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2008/01/18

RAINBOW THEATRE / THE ARMADA (1975)


1973年に結成されたオーストラリアのプログレッシヴ・グループ、Rainbow Theatre(レインボウ・シアター)のファースト・アルバムです。ずいぶん以前に「名盤」と名高いセカンド・アルバム『Fantasy Of Horses』を聴いたことがあるのだけど、ラッパがぶかぶかとうるさいジャズ・ロック程度の印象しか残っていなくて、実はあんまり興味のあるグループじゃありませんでした。でもこのファースト・アルバムは「合唱入り」らしいということで、ちょっとだけ期待して聴きました。

やはり、ぶかぶか鳴るラッパが主張するジャズ・ロックといった印象も強いのですが、妖しく冷たい響きのメロトロンが鳴り出すと一気に空気が変わり、シンフォニックな印象が強まります。一瞬にして印象を変えることができるメロトロンって、やっぱりすごい楽器だなと思います。

期待していた「合唱」も、混声が多用されていてうれしいです。ただ、大人数で歌詞を歌い上げる合唱ではなく、メイン・ヴォーカルのうしろでスキャット・コーラスをするだけなのが残念。混声合唱による「歌」をもっと聴きたかったです。また、おそらくこのグループの「売り」であろうと思われるホーン・セクションの演奏技術が微妙に低いところも残念に思います。

メイン・ヴォーカルはときどきクラシック風な歌唱をまじえますが、印象としてはイギリスのファンタジック系シンフォニック・グループにありそうな感じです。というか、演奏も含め全体的にブリティッシュぽい感じがします。オーストラリアというとどうしてもSebastian Hardie(セバスチャン・ハーディ)のような「おおらかな印象」を自分は思い浮かべてしまうのですが、Rainbow Theatreの音楽には大陸的なおおらかさを感じません。

アルバムの最初と最後に15分程度の組曲を置き、そのあいだに小曲3曲をはさむという構成はいかにもプログレ的です。組曲では、ジャズ・ロックやシンフォニック・ロック、ファンタジックなヴォーカルなどが聴けますが、それらの要素がすべて渾然一体となって力強い相互作用を見せるということはなく、たんに順番に並べただけのように感じてしまうところが黎明期のプログレというか、アート・ロックの残り香というか、そんな感じです。ですが、こういった感じは嫌いじゃなかったりするので、けっこう楽しめてしまいました。ブラス・ロック・パートはあまり自分の好みではありませんが、やはりメロトロンと合唱の魅力には逆らえません。


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