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2007/10/17

FRANZ LISZT / EINE FAUST SYMPHONIE

リスト作曲の『ファウスト交響曲』。Daniel Barenboim(ダニエル・バレンボイム)指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏、1998年の録音です。M4の「終末合唱」に引かれて聴きました(合唱好き)。

う~ん、なんだかあまり抑揚や緩急のない曲なんですね。ファウストがモチーフだから、もっと妖しかったり邪悪だったり熱情があったりと感情的な振幅が強く感じられるようなものを想像していたのですが、全体にもんやり聞こえてしまいます。これといって印象的なメロディも見つからないし。M1「Faust」は30分もありますが、とくに大きな山場とかがあるわけでもなく、途中ですっかり飽きてしまいました。19分超のM2「Gretchen」も似たような感じ。17分弱のM3「Mephistopheles」でやっと少し曲の構成のなかでの力強さや美しさの移り変わりのようなものが聴けてよかったけれど、メロディとかはとくに自分にはアピールしない感じです。

ゲーテの戯曲『ファウスト』を音楽化したものでは、グノー作曲のオペラ『ファウスト』をCDで聴いたことがあります。このオペラは美しいメロディや歌の掛け合いなど印象に残っている部分がけっこうあるのだけど、リストの『ファウスト交響曲』は聴き終わったときに印象に残っているところがないのですよ。グノーのオペラは戯曲のストーリーを追っているのでドラマティックな展開もあるのでしょうが、リストの交響曲は主要人物の性格描写を音楽で表現しようという意図らしいので、ドラマティックにはなりにくいのかもしれません。

もっともたのしみにしていたM4「Andante mistico(終末合唱)」も、合唱よりはPlacido Domingo(プラシド・ドミンゴ)のテノール独唱のほうがメインで、合唱はあまり目立ちません。テノールのうしろでバック・コーラス的に聞こえてくる程度。テノールが入らないパートでも、メロディを奏でる管楽器などのうしろで演奏に厚みを出すために導入されたような感じです。もっと合唱メインのものを期待してたので、残念でした。

そういえば自分、ゲーテの『ファウスト』って読んだことないな。実はどんな物語なのか、よく知らないです。機会を見つけて読んでおこう。


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