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2008/02/25

週末映画


■ユリイカ■
これは、難しい。エンタテインメントじゃなくて、文芸作品、文学作品のような映画ですね。役所広司さんと宮崎あおいさんの演技が素晴らしいのだけど、見終わったあとに爽快感や達成感のようなものは感じにくい。かといってつまらない作品でもない。3時間半もあって長いし疲れるのだけど、それがいやじゃない。でも、また観たいかというと、そうでもないのだなぁ。明確な物語展開があるわけでなく、それゆえにいろいろな出来事がきちんと物語進行における意味や役割を持たされているのでもないので、なんとなく気持ちが悪いのだけど、物語の筋を追って楽しむ映画ではないのですよね、これ。それでもやはり、役所広司さんの「咳」とか、もう少し観客に見せる理由をわかるようにしてほしかった。壁を叩いてそっと存在を知らせあうシーンや、ずっとセピア調だった画面が最後でカラーになるところなどは印象的。

  


■暗いところで待ち合わせ■
田中麗奈さんって、明るくて元気でちっちゃくてかわいい印象を持っているのですが、この映画での田中麗奈さんは、物静かで臆病で激しい気持ちも奥にはあるのだけどそれをすっかり覆い隠してしまっている役柄です。これが思ったよりもいい雰囲気なんですね。事故の後遺症で成人してから?ほぼ全盲になった若い女性という、けっこう難しい役だと思うのですが、上手に表現していたと思います。そして、やっぱり可愛らしい。ストーリー自体は、物語としてはありがちといえばありがちだけど現実的にはありえないようなもので、まぁそれなりにおもしろいのですが、ストーリー展開以上に田中麗奈さんの魅力でこの映画は持っている気がします。観終わったあともなんだか爽やかです。井川遥さんの某シーンでの登場のしかたが恐ろしくてびっくりする(『恋愛寫眞』での小池栄子さんをちょっと思い出した)のと、その後の全力疾走がなんだか笑えるのも、あとになってみればいい思い出だったよねぇ(大槻ケンヂ風に)。

  


■メメント■
これ、劇場でも観たのだけど、CATVで放送されてたのでひさしぶりに。劇場で観たときも思ったのだけど、基本的にはアイデア一発勝負の物語だと思います。カラーのシーンは細切れに時間が戻っていき、モノクロのシーンは時間の流れに沿って進んでいく。そうすることで観客の時間感覚を撹乱し、実はシンプルなストーリーを複雑にわかりにくく見せてる。記憶の曖昧さを排除し記録の正確さを信じて真相に近づこうというのが基本的なストーリーだけど、主観的な記録は記憶と同じくらいに曖昧で、むしろ作為的である、けっきょく人は自分が信じたいことしか信じないし、知りたいようにしか知ろうとしない、というのがテーマなのでしょうか。時間軸を細切れにすることで、観客の記憶力に挑戦するとともに、あなたたちも同じでしょ、といってるような、制作側のちょっとした悪意が見える映画。

  


■殯(もがり)の森■
う~ん、これも文芸作品・文学作品的な映画だ。まいっちゃったな。そのうえ、『ユリイカ』以上に物語展開がない。目の前に映し出される場面を、その場面の中にいる人物たちを、ただ感じる以外の楽しみ方が見つけにくい。自分は子供が嫌いなのだけど、子供化した老人は子供以上に具合が悪いなぁと思った。ということくらいしか感想を持てなかった。

  


■シークレット・ウィンドウ■
公開時に劇場でも観たのだけど、地上波テレビで放送されてたのでひさしぶりに。洋物のミステリーとかではよくあるストーリーだと思う。かなり早い段階で「彼」と「彼」の関係の想像がついてしまって興ざめ。いくら盗作するにしろ、エンディング以外の一字一句が同じなんてありえないし。吹き替えで観たせいもあるけど、ジョニー・デップもなんだかこの作品では空回りな感じ。妻いわく、作家役をするにはジョニーはかっこよすぎる、あんな見た目がかっこいい作家はいない、だそうです。

  

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» mini review 07242「暗いところで待ち合わせ」★★★★★★★☆☆☆ [サーカスな日々]
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受信: 2008/03/05 20:56

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