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2008/06/17

COS / PASIONES (1983)


Daniel Schell(ダニエル・シェル)率いるベルギーのグループ。彼らは約10年の活動期間中に5枚のアルバムをリリースしていて、この『Pasiones』が最終アルバムとなっています。なんでも、スペインの内乱がテーマのオペレッタのようです。

彼らの音楽は(といっても自分はこの『Pasiones』と1978年の『Babel』の2枚しかアルバムを聴いたことがないのですが)、言葉で表現するのが難しい。プログレッシヴ系のウェブサイトなどではアヴァンギャルドとかジャズ・ロックと紹介されていることが多いようで、たしかにそういわれればそうかもしれないと思いつつも、いや、そうじゃないよなとも思ってしまいます。アヴァンギャルドという言葉からは、とっつきにくい感じ、なんだか深刻そうな感じが自分には想像されるのだけど、ここで聴かれる彼らの音楽は軽快で楽しげでポップです。ジャズ・ロックという言葉からは、テクニカルな印象が前面に出ていたり、スタイリッシュな雰囲気が自分には想像されるのだけど、ここで聞かれる彼らの音楽は、たしかにすごくテクニカルな演奏はしているけれど、前面に出ているのはユーモラスだったりコミカルだったり、およそテクニカルともスタイリッシュとも違った印象。

シャンソン風だったり、南欧風だったり、ジャジーだったり、レゲエやアフリカンな雰囲気もあったり、なんでもありな曲調。軽快なリズム。オペレッタらしい演劇調のヴォーカルやコーラス。軽やかなユーモアとコミカルな感じにインテリジェンスが入り混じったような感じです。なんとなく気の抜けたようなギターが耳に残るので、ぼんやり聴いているとどうということもない簡単な演奏のように感じるけれど、よく聴くととんでもない変則拍子を非常に細かいアレンジ・アンサンブルで演奏してたりします。ときにNina Hagen(ニナ・ハーゲン)のように、あるいは怖くないArt Bears(アート・ベアーズ)のようにも感じますし、曲によってはTalking Heads(トーキング・へッズ)なども思い出しました。アルバムを聴き終わって残ったのは、軽やかで楽しげな、変なアヴァンギャルド・ポップという印象。うん、やっぱり一筋縄ではいかない感じです。

ちなみに手元のCDはM14以降がボーナス・トラックで、ライヴ録音などが収録されているのですが、ライヴになると軽やかさが少し薄れるというか、ライヴならではの力強さ、ロックな感じが少し強調されるようで、これはこれでまた楽し。



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