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2008年6月

2008/06/30

週末映画&ドラマ


■獄門島■
石坂浩二が金田一耕介を演じた劇場版。頭の弱い三人姉妹の死体を俳句に見立てて飾るところがいかにも金田一ものではあるけれど、同じ見立て殺人でも『悪魔の手毬唄』ほどの美しさは感じない。とくに三番目の殺人、「一つ家に遊女も寝たり萩と月」の見立ては、なんだか手抜きっぽい。
犯行時間および犯人を欺くためのトリックとしては、二番目の「むざんやな冑の下のきりぎりす」の見立てがいちばん手がかかっているが、鐘の重さで死体の首が千切れて飛ぶシーンは、いま見るとちょっとコミカルな感じ。
見立て自体の美しさは最初の「鶯の身をさかさまに初音かな」がいちばんに思う。了然和尚のつぶやく「きちがいじゃがしかたがない」が「季違い」と「気違い」(テレビドラマ版では「季違い」(季節が違う)ではなく「樹ちがい」(つるす樹の種類が違う)だったように思うのだけど、記憶違いか)の掛詞になっているところとか、素敵。
座敷牢に閉じ込められた薬中で精神病の当主・与三松とか、旅役者で神がかり的な祈祷師だった与三松の妾だとか、その妾が産んだ頭の弱い三人姉妹とか、なんというか、エキセントリック?な登場人物が多すぎて、あんまり物語に入り込めなかった。


  



■悪魔の花嫁■
古谷一行が金田一耕介を演じたテレビドラマ。殺人の現場がモダンで大きな洋館だったり、子供が焼け焦げた西洋人形を大事に抱えていたり、仮面舞踏会に現われた犯人が魔法使いの老婆の衣装だったりと、雰囲気的には金田一幸助ものというよりも明智小五郎ものに近い感じ。殺人の理由や背景もけっこうあっさりしているし、悪魔を使うトリックもちょっと子供だましな感じで、そんなところも明智っぽい。しかも、悪魔のトリックも、焼け焦げた人形も、あんまり物語や謎解きに大きく影響しないし。なんだか微妙なお話だった。
故・古尾谷雅人は持ち前の怪しい雰囲気を存分に漂わせていて、こうした役にぴったり。こういう役者さん、最近は見かけないなぁ。





■黒い羽根の呪い■
古谷一行が金田一耕介を演じたテレビドラマ。山奥にある村に代々伝わる二大旧家同士の争いを背景にしているところがいかにも金田一ものっぽい。殺人の背景にある人間関係は、思ったよりもあっさり。おなじみ、謎解きのかぎとなるべき別の事件の発生もたかだか3年前と、こちらもけっこうあっさり。しかも、書き置きの示すトリックはかなり早い段階でわかってしまうし。というか、配役を見た段階でおおよそ犯人の目星がついてしまうのもいかがなものかという感じはある。
殺し方にたいした計画性がなく、ゆえに殺害方法も一般的だし、その後の飾りつけもあまり手が込んでいなくて残念。金田一ものにはやはり死体を飾る美意識を期待してしまう。それぞれの死体に添えられたカラスの羽も、思わせぶりではあるけれど、たいして機能しておらず。残念。





■ムーンライト・マイル■
なんか、イライラする人たち。強盗に射殺され、突然に娘を失った両親の心の痛みとか、想像できなくはないけれど、当事者になったらああいう対処しかできないものなのだろうか。殺された娘の婚約者である青年も、彼らを気遣ってという理由はあるにしろ、真実を話すまでに時間がかかりすぎに思うし、「やる」といった仕事はちゃんとやらないし、なんだろうこいつは、という気持ちばかりがふくらんでしまう。最終的にはみな真実を自分の目でしっかり見て自分を取り戻し前向きに生きていけるようになる、というハッピー・エンドなのだけど、それもまたいかにも狙っている風で、すっきりした気分にはならず。


  



■恋人はスナイパー 劇場版■
テレビ・ドラマ版では内村光良もずいぶん身体を使ったアクションをしていたように記憶しているけれど、劇場版ではあまり動いていないな。その分、水野美紀が大暴れ。そういえば水野美紀って、お色気B級時代劇『くノ一忍法帖』にも出てたんですね。いまの水野さんからは想像できないアホっぽい芝居をしてました。
で、『恋人はスナイパー 劇場版』。テレビ・ドラマ版を観ていない人には登場人物たちの関係図とか背景とかがわからなくて、ストーリーにうまくついていけないような気がする。でも、ドラマ版の知識があるうえで観たら、なかなかよい作品じゃないだろうか。ちょっと犯人側の動機が弱い感じはするけれど、中村獅童も阿部寛も持ち味である独特の雰囲気が生かされているし、主人公であるホイさんことウォン・カイコーときなこさんの愛情と友情と同志意識のあいだでゆれる感情もほどよく切ない。彼らの理解者であるきなこさんの父(いかりや長介)もいい味出してるし(頚部リンパ節がんのため、声はだいぶ聞き取りにくくなってましたが。ちなみにこの作品が遺作)、結末は、ありきたりといえばありきたりなのだけど、哀しくドラマティック。ひさしぶりにテレビ版と合わせて三部作を続けて観てみたくなった。


  


  


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2008/06/29

ベスト(BlogPet)

きょうは、もあはデジタル感とか入手しなかったー。
それでもあとプリモへ緊張♪
だけど、もあと収録しないです。
だけど、もあのバロック風味も録♪
だけど、もあはもあはベスト選曲にキャンセルしたかったの♪
だけど、もあは一緒した。

*このエントリは、ブログペットの「小丸」が書きました。

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2008/06/27

まわしすぎ! まわりすぎ!!

ハムスターがぐるぐるぐるぅ~ん。

12 turns in a wheel !!! © My poor hamster ...

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RENATO ZERO / IDENTIKIT (1984)


1950年9月30日、ローマ生まれのRenato Zero(レナート・ゼロ)の、13枚目のアルバムになるのでしょうか。

全部で16曲が収録されていますが、M9「La gente come noi」とM15「Io qui」の2曲のみが新曲で、あとはそれまでのベスト選曲となっています。ただ、たんに以前の録音を集めたのではなく、すべての曲を再アレンジし、Renato Serio(レナート・セリオ)のオーケストラをつけた新録となっています。そのためもあってか、アルバム全体を通して非常に統一感のある仕上がりになっていて、ベスト盤にありがちな飽きがきません。M1「Introduzione」とM16「Finale」は「Io qui」のメロディを奏でるオーケストラをバックにRenatoがMCをしているような内容で、舞台作品のサウンドトラックであるかのような、トータルなストーリーを持ったアルバムのように感じさせます。

全体におだやかで落ち着いた雰囲気があり、ときおりRenatoらしい演劇風なヴォーカルは聴けるものの、際立って印象的な部分は見つけにくいように思います。そのためもあってか、1979年以降リリースのアルバムが続けていたアルバム・ヒット・チャート連続1位の記録をこのアルバムがストップさせただけでなく、最高で16位と、ベスト10にも入らない結果に終わっています。続く1986年の『Soggetti smarriti』は2位を獲得しましたが、1987年の『Zero』は最高13位、1989年の『Voyeur』は最高でも20位と、80年代後半におけるRenato不遇時代はこの『Identikit』から始まったといえそうです。

とはいえ、ベスト選曲ということもあり、収録された曲はどれもRenatoらしい美しいメロディにあふれていて、それを盛り立てるオーケストラもとてもロマンティック。最近の作風にくらべると多少小粒な感じはありますが、楽曲のメロディや構成はいいし、アレンジも丁寧で、安心して気持ちよく聴いていられます。M7「Mi vendo」などは元気なポップスという印象が強い曲だと思いますが、このアルバムではピアノやホーン、スネア・ドラムのリム・ショットなどのジャジーな演奏とオーケストラをバックにした、ちょっとミステリアスでけだるい感じのアレンジになっています。新曲のM9「La gente come noi」はピアノとオーケストラをバックにしたミディアム・スローのポップスで、木管(オーボエかな)のやわらかな響きや、ほのかにバロック風味のオーケストラがロマンティック。同じく新曲のM15「Io qui」もオーケストラとピアノをバックにしたスローなポップスで、やわらかく、夢見るようなやさしさがあり、徐々にロマンティックに盛り上がっていく流れが心地いいです。

この『Identikit』も含め、1980年代のRenatoのアルバムは現在どれも入手困難になっていますが、このまま廃盤として忘れ去られるのはもったいないです。ぜひ再発してほしい。



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2008/06/26

サバのマリネとかブカティーニとかメカジキのソテーとか@ステファノ(神楽坂)

大好きです! ステファノです! 今週のランチコースです!


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前菜は「サバのマリネ パプリカとじゃがいも添え」をチョイス。サバうまーっ。ザ・サバという感じの豊かな味わい。マリネだけどそんなに酢や油は強くなく、さっぱり爽やかかつ旨みたっぷりにしあがってます。少し強めの塩加減もたまらん。しまったなぁ、白ワイン頼むんだったなぁ。めっちゃワイン飲みたい。
付け合せのじゃがいもも、わざとほんの少し芯を残すような茹で具合で、ごくわずかに歯に感じるしゃりっと感がこれまたすっきりと美味しいのよ。オリーブオイルのめっちゃ上品な香りと味わいもたまらんです。

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プリモは「手打ちブカティー二 ナス、トマト、リコッタチーズあえ」をチョイス。「あえ」となってるけど、ほとんど「リコッタチーズ入りのトマトソース」という感じです。ナスはあまり見つからず。ぜんぶ溶けたか?
ブカティーニは長いマカロニみたいなパスタ。太くて弾力があるのでフォークに巻きづらい、巻けたと思って口に運ぼうとしたらぶるんってほどけてソースが飛び散る危険がある、しかも中心に穴の開いてるマカロニ状のパスタなので、穴の中に入り込んだソースが大量に飛び散ると白い服などは大惨事... という緊張感あふれる一品なのだけど、このしっかりとした歯ごたえと、太いけど中心が空洞だからこその弾力、太麺ゆえに口中に広がる小麦の味がねぇ、あぁ、パスタ食ってるぅ~んという感じなのよん。リコッタ(&ナス?)で酸味がやわらかくなっているトマトソースとの相性もばっちしです。

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セコンドは魚料理、「アンディーブを巻いたメカジキのソテー」をチョイス。アンディーブってなんだっけ? チコリのことだったかな。厚めの短冊状に切った(短冊状に切った葉を何枚か重ねた?)アンディーブを薄切りのメカジキでくるくるっと巻いて、こんがりと焼いてあります。見た目は厚切りメカジキのソテーみたいだけど、切ると真ん中にしんなりと火の通ったアンディーブが入ってるの。こういうふうに肉とか魚で野菜をくるくる巻いた料理って、なんか楽しいよね。あたしゃ大好きです。もちろんお味もブォーノブォーノ。メカジキのけっこうしっかりした旨みにアンディーブが甘い風味を足しますね。メカジキの下には牛乳で軽く煮込んだ野菜が敷いてあって、ミルクと野菜のやさしい甘みが家庭風。これもメカジキと一緒に食べると、さらに口の中でハーモニーが広がります。

まいどのことながら、お腹がいっぱいになってしまったのでドルチェはキャンセル。そのかわり食後酒にブルーベリーを漬けたグラッパを少しいただきました。これ、美味いよなぁ。ブルーベリーの甘酸っぱいエキスがしっかりとでてる。それに昨日はちょうど、なにか果実を漬けたお酒が飲みたかったんだよなぁ、ランポーネとか。カメリエーレの星野さん、グッドジョブ。

最後にいつもどおりエスプレッソをいただき、ごちそうさま。今回も美味しかったよ。とくにサバがすごく美味しかったよ。白ワイン、頼むんだった(まだいってる)。


イタリアンレストラン ステファノ 東京・神楽坂 / ristorante stefano
神楽坂のをと ―ステファノ vol.5 ランチタイム
RISTORANTE STEFANO(ステファノ)@神楽坂|*大手町OLの日々のこととか*
神楽坂 - ケロッタのおもちゃ箱

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2008/06/25

鶏もも肉のロースト@サン・マルタン(神楽坂)

サン・マルタンのランチ・メニュー定番料理、鶏もも肉のロースト avec フレンチフライたっぷり、です。定番なのに、実は食べるのが初めてだったりします。


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まずは、サラダとパン。基本的にいつも同じサラダなんだけど、日によってちょっとだけトッピングが違ってたりします。昨日はカリフラワーの酢漬けが載ってました。パンはおなじみのバゲットです。


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メイン料理。お皿の上に大量のフレンチフライがどーん。フレンチフライの上に大きな鶏もも肉がばーん。この気取りがまったくないところがサン・マルタンの魅力ですね。カリカリと香ばしく焼けた皮。だけど中のお肉はふっくらふんわりジューシーで、とてもいい塩梅の火の通り具合。鶏肉の甘い旨みもしっかり感じられます。2種類のマスタード(粒入りとディション)を少しつけて味に変化を加えるのも楽しい。合間にフレンチフライをもりもり食べると口の中にも変化があっていいですね。

自分が座ったすぐとなりの、本多横丁に面したテラス席ではフランス人女性の二人連れがずっとフランス語でしゃべってる。店の前を自転車で通りかかったフランス人が彼女らを見つけ(知り合いみたい)、自転車に乗ったまま彼女らに話しかけ、三人でのフランス語の会話が始まる。天気がよくあたたかな陽射しが外から店内のテーブルの上に差し込む。ここはもしかしてフランスの下町?と一瞬思うほどにおだやかな、だけど活気のある時間。

うん、素敵。美味しゅうございました。


MIKAOLOGIC: 神楽坂ランチ「サンマルタン」へ
神楽坂ランチ<第2弾> サンマルタン:しんたろ。の実験室
サンマルタン@神楽坂|銀座ランチ日誌
SaraCafe : 東京:神楽坂「サンマルタン」

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2008/06/24

STYX / KILROY WAS HERE (1983)

前作『Paradise Theatre』の大ヒットを受け、多くのファンの大きな期待のなかでリリースされた『Kilroy Was Here』。しかし、アルバム冒頭でおそらく大半の(日本人)ファンが「あぁ、やっちまったぁ~(涙)」と崩れ落ちたであろうことがいまでも想像できます。

良くも悪くもこのアルバムはM1「Mr.Roboto」に尽きるように思います。

曲自体は悪くないのですよ。ドラマチック・ポップな構成とメロディ。レトロな未来観を感じさせるコズミックなシンセサイザー。ベース・シンセのデジタル感とパワフルなドラムのアナログ感の対比から生まれる迫力のあるリズム。スペース・オペラっぽいSF感だって、子供っぽいといえば子供っぽいかもしれないけれど、わかりやすいアドヴェンチャーが思い描けて、男の子なら大好きなんじゃないかと思います。

ただ、いきなり「ドモアリガットミスターロボット マタッアッウヒマデー ドモアリガットミスターロボット ヒミッツッヲシリターイ」はないだろうと。しかも冒頭だけでなくサビでも使われ、さらに「ドモッ」の部分がリピートって、すさまじい脱力感です。これまでも、たとえばQueen(クイーン)の「Teo Torriatte」とか、The Police(ポリス)の「De Do Do Do, De Da Da Da」のように歌詞の一部に日本語が使われてて微妙な気分になる曲はありましたが、この「Mr.Roboto」ほどズッコケ感の強いものはそうそうないでしょう。日本語の内容自体がなんじゃそりゃだし、曲のイメージと日本語内容の落差が激しすぎるし。

にもかかわらずこの「Mr.Roboto」が収録曲のなかでもっともかっこよく印象的というところにアルバム『Kilroy Was Here』の残念さが漂います。「Babe」や「Desert Moon」などにも通じるいかにもDennis De Young(デニス・デ・ヤング)らしいM3「Don't Let It End」もヒットはしましたが、甘ったるいポップスでいまいちだし、いかにもJames Young(ジェームズ・ヤング)らしいハード・ロックンロールのM5「Heavy Metal Poisoning」もメロディにはあまり魅力がない。イントロに三味線を使い、ギター・ソロはテープの逆回し風にするといった工夫のあるM6「Just Get Through This Night」や、ほどよい哀愁と美しいメロディでドラマチックに展開しサビのコーラスがちょっと印象的なM8「Haven't We Been Here Before」も、いい線まで行っているのだけど、もうひと展開、もうひと押しが足りない感じだし。

そんなわけでアルバムを聴き終えると、「Mr.Roboto」にあんな変な日本語歌詞を使わず、英語だけで歌ってくれていたならなぁという思いだけが強く残るのでした。ちなみにミスター・ロボット君は「Robot」じゃなくて「Roboto」なのね。日本で使うローマ字表記風にしたんでしょうか。これも微妙...


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2008/06/21

もあでロックしないです(BlogPet)

きのう、もあでロックしないです。
それでもあと部分部分が連続ー!

*このエントリは、ブログペットの「小丸」が書きました。

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2008/06/20

焼鳥重@さ和鳥(神楽坂)

親子丼が美味しい神楽坂さ和鳥の焼鳥重です。


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ご飯の入った重箱に大きな肉の刺さった焼鳥がどんどんどんっ。けっこう見た目のインパクトがあります。でも食べづらっ! 最初に鶏肉を全部串からはずしてご飯の上に広げちゃったほうが食べやすいです。
外側はカリカリに香ばしく、だけど中のほうはまだレアな感じを残した焼き方がたまりません。博多の華味鳥(はなみどり)という鶏の肉を使っているらしいのだけど、旨みがあって、臭みはなくて、歯ごたえがよくて、美味しいです。
親子丼も美味しいけど(会社の近所でランチに食べられる親子丼のなかではこのお店のものがいちばん好き)、焼鳥も旨いっす。てことは、自家製鶏つくねを使った鶏合せ重もきっと旨いんだろうな。

味噌汁と漬物がついて950円。小さいうどんのついたセット1100円もあります。
ごちそうさま。

ぐるなび - 博多水炊き さ和鳥
every little thing in my life : 豚とじ丼@さ和鳥(神楽坂)

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2008/06/19

PAUL GAFFEY / MEPHISTOPHELES (1975)

オーストラリアのシドニーで録音された、ゲーテの戯曲『ファウスト』などで有名な悪魔・メフィストフェレスをテーマにしたコンセプト・アルバム。ジャケットの背にはヴォーカルを担当したPaul Gaffey(ポール・ガフィー)の名前がクレジットされているので、ここでも便宜上「Paul Gaffeyの“Mephistopheles”というアルバム」にしておきますが、実際は作詞・作曲を手がけたSimon Heath(サイモン・ヒース)が中心となったプロジェクトのようです。

52人からなるオーケストラを全編に配し、15人の合唱隊をしたがえて展開されるロック・オペラ。非常にドラマティックで厚みのある演奏が聴けます。ただ、もう30年以上前の作品ということもあり、曲調はどことなく古くさいミュージカル風。オーケストラの使い方もプログレッシヴ・ロックというよりは劇伴風というか、映画のサントラ風で、ここにも時代を感じます。それでもオーケストラの熱の入った演奏や工夫の感じられる楽曲展開、アルバム構成などは、いまでも楽しめると思います。

ロック・オペラということもあり、歌メロに歌詞優先・台詞優先の部分がいくらか見受けられ、歌曲としてのメロディの魅力が制限された感じを受けます。ロック・オペラであるための演劇調のヴォーカルが、ときに楽曲にうまくマッチしていないように感じられるのと、Paul Gaffeyのヴォーカル・スタイルもこうしたシアトリカルな歌唱にあまり合っていないように思います。

また、せっかく15人もの合唱隊がいながら、彼らにスキャットのコーラスしかさせていないのがもったいない。メイン・ヴォーカリストと一緒に歌詞を混声のハーモニーで歌わせるとか、メイン・ヴォーカリストもまじえた複数旋律のヴォーカライゼーションを導入するとか、もっと合唱隊を上手に使い倒していたなら、よりドラマ性と厚みがましたように思います。それと、リズム・セクションが弱いなぁ。せっかくオーケストラが力強く分厚くドラマティックに鳴っているのに、リズムのアレンジが単調だしドラムの音はバタバタしてるしで、ちょっと興ざめです。

M1: Mephistopheles
不安げなオーケストラ。サスペンス映画のBGMのよう。アコースティック・ギターのコード・ストロークとドラムの音になんだか艶がないというか、なめらかさがないように感じるのは、残響処理がうまくいってないからでしょうか。せっかくオーケストラがつくりだした雰囲気をリズム楽器が壊している感じです。

M2: So Sad
ちょっとシリアスな感じのオーケストラ。うっすらと悲壮感を漂わせるメロトロン。オルガンとスキャットによる合唱が入るパートはクラシカルで荘厳な雰囲気。

M3: Dreamer of Dreams
おだやかな弦楽四重奏をバックに歌われる静かな曲。夜想曲といった感じです。

M4: Paradise
深い響きのピアノとスキャットの合唱によるイントロはクラシカルですが、ヴォーカル・パートは古いロックンロール風。軽快なピアノのコード・ストロークと、ぶかぶかと鳴るラッパに、言葉を投げるような演劇調ヴォーカルがミスマッチ。

M5: Dear People
深遠なメロトロンの響き。悪魔の甘い言葉を囁くヴォーカル。悪夢への入口を感じさせます。

M6: Finale
M1のテーマへ戻ります。クラシカルなオーケストラと合唱に、やっぱりリズムがそぐわない感じが残ります。

LPでA面だったM1~M2、LPのB面だったM3~M6は途切れなしに演奏されます。おおよそ同年代のロック・オペラだからか、Emilio Locurcio(エミリオ・ロクルチオ)の『L'eliogabalo』(1977)とか、Tito Schipa Jr.(ティト・スキーパ・ジュニア)の『Orfeo 9』(1973)などにもどこか通じるような雰囲気があるように思います。



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2008/06/18

牛ハラミステーキと野菜の鉄板焼き@土間土間(神楽坂)

今月からランチ営業を始めた土間土間です。オープン記念価格ということで、通常880円の牛ハラミステーキの定食を780円で提供してくれました。通常100円のサイドメニューの冷奴もおまけでつけてくれた。ラッキー。


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メインのハラミステーキは鉄板の上に野菜と一緒に提供されます。けっこう量もたっぷり。やわらかく焼けていて、旨みもしっかりあり、美味しいです。
付け合せの野菜はジャガイモと玉ねぎが中心で、茄子、ズッキーニ、パプリカが彩り程度に混ざってる感じ。これもけっこうたくさん量があって嬉しい。大根おろし系のステーキソースとの相性もバッチリです。
ちょっと残念なのは、せっかく鉄板で提供しているのにシズル感がほとんどないこと。厨房のオペレーション的に難しいのかもしれませんが、もう少ししっかり鉄板自体をよく焼いて、せめて提供時には鉄板の上で肉と野菜がジュージュー音を立てているようであってほしいな。あと、玉ねぎが大きめにカットされているのはいいのだけど、あのサイズで提供するなら、もうちょっとだけ余分に火にかけたほうがいいでしょう。真ん中のあたりは火のとおりが充分じゃなく、かなり玉ねぎの辛さが残ってましたから。

メインのほかに3種類の小皿がつきます。昨日は茹でた筍と、魚の南蛮漬けみたいなやつ、それに漬物。筍と魚はたぶん、夜はお通しかなにかで出されてるんじゃないかと思うのだけど、これが意外と美味しかったりしていい感じ。エクストラでつけてくれた冷奴は寄せ豆腐ぽい食感で、醤油なしでも充分に美味しいのが嬉しい。

そのほか、味噌汁とご飯とドリンクがついてます。ご飯は白米か五穀米かをチョイス。セルフ・サービスでおかわり自由。ドリンクはドリンク・バー形式でおかわり自由になっていて、コーヒー、冷たいお茶(昨日は麦茶でした。前回行ったときは抹茶もあった)、カルピスやジュースなどが用意されてます。これで880円はなかなか魅力的な価格だと思います。ちゃんとふつうに美味しいし、スタッフさんも感じいいし。

今回は注文をとりにきたスタッフさんが、自分が再来店のお客だということに気づき、自分は割引クーポンを持ってなかった(前回来店時にクーポンを渡されなかった)のだけどクーポン使用の割引扱いにしてくれました。もしこれからランチを食べにいく人で割引クーポンを持っていないなら、ビルの入口前の道路に出ているお店の看板にクーポンつきのチラシが入っていると思うので、それを持っていくといいかと思います。通常880円のハラミステーキと豚トロ炙りシソ巻きが100円引きの780円に、あるいは通常100円のサイドメニューが無料になる、6月末まで有効のクーポンがついてます。

うん、美味しかった。ごちそうさま。


ぐるなび - 土間土間 神楽坂店
土間土間 神楽坂店のランチ|真帆のLucky Days

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2008/06/17

COS / PASIONES (1983)


Daniel Schell(ダニエル・シェル)率いるベルギーのグループ。彼らは約10年の活動期間中に5枚のアルバムをリリースしていて、この『Pasiones』が最終アルバムとなっています。なんでも、スペインの内乱がテーマのオペレッタのようです。

彼らの音楽は(といっても自分はこの『Pasiones』と1978年の『Babel』の2枚しかアルバムを聴いたことがないのですが)、言葉で表現するのが難しい。プログレッシヴ系のウェブサイトなどではアヴァンギャルドとかジャズ・ロックと紹介されていることが多いようで、たしかにそういわれればそうかもしれないと思いつつも、いや、そうじゃないよなとも思ってしまいます。アヴァンギャルドという言葉からは、とっつきにくい感じ、なんだか深刻そうな感じが自分には想像されるのだけど、ここで聴かれる彼らの音楽は軽快で楽しげでポップです。ジャズ・ロックという言葉からは、テクニカルな印象が前面に出ていたり、スタイリッシュな雰囲気が自分には想像されるのだけど、ここで聞かれる彼らの音楽は、たしかにすごくテクニカルな演奏はしているけれど、前面に出ているのはユーモラスだったりコミカルだったり、およそテクニカルともスタイリッシュとも違った印象。

シャンソン風だったり、南欧風だったり、ジャジーだったり、レゲエやアフリカンな雰囲気もあったり、なんでもありな曲調。軽快なリズム。オペレッタらしい演劇調のヴォーカルやコーラス。軽やかなユーモアとコミカルな感じにインテリジェンスが入り混じったような感じです。なんとなく気の抜けたようなギターが耳に残るので、ぼんやり聴いているとどうということもない簡単な演奏のように感じるけれど、よく聴くととんでもない変則拍子を非常に細かいアレンジ・アンサンブルで演奏してたりします。ときにNina Hagen(ニナ・ハーゲン)のように、あるいは怖くないArt Bears(アート・ベアーズ)のようにも感じますし、曲によってはTalking Heads(トーキング・へッズ)なども思い出しました。アルバムを聴き終わって残ったのは、軽やかで楽しげな、変なアヴァンギャルド・ポップという印象。うん、やっぱり一筋縄ではいかない感じです。

ちなみに手元のCDはM14以降がボーナス・トラックで、ライヴ録音などが収録されているのですが、ライヴになると軽やかさが少し薄れるというか、ライヴならではの力強さ、ロックな感じが少し強調されるようで、これはこれでまた楽し。



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2008/06/16

週末映画

■異常心理分析官■
出演俳優がドイツっぽい名前の人が多いし、画面に映し出される標識や書類もドイツ語で書かれているようなので、たぶんドイツ映画なのだろう。だけどみんな英語でしゃべっているのはなんでかな。CATVで観たのだけど、CATV用に英語吹き替えがされていたのだろうか。
快楽殺人型シリアルキラー捜査の専門家と、ある目的のために快楽殺人に見せかけた連続殺人を行なう犯人との頭脳戦・心理戦という基本の物語はなかなかテンポよく、おもしろく描けていると思う。主要登場人物が4人しかいないので、けっこう早い段階から犯人のめぼしがついてしまうけれど、それが映画内で実証されていくのを見るのを楽しめる程度に物語が構成されているので、日本の安っぽい2時間推理ドラマのような薄っぺらさは感じない。劇中にちゃんと犯人へつながるヒントも映し出されているので、最後にきて唐突に犯人が浮かび上がることもないし、崖の上で唐突に犯人もしくは探偵役がすべての犯行の経緯を語りだすこともない。こういうつくり方、欧米は上手だよな。
主人公である分析官の捜査チームのスタッフで、プライヴェートでもパートナーの女性捜査官は、べつに必要じゃなかったと思う。うるさいだけで役に立たないし。ここに使った時間をもっと濃密な心理戦・頭脳戦を描くのに使ってほしかった感じ。



■ほえる犬は噛まない■
ペ・ドゥナがめちゃめちゃ可愛い。へんてこな「戦闘服」姿も、おかしいのだけど可愛いし。物語的には、どうしましょ。部分部分ではおもしろいところもあるのだけど、全体で見ると、どうしてそこから始まってそこに着地しちゃうの?と疑問だらけになってしまう。そういえば、やっぱりペ・ドゥナが出演していた『グエムル -漢江の怪物-』も着地点がどうしてそうなってしまうのか不思議な作品だった。韓国映画の特徴なのだろうか。もしそうなら、やっぱり韓国のものの考え方はよくわからん。犬殺しのあいつが教授になって、犬探しに奔走した彼女がクビじゃ、やっぱいかんだろ。あと、この映画に限らないけれど、韓国作品によく出てくる気の強い女性を演じる役者の「チッ」っていう舌打ちは、本気でムカつきますね。韓国女性は本当にあんななのでしょうか?


  

■はつ恋■
田中麗奈主演のちょっと古い映画。悪性腫瘍で入院した母のために、おそらく結婚前にむかしの恋人に宛てて書いたもののけっきょくは出せなかった母の手紙を、その相手に届け、想い出の桜の下で再会させようとする娘のお話。主人公の高校生らしい自分勝手で青臭い善意も、すさんだ生活をしていたところに突然そんなことをいわれて困惑しつつも少しずつ大切なものへの想いを取り戻していく元彼の変遷も、自分のために奔走してくれた娘をいとおしく思う母の姿も、どれも無理に派手に描かれておらず、淡々としているのがいい感じ。そして、ほとんど登場しない不器用な父が、それまでほとんど登場しないがゆえにラストで効いてくる物語構成が上手だと思う。地味だけど、じんわりとやさしい思いが心に広がるいい映画。


  

■ビースト・巨大イカの大逆襲■
『ジョーズ』の大ヒット以降、大枠の設定をパクって大量につくられたと思われる海洋パニックもののひとつ。イカです。でかいです。つくりもの感満載です。派手に大暴れです。本家『ジョーズ』(1作目)は「人間がまだ知り尽くしているわけではない未知の海」の不気味さ、恐ろしさというのが感じられて、表面的な「人食い巨大サメ大暴れ」の部分よりもそっちのほうが怖かったし、またそこが『ジョーズ』が名作たるゆえんだと思うのですが、その後のパッチもん海洋パニックは「人食い巨大生物大暴れ」の派手さ部分を競っているように思います。このイカ映画もそこにポイントがあります。危険なんだけど、不気味ではない。なんとなくお祭りです。まぁ、そういうことですな。


  

■隣人13号■
けっきょく妄想オチかよ。「いったい何年前だよ」という劇中の台詞は、妄想している自分に向けられているんですね、きっと。中村獅童さん怪演です。怖すぎます。この人、歌舞伎の舞台ではたいして存在感を感じないのですが、テレビや映画ではけっこう強烈な存在感を出しますね。その獅童さんが薄く見えてしまう歌舞伎の世界ってすごい。吉村由美ちゃん、めっちゃかわいいです。レディースあがりのヤンママという役柄があまりにぴったりすぎます。小栗旬くんは、なんだか存在感がないなぁ。存在感のない役なのでしかたがないとはいえるけど、それにしても存在感がない。
しかし、この映画のテーマはなんなのでしょうかねぇ。やられっぱなしの悔しい気持ちを長期間にわたってためちゃいかんよ、反撃するならその場でしろよ、ということなんでしょうか。自分が行動を起こせば状況は変わるということかしら。


  

■またまたおかしな大追跡■
たぶん『おかしなおかしな大追跡』の続編じゃないかと思うのだけど、酒宴がバーブラ・ストライザンドだってこと以外に関連はないみたいですね。前作は、同じ柄のバッグの取り違えから始まるドタバタだったのだけど、今回はダメ亭主のためにバカ女房がマフィアから借金をしたことから始まるドタバタ。風が吹けば桶屋が儲かるの逆ヴァージョンというか、ひとつの失敗がさらに大きな失敗を呼ぶという展開は、おもしろいといえばおもしろいのだけど、その失敗をするバカ女房のバカさ加減と騒がしさが観ていてイライラしてしまい、けっきょくぜんぜん楽しめなかった。騒がしい人が嫌いなんです、自分。


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2008/06/13

ブルスケッタとか肉と野菜のグリルとか@ステファノ(神楽坂)(BlogPet)

もあの「ブルスケッタとか肉と野菜のグリルとか@ステファノ(神楽坂)」のまねしてかいてみるね

おなじみリストランテ・ステファノのことでキターラ)の味も大満足の日々のまったり津々生活リストランテステファノさんらしい感じたり、まじ旨いよ、スイカが入ってるん。

*このエントリは、ブログペットの「小丸」が書きました。

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2008/06/12

ブルスケッタとか肉と野菜のグリルとか@ステファノ(神楽坂)

おなじみリストランテ・ステファノのランチですよー。昨日はひさしぶりにアンティパスト、プリモ、セコンドの三点全部食べました。


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まずはアンティパスト。「冷製野菜のスープとブラックタイガーのボリート添え」と「ポルケッタ(豚のスパイシーロースト)とキノコのブルスケッタ」、どちらも美味しそうだなー、シェフはとくにブルスケッタをおすすめしてたなー、とか悩んでたら、盛り合わせにしてくれました。素晴らしい。

ボリートってのは「茹で調理」のことで、要するにヴィシソワーズとかガスパチョみたいなやつに茹で海老が入ってるんだろうと思ってたので、出てきたのを見てちょっとびっくり。スープはどこへ? あぁ、盛り合わせにしたから、スープは乗らなかったのかな。まぁいいや。どれどれ... って、海老の下にあるこの赤いゼリーみたいなのが野菜のスープなんだ! わぉ、酸味が効いててすごくさっぱり。海老の甘みといいバランスですね。見た目がちょっとエビチリみたいで中華風ですが、味もソースが甘酸っぱいところがなんとなく中華風に感じたり、感じなかったり。あと、スイカが入ってたのがなんだか素敵。今年初スイカだよ、自分。

そして、シェフおすすめのブルスケッタ。旨いよ、これ、旨いよ。ふんわりサクッとしたパンの上にポルケッタたっぷり。ポルケッタとパンのあいだにキノコもこんもり。ほんのり温められていて、肉の旨み、キノコの旨み、スパイスの風味が口の中を満たす。そして、とても香りのいいオリーブオイルがふわわんと。いや、まじ旨いッす。このブルスケッタと冷えたスプマンテを持ってピクニック・ランチとかしたらすごく楽しそう。芝生のうえで食べたいわぁ。


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プリモは「手打ちキターラ 白いアマトリチャーナソース」。キターラっていうのは断面が四角いロングパスタ。このかたちがギター(イタリア語でキターラ)の弦に似てるからこの名前がついたらしいのだけど、ギターの弦って四角くないと思う。アマトリチャーナは玉ねぎとパンチェッタを入れたトマトソースがふつうらしいのだけど、今回のは白いアマトリチャーナですから、トマトが入っていません。炒めた玉ねぎとパンチェッタのオイルソースといった感じ。素朴な味わいですね。キターラの弾力のある歯ごたえが楽しいです。小麦の味もしっかりするし。
ちなみにネットでちょっと調べたところ、トマトを使わないアマトリチャーナは、実はトマト入りよりも古いレシピらしいです。そういう料理をなんでもない顔をしてぽんと出すところがステファノさんらしい感じですね。なお、本当はパンチェッタじゃなくてグァンチャーレ(豚の頬やあごの肉の塩漬けだそうです)を使うんだそうですが、もしかしたら昨日の料理でもグァンチャーレを使っていたのかしら。わからんかった。


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セコンドは「本日の肉と野菜のグリル」(正式名称忘れた)。昨日はチキンとビーフ、それにサルシッチャ(自家製ソーセージ)の盛り合わせでした。野菜はズッキーニ、南瓜、ネギ、あとなんだったかな。全体に火が通った絶妙なタイミングのチキンも、やわらかくジューシーなミディアム・レアに焼かれたビーフも美味しかったですが、なによりもサルシッチャですよ。エキゾチックなハーブの風味と肉の旨みのハーモニー。旨いよ、旨いよ。ほんと旨いよ。

最後にバローロ・キナートとエスプレッソをいただいて、今回も大満足のランチなのでした。ごちそうさま。


ぐるなび - RISTORANTE STEFANO
神楽坂姫子のまったり津々生活 リストランテ ステファノ
RISTORANTE STEFANO(ステファノ)@神楽坂|*大手町OLの日々のこととか*
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2008/06/11

RUNAWAY TOTEM / TEP ZEPI -L'era degli dei- (2002)

1980年代の終わりごろに結成され、1993年にアルバム・デビュー。その後、3年ごとくらいにコンスタントにアルバム・リリースを続け、いまも現役で活動中のイタリアのグループ。『Tep zepi』は彼らの4枚目の作品になります。

非常にハッタリの効いた作風だと思います。タイプとしてはダーク・ヘヴィ・シンフォニック・プログレッシヴなのでしょうが、さらにゴシック・メタルなどの要素も混じっているような。重いリズムの上を金属質な音色のギザギザしたエレキ・ギターが暴れまわる様は狂暴にすら感じられますが、ヴォーカル・パートでは一転して聖歌隊のソリストのような深みと奥行きのある声で落ち着いたおだやかなメロディを歌い、ヒューマン・ヴォイスをサンプリングしたと思われるシンセサイザーによる重厚なコーラスがクラシカルで荘厳な世界をつくりあげます。フランスのMagma(マグマ)との類似性について言及されることが多いようですが、自分はMagmaをほとんど聴いたことがないので、よくわかりません。それよりは、同じイタリアということもあってか、Il balletto di bronzo(イル・バレット・ディ・ブロンゾ)Metamorfosi(メタモルフォシ)に通じる匂いがときどきするというほうが、自分にはわかりやすいかも。あと、King Crimson(キング・クリムゾン)にも通じる部分があるように思います。

曲の構成がどれも、重く密教めいた怪しさをもって狂暴に力強く演奏されるパートと荘厳でクラシカルで美しいヴォーカル・パートの極端な対比というパターンで、あまりヴァリエーションはない感じだし、リズムが細かく速くなってくるとドラムの手数が追いつけていないような印象もときどきあるし、ヴォーカルの音程が多少あやしかったりもするのですが、それらに気をとられる暇を与えずに一気に聴かせきる勢いと力を感じます。いくぶんもっさりしたドラムもむしろ魅力的に感じるし、ハード・エッジでメタリックなエレキ・ギターは非常にかっこいい。そしてメロディのはしばしに、やはりイタリア、これぞイタリアと意識させる、熱くドラマティックで美しいイタリアン・プログレッシヴの香りが色濃く感じられるのが非常に好ましい。シンセサイザーの安っぽいデジタルチックな音づくりだけがちょっと残念です。


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2008/06/10

三色そぼろ丼と鴨南蛮うどん@seasondining shun(神楽坂)

ひさしぶりにshunでランチ。4種類ほどあるメニュー(たぶん、日替わり)はどれも1000円です。三色そぼろ丼と鴨南蛮うどんのセットをチョイス。デザート(プリンやムースなど4種類からチョイス)とドリンクもついてます。

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そぼろは、白いところが魚(たぶん、干し鱈かなにか)、黄色いところが卵、茶色いところが豚挽き肉。圧倒的に白の面積が広いです。三等分だったらよかったのに。味はふつうに美味しいです。

鴨南蛮うどんは、自分の好み的にはちょっといまいち。うどんはあまりこしがなく、ふわふわとやわらかい感じ。もっと歯ごたえがほしい。茹ですぎなのか、それともこういう麺なのかはわからず。
鴨が、なんか生臭い。血の味がするというか、内臓っぽい味がするというか。鴨ってもともとジビエっぽい個性のある味だけど、鴨南蛮うどんの鴨がこんなに生臭いことって、あまり経験がなかったと思う。下処理が丁寧じゃないのかなぁ。
そしておそらく、この鴨から出た脂が、うどんの汁の表面を多い尽くすほどにべったり。汁自体はそんなに味つけも濃くなくて悪くないのに、この脂でギトギトした感じになっちゃってるのが残念。

そういえばここのランチって、なんとなく美味しそうなメニューなんだけど、味はけっこうふつうというか、事前の期待値ほどは美味しくないというか、複数料理が組み合わさっていることを考えると1000円はまぁまぁお得に感じるけれどそれぞれの料理自体から食事の喜びや感動を得ることはなくて意外と充分な満足感を得にくいことが多いのだったなぁ、自分には、だからもう長いこと来ていなかったんだった... ということを思い出しました。


ぐるなび - 神楽坂 seasondining SHUN
神楽坂38cm×28cm:神楽坂、飯田橋界隈のランチグルメEXPO2008: 神楽坂 seasondining SHUN
たきおの神楽坂ランチ日記: SHUN

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2008/06/06

SIMONE LO PORTO / LA VALLE DELL'UTOPIA (2007)

1974年、ミラノ生まれ(両親はシチリア人)のカンタウトーレだそうです。湖の見える高知の草原に座り込む牛といういかにものんびりした感じのジャケットがなんだか気に入ってしまい、つい購入してしまいました。アルバムに収録された音楽は、ジャケットに描かれた山岳地帯とは違い、どちらかというとビーチ・リゾートぽい印象ですが、平和でのんびりした感じはジャケットのイメージにも通じ、なかなか自分好みです。若いころに中南米や中東、アフリカなどを訪れ、それぞれの地の音楽に親しんだことが、いまの彼の曲づくりや演奏スタイルに影響しているのでしょう。

ベースはフォーク・ポップスで、そこにカントリーやブルースのニュアンスが入り込んでくることが多いのだけど、けっして泥臭くいなたい雰囲気にはならず、どこかのんびりとリラックスした感じがいつも漂います。歌もけっしてうまくはなく、おっさんぽい声でけっこう適当に歌っている感じですが、いい具合に力が抜けていて、おだやかなあたたかさがあり、1960年代とかの歌手みたいに心地いいです。管楽器や女性コーラス、ギター・アンプのトレモロ機能、ハモニカなどの使い方やラテン・フレーバーも古き良き時代のポップスを思い出させ、ゆったりとリラックスした気分になります。33歳のカンタウトーレの作品にしては若さがぜんぜん感じられませんが、その分、時間がゆっくりと流れる地方都市でのんびりと休暇を楽しんでいるような気分になれます。うん、気に入りました。

M1: Fiume in salita
ウッド・ベースとアコースティック・ギターがほんのりジャジー。ギター・ソロはルーズでちょっとアシッドな香りがあり、フルートがうっすらと幻想味を加えたりもしますが、基本はフォークです。

M2: In girasole
クリーン・トーンのエレキ・ギターやドラムのリズムの取り方が、古き良き時代のポップ・ロックといった感じです。あまり流行っていないリゾート地の、陽射しのあたたかいのどかな午後といった雰囲気が漂っています。犬の鳴き声のSEがのんびり感を高めます。

M3: Palme finte e acquari tropicali
フォーク・ギターのアルペジオやクリーン・トーンのエレキ・ギターがカントリー風のポップス。ここでも犬の鳴き声が使われていて、のどかな山間の農村にいるようなイメージが浮かびます。

M4: Niente cambiera'
これもカントリーぽいけど、こっちはフォーク。ブラシを使ったドラムや、やわらかな木管の音色、のんびりしたアコースティック・ギターのストロークなど、穏やかで心地いいです。月の出ている夜の荒野、だけど危険な動物はおらず、心地よい夜風に吹かれながら大地に座り、ぼんやりしている――といったイメージが浮かびました。

M5: La pelle di un pollo onesto
軽快なカントリー風味のフォーク。スリー・フィンガー奏法のバンジョーが入っていないのがむしろ不思議な感じです。ドラムの音が木樽を叩いているみたい。

M6: Postino
60'sやラテンの香りがするフォーク・ポップス。やわらかく、あたたかく、懐かしい感じがします。

M7: Cartulen de paris
古いカンツォーネの香りがします。8分の6拍子で、ウッド・ベースとアコーディオンが印象的です。アコーディオンが入るからといって哀愁が漂うわけではなく、やっぱりのんびりした感じが漂います。

M8: Il vino vien dall'uva
陽気だけどのんびりした感じはラテン・リゾートを思わせます。ぶかぶかと鳴るトロンボーンとホンキートンク調のピアノを聴いていたら、東京ディズニーランドのショーを思い出しました。

M9: Malandrino
イントロはハモニカがやたらとブルージーですが、ヴォーカル・パートに入ると楽しげなフォーク・ロックになります。軽快ながらものんびりとゆるい感じがリゾートぽいです。

M10: Profondo piu' blu
アコースティック・ギターのアルペジオとやさしく響くハモニカ。スローなフォーク・ポップスで、アンプのトレモロ機能を使ったクリーン・トーンのエレキ・ギターなどに古き良き時代の、時間がゆっくり流れていくような感じがあります。ひなびた古いビーチ・リゾートで夜、ハンモックに揺られながら月を眺めているような(そんな経験はありませんが)、おだやかでゆったりした気分になります。

M11: La valle dell'utopia
ボサ・ノヴァのリズムを刻むガット・ギター。丸い音色の管楽器。ストリングスのやさしいオーケストレーション。平和でやさしくあたたかな心持ちになるインストゥルメンタル曲です。あたたかい太陽の下、海の浅瀬でふざけあう若い恋人たちの姿を見ながらビーチに置かれたパラソルつきのテーブルでトロピカル・カクテルを飲む初老の男性を写した写真(動画映像ではない)を微笑ましい気持ちで見ているような、そんな心持ちになりました。


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関係(BlogPet)

きのうはもあは関係は指摘するはずだったの。

*このエントリは、ブログペットの「小丸」が書きました。

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2008/06/05

コレナイ豚のガーリッククリームソース@ぷらてーろ(神楽坂)

スペイン厨房ぷらてーろの、選べるランチ(950円)です。


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前菜は魚介のマリネサラダをチョイス。以前より魚介の量が増えたような気がする。前からこんなにたっぷり入ってたっけ? 和風の煮魚・焼き魚ではないかたちで魚介が手軽に食べられるのは嬉しいです。斜め前の席の人が食べてたスペイン風オムレツも美味しそうだな。


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メインはコレナイ豚のガーリッククリームソースをチョイス。コレナイ豚ってなんだかよくわかりませんが、たしか以前に渋谷のテスタ・マッタで食べたことがあるような気がする。ま、美味しい豚肉ってことなんでしょう(ざっくりしたとらえ方だ)。味も量も、クリームソースというよりもシチューに近い感じのものがたっぷりかかってます。ガーリックの風味はあんまりしないな。豚肉はやわらかくジューシーに焼き上げられていて、旨みもあり、ソースとの相性もいい感じ。このソース、付け合せの茹でたジャガイモやピラフにもよく合います。というか、むしろピラフに混ぜて食べるのがムチャ旨。やっぱりシチューぽいな。

このお店、パンがいまいちなのが残念だなぁ。ふつうのバゲットで、それはそれでべつにかまわないんだけど、なぜか切断面がしっとりしてることが多いのよ。パンとしてのしっとり感じゃなくて、なんか、ちょっと濡れてるっぽい。水滴のついたままのナイフでカットしちゃったような、切断面に水蒸気が直接当たって水吸っちゃったような、そんな感じで提供されたことが何回かあって。お店のスタッフとの距離感がもっと近ければ指摘するなり確認してもらうなりしようかなと思うのだけど、どうもこのお店のスタッフとは心理的な距離感が遠いというか、近づいてくる気配がないというか、こちらから近づきたい気持ちにもならないというか。だから小さな疑問や不満は小さな疑問や不満のまま自分の中にしまってお店を出ることになっちゃう。結果としてあまり満足度があがらないのだよなぁ。料理は美味しいし、価格も手頃なのになぁ。もったいない感じ。


ぐるなび - スペイン厨房 ぷらてーろ
たきおの神楽坂ランチ日記: ぷらてーろ
MIKAOLOGIC: 神楽坂ランチスペイン厨房「ぷらてーろ」へ
神楽坂38cm×28cm:神楽坂、飯田橋界隈のランチグルメEXPO2008: スペイン厨房ぷらてーろ

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2008/06/04

HALLOWEEN / MERLIN (1994)


1988年にアルバム・デビューしたフランスのシンフォニック・グループ。デビュー作の『Part One』はたしか、けっこうシアトリカルで力強いドラマティックなシンフォニック・プログレッシヴだった気がします。『Merlin』は彼らのサード・アルバムで、タイトルからわかるとおり、アーサー王伝説などで有名な魔術師マーリンをテーマにしたコンセプト・アルバムのようです。グループ名がHalloween(ハロウィーン)で、テーマがMerlin。いかにもな組み合わせのように感じます。ちなみに日本ではドイツのメロディック・スピード・メタル・グループのハロウィーンのほうが有名かと思いますが、ドイツのハロウィーンは綴りがHelloweenなので注意。

さて、このアルバム。プログレ・ファン、シンフォ・ファンのあいだでは評判がいいようですが、自分にはあまり魅力的に響きませんでした。中世ヨーロッパの伝説の魔術師がテーマらしく、妖精や魔物が潜む森を思わせるようなファンタジックでどこか怪しい雰囲気はよく出ています。ブラスやストリングスによるファンファーレ風のアンサンブルも頻繁にあり、古い西洋映画に出てくる宮殿のシーンが思い浮かんだり、まるで雨の降る森の中を馬車で進んでいるような映像が頭に浮かぶところがあったりと、物語を感じさせ、映像イメージを喚起させる音楽ではあります。

でも、どこかこう、突き抜けていないというか、あと少しのところで「普通で平凡」なまま終わってしまっているというか。せっかくダーク・ファンタジーぽい場が脳内イメージを満たしそうだったのに、その後に続く妙に軽快な演奏ですかされてしまったり、中世ヨーロッパを感じさせる映像がまぶたの裏に広がってきたのに、なんだか安っぽい合成写真のようなものに塗り替えられてしまったり。せっかくチャーチ・オルガンを使っても、どこか荘厳になりきれない。女性ヴォーカルは透明な歌声だけど、ミステリアスさとシアトリカルさが中途半端。一見、魔物や妖精が潜んでいる暗く大きな森に見えるのだけど、横幅が広いだけで奥行きはあまりなく、入ってみたら意外と陽射しは明るいし風通しもよくて爽やかな、ピクニックにもこれそうな林だった、みたいな印象です。

小規模な管弦楽によるクラシカルなバロック・アンサンブルを導入したり、M6「Morgane」のエンディングでは身の毛も凍るような恐ろしい笑い声を入れてみたり、映画音楽風の映像感たっぷりな曲があったりと、いろいろと頑張っているのだけど、どれもがもうひとつ突き抜けていないのが残念。飛び切り魅力的なメロディがあるとか、圧倒的なテクニックがあるとか、心拍を高めずにはいられないロック感があるとか、聴き手を中世ヨーロッパの舞台に引きずり込んで帰さない表現力や説得力があるとか、なにかひとつ突き抜けたものがあれば、もっとよかったのだけど。全体にあっさりしていて、心地よく聴けるシンフォニック・プログレではあります。


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2008/06/03

根菜スープとか塩豚蒸しキャベツとか@トライブス(神楽坂)

夜はアフロ・フレンチだけど昼は豆と玄米と有機野菜がテーマのランチを出してるTribes(トライブス)。昨日のランチは小豆玄米ご飯、根菜スープ、塩豚蒸しキャベツ、サラダ、蕪、チャイのセットで1000円でした。さらにおまけで、有機大豆のおから、焼きソラマメ、チャイと一緒に青豆のおからで作ったクッキーもつけてくれました。


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根菜スープは味噌とカレーの風味がするあっさり味。わずかな辛味が新陳代謝を促進してくれそうです。
白豆のおからは、青豆のおからとくらべると豆の風味が弱いけれど、その分、都会的というか、シンプルでさっぱりした味わい。これだけ食べるとモソモソするのでスープにつけたほうが食べやすいけれど、スープの味噌とカレー風味が豆の風味に勝っちゃうかも。

塩豚は、あえて塩抜きせずに調理したそうで、塩味が強く残ってる。でもキャベツに対する量が少ないので、料理自体がしょっぱい感じはない。むしろ、甘いキャベツの合間に塩味の効いた肉が出てきて、いいアクセント。それに、塩は強いけれど肉自体の旨みも強くて、肉だけ食べてもしょっぱすぎてバランスが悪いといったことがない。
サラダはドレッシングがヨーグルトベース。少しハーブかなにかが入ってるかな。インドとかアラブとかでよくありますよね、ヨーグルトのドレッシング。

殻ごと焼いたソラマメは、皮ごと食べちゃいました。皮は多少ぼそぼそしちゃうけど、実は実よりも皮のほうが味が濃くて美味しいんですよね、ソラマメって。日本では皮をむいて食べるのが一般的だけど、外国の人はけっこう皮ごと食べちゃう人が多いような気がする。

そしてそして、昨日のいちばんのヒットは、蕪。べつに、浅漬けになっているわけでもなければ、なにかしらの調理がされているわけでもない、ただの生の蕪を切っただけなのですが、これがね、すっごく美味しい。農家から採れたてを直送してもらった新鮮なものだそうで、ただの蕪なんだけど瑞々しくて甘みがあって、果物みたいです。ちょっとだけ岩塩をつけても美味しいけれど、なにもつけないほうが口中に蕪の旨みが広がっていっそう美味しいな。ランチ営業をひとりで切り盛りしている、元パティシエールだというおねえさんは前日の夜、この蕪をつまみにスパークリングワインを楽しんだといっていたけれど、なるほど、うまそう。爽やかな辛口のロゼにも合いそうだな。うん、美味しいよ、蕪。

前回食べに行ったときは野菜とスコーンのセットだったので、分量的にちょっと控えめというか、お昼食べたぞー、お腹いっぱいになったぞー、といった感じにならなかったのだけど、今回は、少量とはいえ肉があったのと、玄米ご飯がしっかりお腹にたまったので、ちゃんと食べたぞーって感じになりました。しかもヘルシー。元パティシエールのおねえさんが料理の説明にちょっと一生懸命すぎる感じはあるけれど、美味しくて身体にいいものを食べてもらいたい、新鮮で安全な野菜を食べて身体の中からリフレッシュしてもらいたい、という気持ちがうかがえて好感触です。

アフリカ料理 神楽坂トライブス Tribes
Tribes - 私の神楽坂生活
every little thing in my life : おからとスープとスコーン@トライブス(神楽坂)

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2008/06/02

週末映画&テレビドラマ

■イン・アメリカ 三つの小さな願いごと■
う~ん、悪くはないんだけど、これといって印象に残る話でもないなぁ。実際にこういう状況のなかに自分がいたなら、いろいろと精神的にも肉体的にもきついだろうなとは思うけれど、映画としては比較的よくあるタイプのテーマだと思うし、話の展開も終わり方も映画にあるストーリーとして非常に素直というか、やっぱりよくあるタイプのように感じる。
コアとなるストーリーの部分で強くひきつけたり注意力を喚起するようなものがない分、余計なことが気になってしまう。たとえば、職のないアイルランド人でも簡単にアメリカに入国できてしまうんだな、とか(その前はカナダにいたのか?)、観光ビザで入国したはずなのに簡単に住み着いて職まで得られてしまう国なんだなアメリカって、とか、ずっと意識不明だったはずのマテオはいったいいつのまにサラの入院費を払ったんだろう、とか。投げたボールを穴に入れてE.T.のぬいぐるみを獲得するゲームのシーンも、ああいうところでメンツにこだわってムキになるからいつまでも貧乏なんだよ、とか思っちゃったり(結果としてうまくいったけど、確率的には破産して一家が路頭に迷う可能性のほうがずっと高かったはず)。
なんか、共感どころがあまり見つからなかったなぁ。

  

■高原へいらっしゃい■
先週までCATVで再放送されていた、田宮二郎主演のオリジナル版。率直にいって、ちょっと(かなり?)ガッカリ。ドラマとしてはそれなりにおもしろいけれど、共感できるところが少なかったなぁ。
佐藤浩二主演のリメイク版は、ホテルを舞台に、ホテルで働く人とホテルの仕事を、お客様との関係を上手に使いながらお話として見せてくれた。そこにホテルマンとしての、サービス・パーソンとしての考え方や仕事への取り組み方といったものを見えて、あくまでも「ホテルで働く人たち」のお話だった。
でもオリジナルは、舞台はホテルになっているけれど、実は「ホテルという場」はあまり関係ない。べつにホテルじゃなくてもいい。従業員たちのほとんど誰もがお客様のことなんかろくに見てもいないし考えてもいない。仲間内のことにばかりかまけていて、さまざまな場面でお客様をほったらかしにしている。そもそも主人公の面川さんにぜんぜんホスピタリティが感じられないし、この人自身が実はきちんと「あるべきホテルの姿」を考えていない。なんとなく「こんなだったらいいなぁ」というイメージがあるだけで、ではそのためにどうするべきか、いますべきこと、これからすべきことにはなにがあるかとか、考えているように見えない。こんな人にホテルの支配人が務まるようには到底思えないし、こんな支配人のもとでは働きたくないし、こんな支配人&スタッフのいるホテルには泊まりたくない。けっきょくこの人はなにがしたいんだろう。この人の関心はホテルにではなく、別居中の奥さん、つまりは自分のことにしかないように思えてしまう。
結果としてこのお話は「ホテルで働く人たち」のお話ではなく、「自分のことにしか関心がない面川くんと、彼を取り巻く愉快な仲間たち」のお話で、ホテルの仕事もサービスの仕事も添え物でしかないのだな。もっと、お客様とのかかわりのなかでサービス・パーソンたちがさまざまなことを学び、問題を解決し、成長していくような話を期待してたのだけど、そしてリメイク版はそういうお話だったのだけど、オリジナル版にそれを期待するのは間違いだったのだな。

■マイリトルシェフ■
DVDボックスを買ってしまった。たぶん、テレビ放映時にはあまり人気がなかったと思われる(それゆえか放送が10回しかない)、だけど地味ながらもとても素敵なドラマ。
小さなレストランを舞台に、料理を通じてお店とお客様が向き合い、お客様もスタッフもともに少しずつ成長したり、よりよい未来への一歩を踏み出したりする。一話完結スタイルで、毎回「お客様のドラマ」があり、その背景ではすべての回を通じての「従業員(主にシェフ)のドラマ」もあるという構造が、とても好ましい。
レストランが舞台のドラマって、視線の先が従業員(主に料理人)にいってしまい、お客様のことはないがしろ、けっきょくは仲間内の話になってしまうことがけっこう多い。名作といわれる『王様のレストラン』だって、お客様と従業員がいる「レストランという場」をきちんと描いたのは最初のうちだけで、その後はどんどん「従業員同士の話」になっていき、最終的にはレストランである必要のあまりない、仲間内の話で終わってしまった(お話自体は非常におもしろかったけど)。
その点『マイリトルシェフ』ではいつも料理の先にお客様、というか、その料理を食べる人、がいて、視線の先がその人に向いている。お客様のことを見て、聴いて、感じて、その人の心に届く料理を考え、提案する、というコンセプト自体が、サービスの仕事のもっとも根本的かつ重要な(だけど実現が非常に難しい)ことで、そこからぶれずに話が展開していくのがとても素敵。
矢田亜希子演じるシェフ・鴨沢瀬理のお客様に対する観察力や着眼点、そのお客様のための料理をつくる際の思考の展開法や想像力の働かせ方などは、飲食業の現場で働く人には非常に参考になるし、勉強にもなる。実際の現場であそこまではなかなかできないだろうけれど。でも、そういうことを一生懸命考えて、そのときにできる最大限のことを提案すること、それにより、お客様が喜んでくださること、そして、お客様が喜んでくださることで自分も幸せであることが、サービスの仕事の本来的な意味なんだよね。

  



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