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2008/01/24

ROSALINO CELLAMARE / ESPERIENZE (1975)


1953年8月13日、ミラノ南部にあるドルノ(Dorno)という町で生まれたRosalino Cellamare(ロザリーノ・チェッラマーレ)。1970年にNada(ナーダ)とともにサンレモ音楽祭に出場し「Pa' diglielo a ma'」を歌ったのがカンタウトーレとしてのスタートでした。1971年には夏のレコード祭(Un disco per l'estate)に「Il gigante e la bambina」で参加。地道な音楽活動を続け、1973年にRCAレーベルから全曲自作のデビュー・アルバム『Il bosco degli amanti』をリリースします。同年にセカンド・アルバム『Dal nostro livello』をリリース。そして1年あいだをあけた1975年にリリースされたサード・アルバムが『Esperienze』です。

1980年リリースのフォース・アルバム『Una citta' per cantare』以降、アーティスト名をRon(ロン)と変え、数年ごとにコンスタントにアルバム・リリースを続け、これまでに20枚くらいのアルバムがあります。いまも現役で活動中ですが、Rosalino Cellamare名義でリリースされた1970年代のアルバムはたぶん、まだ1度もCD再発されていないと思います。自分もRon名義のアルバムは数枚聴いたことがあるのですが、Rosalino Cellamare名義のアルバムを聴くのはこれが初めてです。

“Ron”の音楽に対しては、メロディが綺麗で破綻がなく、上手にまとまっているようには思うし、少しかすれた歌声も味わいがあるとは思うけれど、あともう一歩のところでドラマ性や奥深さのアピールが足りないというのが自分の印象でした。しかし“Rosalino Cellamare”のこのアルバムは、なかなか聴かせてくれます。1970年代半ばのリリースだからということもあるのでしょうが、同時期にリリースされたLucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)、あるいはClaudio Rocchi(クラウディオ・ロッキ)などにも通じるような「プログレッシヴな雰囲気」がそこかしこに漂っているのです。時代の音なんでしょうね。

前半は比較的淡々と歌い、サビあたりから力強い歌唱になる曲のスタイル。いくぶんサイケデリック・フォークがかったアコースティック・ギターのアレンジ。ドラマ性、ストーリー性を感じさせるオーケストラやコーラス。LPのB面に配置された10分を超える組曲。自分がとても気にいっていた「イタリアの音」、以前は「これがイタリアの典型的なカンタウトーレ・スタイルだ」と思っていた音楽が、ここにはふんだんにあります。Rosalinoの歌い方も緩急があり、最近の彼よりもずっと表情豊かに感じます。バックにSchola Cantorum(スコラ・カントルム)が参加していて、いかにも彼ららしいコーラスが聴けるのも自分にはとても好ましい。ハープのアルペジオをバックに寂しげに歌われる曲で余韻を残してアルバムが終わるのも、いかにもあの頃の美意識ぽくて、自分は好きです。

カンタウトーレとして、ポップ・シンガーとしての人気は“Ron”になってからのほうが高いし、おそらくイタリアン・ポップスのファンの多くも“Ron”の音楽のほうが好きでしょう。でも自分には“Ron”の音楽よりも“Rosalino Cellamare”の音楽のほうがずっと魅力的に聴こえるようです。“Ron”にはほとんど興味がない自分ですが、“Rosalino Cellamare”のアルバムはぜひ聴いてみたい。1970年代の初期3枚がCD再発されることを期待したいと思うに充分な作品でした。

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