。いかにも1980年代後半から90年代にかけてのアメリカン・ハード・ロック/ヘヴィ・メタル風です。それはそれでかっこいいのだけど、Styxに求めている音じゃないと思います。炎天下でこぶしを振り上げ叫びながら聴くような汗臭いハード・ロック/ヘヴィ・メタルなんて、Styxじゃない。もちろん、バラード系の曲やフォーク・タッチの曲などもあり、ぱっと聴いた感じでは「Styx風」のラインナップをそろえているように見えますが、どれもなんとなく「どこかで聴いたことがある別の誰かの曲」のように感じますし、なによりもメロディや構成が平凡かつひねりがなく、あまりにもストレートかつアメリカンで、Styxとしての魅力を感じません。これがStyxでなければ、こういうアメリカン・ロックも悪くないと思えるのでしょうが、Styxのアルバムとしては、これでは満足できません。M2「Show Me the Way」の間奏部分や(歌メロはつまらない)、ほどよくドラマティックなM8「Carrie Ann」、そしてM10「Back to Chicago」の演奏アレンジなどにStyxらしい音の片鱗を見ることはできますが、アルバム全体の印象を左右するほどではありませんでした。



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