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2008/08/11

週末映画&舞台


なんか、真夏のホラー特集みたいなラインナップだ。

■口裂け女■
そういえば小学生くらいのころ、流行ったなぁ、口裂け女。いまの子供たちにも馴染み深い存在なんでしょうか。なんか、ストーリー的にはめちゃめちゃな感じです。口裂け女の誕生の秘密も、口裂け女が子供を狙う理由も、思い付きっぽいレベル。かどわかした子供も、殺される子もいれば顔を切られるだけの子もいるし、殺されない子もいる。その違いはなんだ? マスクをしているというだけで取り憑くのもなんだかなぁ。とりあえず児童虐待はいかんよというお話なんでしょうか。しかし水野美紀、気がつかなかった。

  


■福耳■
死んだじいさんが若者に取り憑いて... また憑依ものかよという感じですが、こっちはホラーというよりファンタジー。どことなく『異人たちとの夏』を思わせます。とり憑かれる若者を宮藤官九郎が好演してます。最初のほうでは見てるだけでうざったい、いかにもアホウで自分勝手なフリーターですが、知性と品を備えたじいさん(田中邦衛)に取り憑かれてだんだんと他人を思いやる気持ちとかが生まれてくる過程を上手に演じてた。一人の中に若者とじいさんが同居することによる混乱や困惑のシーンも、まぁまぁおもしろかったですね。ちょっと物語展開のテンポがゆっくりめで、途中で飽きてきちゃった感はあるけれど。

  


■THE EYE 2■
香港とタイの合作映画なのかな。前作の評判がよかったからか、気がつくと3作目までつくられてた『THE EYE』シリーズの2作目。1作目は死体からの角膜移植を受けたら幽霊が見えるようになってしまったという内容で、手塚治虫のブラック・ジャックにある『瞳の中の訪問者』と非常によく似た物語ながらも、恐怖と哀しみに満ちた、それなりに印象深いものだったように記憶してる。角膜移植と幽霊の関係から「THE EYE(その目)」というタイトルも意味のあるものだったのだけど、この2作目はなんでしょうねぇ、まったく。
自殺未遂をした人間は幽霊を見やすくなる。妊婦は幽霊を見やすくなる。だから自殺未遂をした妊婦はすっごく幽霊を見やすくなる。すっごくご都合主義な三段論法で、主人公の妊婦があっちこっちで幽霊に出会って大騒ぎという内容。妊婦のそばには死人の霊がいつも付き添っていて、出産のその瞬間に新生児に乗り移る=転生するというのも、まぁそういうこともあるといえばあるかな程度の印象。いちおう、輪廻転生もテーマなのか。しかし冷めた目で見れば、極端なマタニティ・ブルーというか、情緒不安定な妊婦が見た妄想にも思えるわけで。出産後は、幽霊を見やすくなる条件のうちのひとつ「妊婦」が亡くなるわけだから、この主人公もきっと幽霊を見なくなる可能性が強いわけで、そうなるといっそう妊娠中の情緒不安定による妄想といった印象が強くなるなぁ。そんでもって「THE EYE(目)」はもう全然関係ないし。

  


■THE EYE 3■
さらにわけわからなくなってしまったシリーズ3作目。アメリカのティーンズ・ホラーのようなノリになりました。本に書かれた「幽霊を見る10の方法」を興味半分で試してみたがために幽霊に取り憑かれ、呪われて殺されちゃうという内容。もうまったく「THE EYE(目)」から遠く離れたところへいっちゃいました。幽霊に乗り移られた兄ちゃんとストリートキッズのヒップ・ホップ・ダンス・バトルとかあって、もう、なんだろう、これ。思わせぶりな祈祷師のばあちゃんもほとんどなんの役にも立ってないし、最後に残った彼がなぜ残っているのか、その後どうなるのかもわからん中途半端さ。とりあえず、興味本位で死人をヴィデオ撮影したりしちゃいかんよということやね。

  


■ウーマン・イン・ブラック■
PARCO劇場で鑑賞。前回観たのは4年くらい前だったか。前回はほぼいちばんうしろの席だったけど、今回は前から3列目のステージほぼ中央だったので、役者さんの表情までしっかりと見られて、よりおもしろかった。上川隆也と斎藤晴彦というたったふたりの役者により演じられる、哀しくも恐ろしいゴシック・ストーリー。必要最小限の人員と、必要最小限の舞台装置で、観客の想像力を最大限に刺激するつくりが素晴らしいです。霧に煙る沼地が、そこに引き込まれるポニーの馬車が、そして跳ね回る犬が、見せていないのに見えるようです。視覚に直接訴えるのではなく、聴覚とイマジネーションを刺激することによって目の前のなにもない空間に観客自身に映像を浮かび上がらせる。映画『アザーズ』が使った手法と同じですね。こうした英国ゴシックな雰囲気は大好きです。見えるものより、見えないもののほうが怖いのです。舞台の上で行なわれる「芝居のリハーサル」と「その芝居で語ろうとしている事実」が交錯し、どこまでが「芝居」でどこまでが「事実」なのかが混沌としてくる構成を、ふたりの役者さんがみごとに演じきっていました。斎藤晴彦さんはときどきセリフが聞き取りづらいのだけど、複数の役を演じ分ける際の切り替えの速さや、一瞬にして違う場面・空気・雰囲気をつくりだすことができるのが素晴らしい。上川隆也さんは非常によく通る声で、表情の変化、とくに目の力がすごかった。ところどころに笑いの要素も取り入れつつ、じっとりと湿ったヨーロッパの重苦しい空気を充満させ、そして最後の大オチ。その先に彼らを待ち受けているものを強く予感させつつ、だけどいわないし見せないというエンディングの余韻も、いかにもゴシックでよかったです。また観たい。原作本も読んでみたくなりました。

  

  

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