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2008/06/04

HALLOWEEN / MERLIN (1994)


1988年にアルバム・デビューしたフランスのシンフォニック・グループ。デビュー作の『Part One』はたしか、けっこうシアトリカルで力強いドラマティックなシンフォニック・プログレッシヴだった気がします。『Merlin』は彼らのサード・アルバムで、タイトルからわかるとおり、アーサー王伝説などで有名な魔術師マーリンをテーマにしたコンセプト・アルバムのようです。グループ名がHalloween(ハロウィーン)で、テーマがMerlin。いかにもな組み合わせのように感じます。ちなみに日本ではドイツのメロディック・スピード・メタル・グループのハロウィーンのほうが有名かと思いますが、ドイツのハロウィーンは綴りがHelloweenなので注意。

さて、このアルバム。プログレ・ファン、シンフォ・ファンのあいだでは評判がいいようですが、自分にはあまり魅力的に響きませんでした。中世ヨーロッパの伝説の魔術師がテーマらしく、妖精や魔物が潜む森を思わせるようなファンタジックでどこか怪しい雰囲気はよく出ています。ブラスやストリングスによるファンファーレ風のアンサンブルも頻繁にあり、古い西洋映画に出てくる宮殿のシーンが思い浮かんだり、まるで雨の降る森の中を馬車で進んでいるような映像が頭に浮かぶところがあったりと、物語を感じさせ、映像イメージを喚起させる音楽ではあります。

でも、どこかこう、突き抜けていないというか、あと少しのところで「普通で平凡」なまま終わってしまっているというか。せっかくダーク・ファンタジーぽい場が脳内イメージを満たしそうだったのに、その後に続く妙に軽快な演奏ですかされてしまったり、中世ヨーロッパを感じさせる映像がまぶたの裏に広がってきたのに、なんだか安っぽい合成写真のようなものに塗り替えられてしまったり。せっかくチャーチ・オルガンを使っても、どこか荘厳になりきれない。女性ヴォーカルは透明な歌声だけど、ミステリアスさとシアトリカルさが中途半端。一見、魔物や妖精が潜んでいる暗く大きな森に見えるのだけど、横幅が広いだけで奥行きはあまりなく、入ってみたら意外と陽射しは明るいし風通しもよくて爽やかな、ピクニックにもこれそうな林だった、みたいな印象です。

小規模な管弦楽によるクラシカルなバロック・アンサンブルを導入したり、M6「Morgane」のエンディングでは身の毛も凍るような恐ろしい笑い声を入れてみたり、映画音楽風の映像感たっぷりな曲があったりと、いろいろと頑張っているのだけど、どれもがもうひとつ突き抜けていないのが残念。飛び切り魅力的なメロディがあるとか、圧倒的なテクニックがあるとか、心拍を高めずにはいられないロック感があるとか、聴き手を中世ヨーロッパの舞台に引きずり込んで帰さない表現力や説得力があるとか、なにかひとつ突き抜けたものがあれば、もっとよかったのだけど。全体にあっさりしていて、心地よく聴けるシンフォニック・プログレではあります。


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