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2007/09/03

週末映画&舞台


■ザ・シャドー 呪いのパーティ■
興味本位でこっくりさん遊びをしてはいけない、というお話。ホラーならではの残虐シーン、スプラッタシーンがあまりなく、画面に映るのは死体になってからばかりで、ちょっと残念。太古から呼び寄せてしまった火の邪神を追放するために火で燃やすって、なんだか納得いかない。と思ってたら、やっぱりあれじゃ追放できないよね。

  

■イン・ザ・プール■
みんな病んでるなぁ。けっして笑いごとじゃないのだけど、他人事として見ていると病み方が非常にこっけいでおかしい。キャスティングがどれも「いかにもこの人ならこんな病みかたしてそう」な感じなところがうまいと思う。松尾スズキ演じる精神科医がいちばんヤバイ感じです。

  

■いぬのえいが■
犬を中心にしたショート・ストーリーを重ねたオムニバス。以前にも観たことがあるんだけど、これはずるいです。始まりはいかにもコメディ・タッチで、関係者の勝手な希望と適当でいいかげんな上司のためにどんどんおかしなものになっていくCMの話とか、気軽に楽しく観られそうに思わせておいて、後半にいくにしたがってどんどん切なくなってくる。とくに最後の「マリモ」の話はずるいです。犬を長く飼ったことがあるなら、子犬のときからその最後までを一緒に過ごしたことがある人なら、こみあげてくるものがあるだろう。

  

■セルラー■
地上波で放送されたもの。もともと上映時間が短かったと思うので、もしかしたらノーカット放送だったかもしれない。アイデア一発の映画という感じもあるけれど、セルラー(携帯電話)という現代的な小道具を上手に使ったストーリー。携帯電話が持つ機能も上手に話に活かしてるし、誘拐された女性が学校で生物を教える教師という一見どうでもよさそうに見えた設定も後半でちゃんと活用されてる。短い時間でテンポよく観られる映画はいいね。最近はやたらと上映時間が長くて冗長なものが多いから。しかし、着信履歴から相手にコールバックするのはいいのだけど、あの携帯から彼の携帯への着信ってあったっけ? なかったように思うのだけど、なら、なぜ彼からあの携帯へ電話をすることができたのだろう? なにか見落としてるのだろうか。

  

■夏へのトビラ(Tsu-jiカンパニー)■
阿佐ヶ谷アルシェにて。小劇場で芝居を観るのはひさしぶり。『夏への扉』といえばハインラインの有名な小説だけど、読んだことがないので、この芝居と関係があるのかどうかはわからない。でも、ちょっと調べてみたところ、いちおう芝居『夏へのトビラ』は谷藤太・作ということにはなっているけど、冬になると夏への扉を探すとか、タイム・スリップものであるとか、多くの部分でハインラインの小説から設定等を借りているような感じ。だからなのか、ストーリーに破綻がなく、安心して見ていられる。上演時間も1時間45分とコンパクトで展開もテンポがよく、笑いの取り方などもうまく計算されていて、時間を感じさせずに楽しめる。終盤の涙を誘うシーンは、あれは『異人たちとの夏』をモチーフにしてますね、きっと。おもしろかったですが、座席の座り心地は決してよくなく、かなりお尻が痛くなりました。

  

  


■ドラクル GOD FEARING DRACUL■
渋谷のシアター・コクーンにて。阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史作によるゴシック・ホラー。タイトルからわかるように、ヴァンパイアが主人公です。でも、主人公のヴァンパイアはドラキュラ伯爵じゃなくて、ジル・ド・レイ。少年大量虐殺で処刑されたが死に切れずにヴァンパイアとして生きさらばえてしまったジルと、赤子殺しで追放された領主の元妻を主軸にしたお話。途中に休憩をはさみ、上演時間約3時間という大作です。
長かった。とくに前半はストーリーの展開が遅く、そのわりには細かい舞台チェンジがあり、少しシーンが進んでは暗転が続き、観ていて集中が途切れがち。これ、映画とかであればむしろテンポのいい画面切り替えになるのだろうけれど、配置替えに時間のかかる舞台ではかえって冗長になってしまって残念。また前半はジルとリリスの「大きな苦悩を背負った夫婦」を見せるパートなのだけど、ジルの苦しみや哀しみはあまり伝わってこず、リリスの罪や聖女性もあまり伝わってこない。仲間?のヴァンパイアたちもあまり意味のあるものとは思われず、医者にしてもそれほど二人の苦悩と愛を際立たせるのに役立っているようには思えなかった。
領主の家が主な舞台になる後半になってやっと、主要な登場人物たちの想いや背景なども明らかになり、ストーリーも展開しだす。司教がリリスにいった言葉で赤子殺しの真相はすぐにわかってしまったけれど、その事件にかかわる人物たちのキャラクターがきちんとうかがえる演技がこれまでもされていたことに気づく。市川海老蔵(ジル)、宮沢りえ(リリス)、永作博美(エヴァ)、勝村政信(アダム)という主要4人はやはり芝居が上手だな。声もよく通るし。この4人と山崎一演じるブーランシェの5人だけで、トータル2時間くらいの舞台に仕上げたら、深みや厚みを増しつつよりコンパクトで印象的なものになったかもしれないなぁと思う。
テーマ的には哀しみ、祈り、許し、そしてある種の希望を併せ持った興味深いものなのだけど、焦点の当て方をうまく絞りきれずに上演時間的にも人物描写的にも冗長になってしまった感じ。せっかくのゴシック素材なのに、あまりゴシックな重厚さがなかったし。ヴァンパイアがジル・ド・レイである必要性も、それほど感じられず。リリスをジャンヌ・ダルクの生まれ変わりと信じているという設定も、あまり効果的には伝わらなかったように思う。領主夫婦をアダムとエヴァ、アダムの元妻で赤子殺しで現在はヴァンパイアの妻をリリス(子供を食らう夜の妖怪とも、エヴァよりも前に存在したアダムの最初の妻ともいわれる)と名づけたのは、やりすぎな感じ。ちなみに最後は『100万回生きたねこ』みたいだと妻がいっていた。

  

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