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2008/07/24

RENATO ZERO / LEONI SI NASCE (1984)

Renato Zero(レナート・ゼロ)の12枚目のアルバム。

1979年にリリースした6枚目のアルバム『Ero Zero』からこの『Leoni si nasce』までは、すべてのアルバムがヒット・チャートで1位を獲得しています。しかし同年にリリースされた新録・新アレンジのベスト盤『Identikt』が16位、1986年の『Soggetti smarriti』は2位までのぼったものの翌1987年の『Zero』は13位となり、以後しばらくアルバム・セールスの低迷が続きます。その意味では、Renato Zeroの最初の最盛期の最終部分に当たる作品かもしれません。実際、このアルバムそのものはチャート1位を獲得したものの、アルバム・ジャケットと同じライオンのコスチュームをまとい4人のアボリジニーとともにローマの動物園からスタートしたコンサート・ツアーは観客の入りが悪く、商業的に失敗。以後、これまでの高人気を後ろ盾にアリーナ級・スタジアム級のコンサートを開く一方で、地方の小都市では町の広場やディスコでほとんど無料で歌うといったドサまわりを余儀なくされたようです。

さて、この作品。イントロとフィナーレにオーケストラによるドラマティックなシンフォニーをバックにしたMCを配してあることからも、おそらくストーリーを持ったコンセプト・アルバム、あるいはポップ・オペラ的な作品なのでしょう。冒頭から美しいオーケストラが聴け、このままロマンティック&ドラマティックな世界が展開されるかと期待させます。しかしM2以降は意外とポップで軽快な曲が多く、このころの彼のアルバムにありがちな歌謡曲チックなアレンジも散見されます。ただ、歌謡曲チックさがありつつもそんなに安っぽい印象を感じないのは、Renato Serio(レナート・セリオ)によるツボを押さえたオーケストラ・アレンジと、楽曲の持つ素直でなめらかなメロディの魅力によるところが多いのだと思います。これといって飛びぬけた名曲は見当たりませんが、全体に粒の揃ったポップ・ソング集となっていて、愛らしいアルバムだと思います。

M2: Da uomo a uomo
ゆったりとした8ビートを刻むエレキ・ギター。おだやかでなめらかなメロディ。やさしさと奥行きを表現するキーボード・オーケストレーション。あたたかみのあるミディアム・テンポのポップス。

M3: Si gira
リズムを強調した軽快で少しコミカルな雰囲気のあるポップ・ロック。バックのアレンジ、とくにホーンの使い方が歌謡曲風。メロディも素直なものだけど、媚びた感じがないので、安っぽい歌謡曲もどきにはなりません。

M4: Per non essere cosi'
ヴィブラフォンとオーケストラによるやわらかなイントロに続き、少し寂しげなヴォーカル。もの哀しげなヴァイオリンも入ります。しかしBメロからはメジャー・キーに転調し、やさしくおだやかでゆったりしたメロディに。セカンド・コーラス以降はあまり派手にならない程度に厚みのあるオーケストラも曲を盛り上げます。サロン・ミュージック系ポップスというか、Kryzler & Kompany(クライズラー&カンパニー)を思わせるような部分もあります。終盤ではRenato Zeroらしい芝居がかったヴォーカルも聴けます。

M5: Sospetto
女性の悲鳴(叫び声)から始まりますが、曲自体はべつに危険だったり怪しい香りがするわけではなく、むしろ明るく、どこか楽しげで、なんだかそぐわない感じです。ミュートしたエレキ・ギターのアルペジオはThe Police(ポリス)の「Every Breath You Take」を思い出させます。やわらかなオーケストラも入る、おだやかなポップス。

M6: Pelle
少しシリアス&ミステリアスな雰囲気があります。クリーン・トーンによるエレキ・ギターのコード・カッティングとエレクトリック・ピアノが都会の夜を思わせます。歌メロもマイナー調で、愁いを秘めた感じで始まります。しかしサビからはメジャーに転調し、伸びやかで美しいメロディになります。場面転換がはっきりしていてわかりやすい曲です。終盤はオーケストラが入り、ほどよく華やかでメロディアスな雰囲気に包まれます。

M7: Frenesia
イントロのエレキ・ギターの演奏がThe Doobie Brothers(ドゥービー・ブラザーズ)の「Long Train Runnin'」に似ています。軽快なリズムにコンガやホーン、細かいフレーズを奏でるヴァイオリンの入った華やかな演奏。途中では子供のコーラスも入り、いくぶん歌謡曲ぽい印象もあります。リズミカルながらもきちんとメロディがある、良質のポップスになっています。

M8: Oscuro futuro
エレキ・ギターのアルペジオとエレクトリック・ピアノのやわらかな音色。ほどよく明るくなめらかでやさしいメロディを、おだやかなオーケストラがバックアップします。ホーンのアレンジが歌謡曲風だけど、素直で美しい歌メロが安っぽくなるのを防いでいます。オーケストラの入り方やアコーディオン風のキーボード?ソロなどに夢見るような雰囲気があるのも素敵です。

M9: Il leone
ハード・ロック風のディストーション・ギターがコードを刻み、派手でチープなホーンとRenato Zeroの少し芝居じみたヴォーカルがのります。ロック・オペラのような雰囲気です。サビで入るコーラスで、The Who(フー)『Tommy』で繰り返される「See Me Feel Me...」のところを思い出しました。

M10: Il prezzo
少しミステリアスで陰のある感じから徐々に盛り上がる構成は、わかりやすくドラマティック。サビではメジャー・キーに転調し、素直に美しいメロディをオーケストラがバックアップします。ロマンティックな明るさとやさしさを感じます。

M11: Giorni
シンセサイザーによる軽快なリズムとエレキ・ギターのコード・カッティングにのって歌われる、おだやかな明るさのあるポップス。歌メロに無理がなく、シンプルだけどなめらかで美しいのが好感を持てます。少し歌謡曲ぽいながらも終盤に向けてシンフォニックに盛り上がるオーケストラもいい感じ。


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