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2008/06/02

週末映画&テレビドラマ

■イン・アメリカ 三つの小さな願いごと■
う~ん、悪くはないんだけど、これといって印象に残る話でもないなぁ。実際にこういう状況のなかに自分がいたなら、いろいろと精神的にも肉体的にもきついだろうなとは思うけれど、映画としては比較的よくあるタイプのテーマだと思うし、話の展開も終わり方も映画にあるストーリーとして非常に素直というか、やっぱりよくあるタイプのように感じる。
コアとなるストーリーの部分で強くひきつけたり注意力を喚起するようなものがない分、余計なことが気になってしまう。たとえば、職のないアイルランド人でも簡単にアメリカに入国できてしまうんだな、とか(その前はカナダにいたのか?)、観光ビザで入国したはずなのに簡単に住み着いて職まで得られてしまう国なんだなアメリカって、とか、ずっと意識不明だったはずのマテオはいったいいつのまにサラの入院費を払ったんだろう、とか。投げたボールを穴に入れてE.T.のぬいぐるみを獲得するゲームのシーンも、ああいうところでメンツにこだわってムキになるからいつまでも貧乏なんだよ、とか思っちゃったり(結果としてうまくいったけど、確率的には破産して一家が路頭に迷う可能性のほうがずっと高かったはず)。
なんか、共感どころがあまり見つからなかったなぁ。

  

■高原へいらっしゃい■
先週までCATVで再放送されていた、田宮二郎主演のオリジナル版。率直にいって、ちょっと(かなり?)ガッカリ。ドラマとしてはそれなりにおもしろいけれど、共感できるところが少なかったなぁ。
佐藤浩二主演のリメイク版は、ホテルを舞台に、ホテルで働く人とホテルの仕事を、お客様との関係を上手に使いながらお話として見せてくれた。そこにホテルマンとしての、サービス・パーソンとしての考え方や仕事への取り組み方といったものを見えて、あくまでも「ホテルで働く人たち」のお話だった。
でもオリジナルは、舞台はホテルになっているけれど、実は「ホテルという場」はあまり関係ない。べつにホテルじゃなくてもいい。従業員たちのほとんど誰もがお客様のことなんかろくに見てもいないし考えてもいない。仲間内のことにばかりかまけていて、さまざまな場面でお客様をほったらかしにしている。そもそも主人公の面川さんにぜんぜんホスピタリティが感じられないし、この人自身が実はきちんと「あるべきホテルの姿」を考えていない。なんとなく「こんなだったらいいなぁ」というイメージがあるだけで、ではそのためにどうするべきか、いますべきこと、これからすべきことにはなにがあるかとか、考えているように見えない。こんな人にホテルの支配人が務まるようには到底思えないし、こんな支配人のもとでは働きたくないし、こんな支配人&スタッフのいるホテルには泊まりたくない。けっきょくこの人はなにがしたいんだろう。この人の関心はホテルにではなく、別居中の奥さん、つまりは自分のことにしかないように思えてしまう。
結果としてこのお話は「ホテルで働く人たち」のお話ではなく、「自分のことにしか関心がない面川くんと、彼を取り巻く愉快な仲間たち」のお話で、ホテルの仕事もサービスの仕事も添え物でしかないのだな。もっと、お客様とのかかわりのなかでサービス・パーソンたちがさまざまなことを学び、問題を解決し、成長していくような話を期待してたのだけど、そしてリメイク版はそういうお話だったのだけど、オリジナル版にそれを期待するのは間違いだったのだな。

■マイリトルシェフ■
DVDボックスを買ってしまった。たぶん、テレビ放映時にはあまり人気がなかったと思われる(それゆえか放送が10回しかない)、だけど地味ながらもとても素敵なドラマ。
小さなレストランを舞台に、料理を通じてお店とお客様が向き合い、お客様もスタッフもともに少しずつ成長したり、よりよい未来への一歩を踏み出したりする。一話完結スタイルで、毎回「お客様のドラマ」があり、その背景ではすべての回を通じての「従業員(主にシェフ)のドラマ」もあるという構造が、とても好ましい。
レストランが舞台のドラマって、視線の先が従業員(主に料理人)にいってしまい、お客様のことはないがしろ、けっきょくは仲間内の話になってしまうことがけっこう多い。名作といわれる『王様のレストラン』だって、お客様と従業員がいる「レストランという場」をきちんと描いたのは最初のうちだけで、その後はどんどん「従業員同士の話」になっていき、最終的にはレストランである必要のあまりない、仲間内の話で終わってしまった(お話自体は非常におもしろかったけど)。
その点『マイリトルシェフ』ではいつも料理の先にお客様、というか、その料理を食べる人、がいて、視線の先がその人に向いている。お客様のことを見て、聴いて、感じて、その人の心に届く料理を考え、提案する、というコンセプト自体が、サービスの仕事のもっとも根本的かつ重要な(だけど実現が非常に難しい)ことで、そこからぶれずに話が展開していくのがとても素敵。
矢田亜希子演じるシェフ・鴨沢瀬理のお客様に対する観察力や着眼点、そのお客様のための料理をつくる際の思考の展開法や想像力の働かせ方などは、飲食業の現場で働く人には非常に参考になるし、勉強にもなる。実際の現場であそこまではなかなかできないだろうけれど。でも、そういうことを一生懸命考えて、そのときにできる最大限のことを提案すること、それにより、お客様が喜んでくださること、そして、お客様が喜んでくださることで自分も幸せであることが、サービスの仕事の本来的な意味なんだよね。

  



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