RICK WAKEMAN / THE MYTHS AND LEGENDS OF KING ARTHUR AND THE KNIGHTS OF THE ROUND TABLE (1975)
正式タイトルがすごく長くて覚えられません。邦題はシンプルに『アーサー王と円卓の騎士たち』でした。タイトルどおり、イギリスの古典?「アーサー王伝説」がテーマのコンセプト作のようです。
神話とか伝説をモチーフにしたイギリスのシンフォニック系作品って、ヴォーカルがファンタジックで弱っちいものが多いように思うのですが、このアルバムでのヴォーカルはなかなかにパワフルです。妖精も神秘の森も浮かんできません。むしろパワフルすぎて、ときにラテン民族を思わせたり、ソウルフルにも感じたり。これがテーマや曲想に合っているのかどうか、微妙に思います。自分には、あまり魅力的には感じられません。
M1「Arthur」で登場する、おそらくアーサー王のモチーフ、M3「Guinevere」で登場する、おそらく王妃グィネヴィアのモチーフが、他の曲でも繰り返し現われて、トータル・コンセプト・アルバムとしての印象を強く感じさせます。とくにグィネヴィアの(と思われる)モチーフはメロディが美しく印象的。一方、アーサー王の(と思われる)モチーフはファンファーレ風の華やかさや力強さを持ったメロディがさまざまなアレンジで、ときには勇猛に、ときにはもの悲しく演奏され、アーサー王の心の動きや葛藤を感じさせます。
全編に大編成のオーケストラが配置され、混声合唱の導入比率も高いのだけど、あまり荘厳でクラシカルという感じはなく、意外と爽やかで力強い劇伴風な印象です。M2「Lady of the Lake」や、M5「Merlin The Magician」とM6「Sir Galahad」の導入部では合唱のみで聖歌風の雰囲気もありますが、M4「Sir Lancelot and the Black Knight」はむかしの冒険活劇映画のテーマ曲風だったりしますし、M5の中間部ではラテンぽかったりカントリー・フレーバーだったり、さらにはカートゥーン風のコミカルな印象もあったり。アルバム・ラストのM7「The Last Battle」ではおなじみのモチーフを繰り返し散りばめ、さまざまな場面転換をしながら合唱とオーケストラで終幕へ向けて盛り上がり、ついには大団円を迎えます。派手で大仰な作風ですね。これでもっと歌メロとヴォーカルに魅力があったならなぁと思います。
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