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2008/06/30

週末映画&ドラマ


■獄門島■
石坂浩二が金田一耕介を演じた劇場版。頭の弱い三人姉妹の死体を俳句に見立てて飾るところがいかにも金田一ものではあるけれど、同じ見立て殺人でも『悪魔の手毬唄』ほどの美しさは感じない。とくに三番目の殺人、「一つ家に遊女も寝たり萩と月」の見立ては、なんだか手抜きっぽい。
犯行時間および犯人を欺くためのトリックとしては、二番目の「むざんやな冑の下のきりぎりす」の見立てがいちばん手がかかっているが、鐘の重さで死体の首が千切れて飛ぶシーンは、いま見るとちょっとコミカルな感じ。
見立て自体の美しさは最初の「鶯の身をさかさまに初音かな」がいちばんに思う。了然和尚のつぶやく「きちがいじゃがしかたがない」が「季違い」と「気違い」(テレビドラマ版では「季違い」(季節が違う)ではなく「樹ちがい」(つるす樹の種類が違う)だったように思うのだけど、記憶違いか)の掛詞になっているところとか、素敵。
座敷牢に閉じ込められた薬中で精神病の当主・与三松とか、旅役者で神がかり的な祈祷師だった与三松の妾だとか、その妾が産んだ頭の弱い三人姉妹とか、なんというか、エキセントリック?な登場人物が多すぎて、あんまり物語に入り込めなかった。


  



■悪魔の花嫁■
古谷一行が金田一耕介を演じたテレビドラマ。殺人の現場がモダンで大きな洋館だったり、子供が焼け焦げた西洋人形を大事に抱えていたり、仮面舞踏会に現われた犯人が魔法使いの老婆の衣装だったりと、雰囲気的には金田一幸助ものというよりも明智小五郎ものに近い感じ。殺人の理由や背景もけっこうあっさりしているし、悪魔を使うトリックもちょっと子供だましな感じで、そんなところも明智っぽい。しかも、悪魔のトリックも、焼け焦げた人形も、あんまり物語や謎解きに大きく影響しないし。なんだか微妙なお話だった。
故・古尾谷雅人は持ち前の怪しい雰囲気を存分に漂わせていて、こうした役にぴったり。こういう役者さん、最近は見かけないなぁ。





■黒い羽根の呪い■
古谷一行が金田一耕介を演じたテレビドラマ。山奥にある村に代々伝わる二大旧家同士の争いを背景にしているところがいかにも金田一ものっぽい。殺人の背景にある人間関係は、思ったよりもあっさり。おなじみ、謎解きのかぎとなるべき別の事件の発生もたかだか3年前と、こちらもけっこうあっさり。しかも、書き置きの示すトリックはかなり早い段階でわかってしまうし。というか、配役を見た段階でおおよそ犯人の目星がついてしまうのもいかがなものかという感じはある。
殺し方にたいした計画性がなく、ゆえに殺害方法も一般的だし、その後の飾りつけもあまり手が込んでいなくて残念。金田一ものにはやはり死体を飾る美意識を期待してしまう。それぞれの死体に添えられたカラスの羽も、思わせぶりではあるけれど、たいして機能しておらず。残念。





■ムーンライト・マイル■
なんか、イライラする人たち。強盗に射殺され、突然に娘を失った両親の心の痛みとか、想像できなくはないけれど、当事者になったらああいう対処しかできないものなのだろうか。殺された娘の婚約者である青年も、彼らを気遣ってという理由はあるにしろ、真実を話すまでに時間がかかりすぎに思うし、「やる」といった仕事はちゃんとやらないし、なんだろうこいつは、という気持ちばかりがふくらんでしまう。最終的にはみな真実を自分の目でしっかり見て自分を取り戻し前向きに生きていけるようになる、というハッピー・エンドなのだけど、それもまたいかにも狙っている風で、すっきりした気分にはならず。


  



■恋人はスナイパー 劇場版■
テレビ・ドラマ版では内村光良もずいぶん身体を使ったアクションをしていたように記憶しているけれど、劇場版ではあまり動いていないな。その分、水野美紀が大暴れ。そういえば水野美紀って、お色気B級時代劇『くノ一忍法帖』にも出てたんですね。いまの水野さんからは想像できないアホっぽい芝居をしてました。
で、『恋人はスナイパー 劇場版』。テレビ・ドラマ版を観ていない人には登場人物たちの関係図とか背景とかがわからなくて、ストーリーにうまくついていけないような気がする。でも、ドラマ版の知識があるうえで観たら、なかなかよい作品じゃないだろうか。ちょっと犯人側の動機が弱い感じはするけれど、中村獅童も阿部寛も持ち味である独特の雰囲気が生かされているし、主人公であるホイさんことウォン・カイコーときなこさんの愛情と友情と同志意識のあいだでゆれる感情もほどよく切ない。彼らの理解者であるきなこさんの父(いかりや長介)もいい味出してるし(頚部リンパ節がんのため、声はだいぶ聞き取りにくくなってましたが。ちなみにこの作品が遺作)、結末は、ありきたりといえばありきたりなのだけど、哀しくドラマティック。ひさしぶりにテレビ版と合わせて三部作を続けて観てみたくなった。


  


  


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