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2008/02/18

週末映画


■親指さがし■
なんだこれ? 一見ゴースト系ホラーのふりをしながら、実はサイコ・スリラーというか、出来の悪いシリアル・キラーもの。「親指さがしの都市伝説」自体はたんなるきっかけにすぎず、策略に失敗した小娘と勝手に暴走した小坊主が周囲を巻き込んだだけで、怖くもないしおもしろくもなかった。

  


■DEATH NOTE / DEATH NOTE the Last name■
テレビ地上波で。前編は以前にもテレビで観たことがあるけれど、後編を観るのは初めて。なるほど、こういうふうにまとめたんだ。細かい「ルール」をあらかじめ知っていて、その「ルール」を上手に活用できる月に対し、Lのほうは「そもそもどういうルールがあるのか」から解明していかなければならないわけで、その時点であまりにもハンデが多すぎるように思う。スタートに大きな差があったのに、最終的に互角になりえたわけだから、潜在的な能力・資質はLのほうが上なんだろうな。
後半からは「第2のキラ」が出てきて、これが頭が悪げで、話自体がドタバタしてしまったのがちょっと残念。最初から最後まで月とLの冷静・冷徹な頭脳戦が観たかったように思う。その「第2のキラ」も含め、周囲の人間を「持ち駒」としてどんどん投入し捨てていく月に対し、基本的には「有効な駒は自分だけ」で動いたLのほうが、自分にとっては好感度が高い。最後もけっきょく、月はリュークで詰もうとして失敗し、Lは自分で詰みにいき勝ちを得るという展開が、ベタではあるけど気分はいいな。
ちなみに原作は読んだことがないのだけど、まとめ方が映画版とは違うらしい。原作ではどう決着をつけているのか、気になるところ。

  

  




■渋谷怪談 / 渋谷怪談2■
なんだこれ?ふたたび。うっかり2のほうから観てしまい、最初のほうに登場する人物の関係把握ができなかった。あとから前作を観てわかったのだけど、まぁ、わかってもわからなくてもたいしてかわらない。ベースとなっているのが都市伝説だから、そこに合理的な理由や論理的な解決策などがあるわけもなく、たんに目の前に映し出されるシーンにびっくりしたりすればそれでいい映画。問題解決の助けになるのかと思われた医者が馬鹿すぎだし行動が不自然すぎ。脚本が適当なんだろうな。それはともかく、地蔵さんを壊したりしちゃだめですよ。

  

  




■ダークシティ■
う~ん、独特な雰囲気はあるんだけど、なんだかなぁ。いつのまにかまた平らな世界に戻っているし。夜中になると時間が止まるという設定はありがちな感じだけど、そのときに、ただ「すべてが静止する」のではなく、止まった人たちが地面に倒れたりしてるのがおもしろい。時間の進行が再開するとおもむろに起き上がるのだけど、服とか汚れたりしてるだろうに、誰も疑問を感じない。それも含めてコントロールされているという設定なのだろうけれど。いちおう、ジャンルとしてはよくあるエイリアンによる地球乗っ取り計画ものなのだけど、古いヨーロッパ風の町並みやダークなファンタジー風味が個性的とはいえそう。

  


■ダークマン■
これ、以前にテレビ地上波で観たことがあって、そのときにけっこうおもしろかったような記憶があるのだけど、あらためて観てみたら、ストーリーをまったく覚えていなかったし、そんなにおもしろくも思えなかった。いわゆるヒーローもの?だけど、まずは自分の復讐のために活動開始というところがリアルな気がする。時間切れで溶解していく人工皮膚が気持ち悪い。

  


■エイリアン■
ひさしぶりに観た。2作目以降はアクション活劇風になっていくけれど、この1作目は、アクション的には抑制されているけれど、そのかわりすさまじい緊張感がある。登場人物も魅力的で、秘密の指令をプログラムされているコンピュータやアンドロイドの登場など、ストーリー的にも工夫がある。そしてなにより、初めて登場した異形のエイリアンの造形が非常に美しい。それまで異星人といえばタコ風だったりアメーバ状だったりと、異形ではあるけれど美しくはなかったのだけれど、このエイリアンの美しさはどうだろう。なめらかな鋼鉄のような質感と、黒光りする色合い、そして無駄を排した機能美にあふれていると思うのだけど。

  


■ウォッチャー■
証拠写真が裏焼きであることくらい、誰かもっと早い段階で気づこうよ。もちろん、捜査をする側が情報操作をしているのだから難しいとは思うけど、でも、基本のトリックのひとつだと思うのだけど。とはいえ、ストーリー自体はなかなかおもしろく観ることができた。最後には冤罪が証明されるのだけど、そのまま助けることもできずに処刑されてしまうという終わり方も好ましい。



■モンドヴィーノ■
あきらかにワインのグローバリゼーションに反対する立場でつくられたものであろう映画、というか、ワイン生産者へのインタビュー集? やたらと味が強くてアルコール度数の高いワインが増えてしまったのはきっとロバート・パーカーさんの影響なのはそうなのだろうし、ミシェル・ロランさんのつくるワインがパーカーさん好みな味なのもそうなのだろう。このふたつ(ふたり)の組み合わせで商品が高く売れるのだから、そういう商品を目指したい生産者がいるのも当然。そして、そういう流れとは違うモノづくりを続けたい生産者がいるのも当然。消費者はけっこう馬鹿だけど、みんながみんな、そんなにすごく馬鹿なわけではない。それは、生産者も同じ。だからきっと、大丈夫な感じがする。なにがといわれても困るけれど。
ちなみにモンダヴィのワインは安いラインでもそこそこに美味しいので嫌いじゃない。

  


■ダンサー・イン・ザ・ダーク■
なんだこれ?アゲイン。感動の名作などとやたらと評価が高い作品だけど、感動どころか、共感も同情もできず。主人公の女性、ただの馬鹿じゃん。遺伝により視力を失うという設定はいいけれど、視力の低下をごまかしてまでお金を得るために工場で働いているわりには、真剣みがなさすぎる。ただでさえ視力が悪いと危険な作業をしているのに、業務中に機械を動かしながら空想にふけるなんて、仕事をなめているとしか思えない。殺人のきっかけとなる隣人の窃盗だって、金がなくて困っていて自殺する考えていると訴える隣人に対し、自分はこれまでお金をずっと貯めてきたと自分で伝えてて、これではいかにも「盗んでください」といっているようなもの。病気の遺伝は自分のせいではないけれど、それ以外の彼女の不幸?の大半は自業自得というか、自分でタネを撒き散らしているとしか思えない。身勝手で思慮が足りず自分と周囲の状況を理解しようという意識もなく、何かといえばすぐに空想に逃げ込むような人だから、そういうことになるんだ。観ているあいだ、ずっとイライラしっぱなし。最後の処刑のシーンなど、歌ってんじゃねぇ、うるさいんだよ、さっさと殺しちまえよと思ってしまった。
ちなみにビョークの歌って、そんなにいいか? この映画での歌に限らず、彼女の歌って自分にはぜんぜん魅力的に感じないのだけど。

  


■カノン■
展開が遅い。ホラー風でありながら、ホラーとして解決できてない。録音されたものがテープの逆回転であることくらい、聞けばすぐに気づくだろうに。しかも、音楽の教師なんだから。それに、1回再生するとスイッチを切ってもテープを取り出しても音が鳴り止まないっていう設定はどこいったんだ? それを聞いた子供たちがバタバタと倒れていくっていう設定はどうなったんだ? 主人公女性の耳鳴りや幻覚はどうなった? 知人に突き飛ばされて電車に轢かれ片腕を失ったことをナスターシャは覚えてないのか? けっきょく「幽霊」はなにがしたいんだ? そしてこの「幽霊」、ヴァイオリンの名手という設定だけど、ぜんぜん弾いているように見えない。もう少しちゃんと練習しろよ。だらだらと雰囲気だけで引っ張っただけで、おもしろみも感慨もなにもない映画だった。



■ロボコン■
最近ではなんだか大きくなってしまい、保育園に通う子供がひとりかふたりいそうな感じな長澤まさみが、まだひとまわりかふたまわり小さかった頃の映画。しかしこの人、いまもあんまり芝居が変わってない感じですね。表情のつくり方とか、台詞の話し方とか。今をときめく?小栗旬も出ているけれど、彼の芝居も微妙。台詞は棒読みだし、これといって印象的なところもない。笑顔は可愛らしいけどね。
地味に淡々と盛り上がる展開が、いかにも学生主体の地域大会といった感じで、ああ、ありそうと思う。本音なのか口先だけなのかわからない実況コメントもリアルな感じ。大げさにドラマチックにせず、最後までなんとなく淡々としているところが好ましい。顔がぶらぶら揺れるボックスフンドは可愛いな。

  


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コメント

もあさん、お早うございます。

「なんだこれ?」と言いつつ、
たくさん映画鑑賞をなさってますね。

私はビョークの歌は、「病気かしら?」と思いながら聴いています。

先日見た映画『エリザベス』のケイト・ブランシェットは可愛いかったですよ。
白馬に乗り、鋼鉄の戦闘服を身につけて、金髪をなびかせ、
スペイン艦隊を目の前に「気勢」を上げる彼女はとてもりりしく美しかったです。

投稿: ムーン・フェアリー・ヒロコ | 2008/02/21 08:27

『エリザベス』はいま、続編が公開中なんでしたよね。1作目のほうはずいぶん前にCATVかなにかで観た記憶がありますが、内容とか覚えてないや。

投稿: もあ | 2008/02/25 10:24

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