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2007/11/19

週末映画&舞台

■DOG STAR ドッグ・スター■
これ、封切時に劇場でも観たのだけど、なんだかなぁという印象。CATVでひさしぶりにあらためて観たけど、やっぱりなんだかなぁといった感じでした。ただ、劇場で観たときは豊川悦司も井川遥も「この芝居って、どうなのよ?」と思ったのだけど、テレビで観たら犬の豊川悦司はすごく犬っぽくて、実はけっこうよい演技をしていたのだなと認識を改めました。
しかしなぁ、これってけっきょく、死ぬ直前の犬の妄想なんですよね。一瞬、転生かなとも思ったのだけど、それだと時間軸が合わない。まさか憑依? でもそうすると泉谷しげるの辻褄があわないからなぁ。やっぱり妄想、夢オチなんだろうなぁ。でもなぁ、そこに落としちゃうかぁ。

  

■スクリーム■
アメリカらしい?軽快なホラー。犯人がやたら怪力だったり痛みを感じなかったり殺しても死ななかったりする怪人ではなく、殴られたり蹴られたりすると普通に「うっ」とかいって痛がる生身の人間なのが楽しい。生身の人間の殺人者なのに、連続殺人の動機が「おもしろいから」以外にとくにない(実際はちょっとあるけど)のも、むしろリアルに感じるし。あそこまでうまく犯罪計画を実行してきたのに、締めで、始末すべき人物を始末する前になぜ偽装工作を先行させちゃうかなぁというバカさ加減も、あのくらいの年齢の犯人にはありそうな感じだし。
後半で、多くのホラー映画に共通するルールをあえて登場人物に台詞としていわせ、かつそのルールにのっとってストーリーを展開するというのも、ホラーに対する自虐的な愛情を感じて好ましい(この傾向はたしか、パート2以降でさらに強まるのだったように記憶している)。
ほどよくショッキングで、ほどよくミステリーで、ほどよくサスペンスで、ほどよくスプラッターな、なかなかよくできた娯楽作品だと思う。

  

■ギルバート・グレイプ■
若き日のジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが共演しています。多くの苦悩や愛情を抱え込んだジョニーの抑えた演技がいい感じだし、知能障害者を演じるレオナルドも台詞回しや表情の変化などに非凡なものを感じます。
物語的には、なんということもないかなぁ。たぶん、あのときにクルマが故障しなければ、彼女は町のはずれにとどまることもなく、ギルバートの生活も変わることがなかったでしょう。ずっと母と弟の面倒を見続け、あの町の小さな世界の中で生涯を終えたのでしょう。でも、クルマは故障し、彼女は町のはずれにとどまった。外からの小さな影響が、ギルバートと周囲の関係に大きな変化をもたらす、というお話ですね。小さな田舎町ではありそうなことのように思います。そしてやっぱり自分は小さな田舎町では暮らせないと思いました。
ジョニー演じるギルバートの友人で、家の修理を手伝ってくれたりハンバーガー店に勤める役の人って『ギャング・オブ・ニューヨーク』でアイリッシュの警官をやっていた人ですよね。彼とギルバートの会話、「最近、お母さんはどうだい?」「太ってるよ」はおかしかった。もうひとりのギルバートの友人は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でジョージ・マクフライだった人だな。



■カリギュラ■
小栗旬主演、蜷川幸雄演出の舞台。渋谷のシアター・コクーンにて。小栗君のことを蜷川さんが大絶賛という前評判だったので、けっこう期待して観にいったのだけど、あれあれぇって感じでした。11月7日に初回が始まって、もう14回目の公演になるのですが、その間に喉をつぶしちゃったのでしょうか、ガラガラと不明瞭な声で終始がなっているだけで、セリフはよく聞き取れないし、感情の起伏の表わし方とかもなんだか一本調子。最初から最後までテンションあがりっぱなしで間のない若手漫才師と似た印象を受けました。小栗君演じるカリギュラを取り巻く主要登場人物、エリコン、シピオン、ケレア、セゾニアがそれぞれに深みのある芝居をしているなか、カリギュラだけが浮ついて見えてしまう。もう発声からしてぜんぜん違うし。とくにエリコンが出てくると、すべての注意はそっちにいってしまいますね。
芝居では、舞台上にカリギュラと誰かもうひとりのふたりが神や論理や不可能や愛や憎しみその他もろもろのテーマについて語り合う場面があり、ここでの台詞のやりとりが、カリギュラの持つ苦しみや哀しみ、人として生きる意味や人間と神との関係といった、この物語のテーマといえるものを把握し理解するための重要なヒントとなっているはずだと思うのですが、そこでのカリギュラの台詞が非常に聞き取りにくいため、雰囲気的に、情緒的に流れを推測するしかできず(カリギュラ自身は「論理的であろう」としているにもかかわらず)、「カリギュラ」という作品本来の魅力に近づけていないのではないかという気がします。カミュの原作を読んでいないので詳しい内容がわからないのですが、おそらく、神の行為を否定することで神の存在自体は認めてしまう屈折した有神論者的なカミュらしい作品なのだろうなということは推測できます。きっと、気まぐれな神の起こす不条理の前でなすすべもなく右往左往する人間の姿が描かれているのでしょう。精神的なコンディションのいいときに、原作を読んでみたいと思います。
ともかく、小栗君自身の持つポテンシャルがどれだけのものかはわかりませんが、少なくとも自分が見た日の公演は、期待に大きく及びませんでした。とりあえず発声・発音をしっかりしてほしい。あの程度の演技でスタンディング・オベーションが起きる状況に甘んじず、役者としての基礎と表現力に磨きをかけることを常に心がけ、よい役者さんに育ってくれるといいなと思いました。人を魅きつけるオーラは充分にあるのだから。

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