週末映画
■THE JAPANESE TRADITION ~日本の形~■
外国人向けに日本の日常的な慣習等をわかりやすく紹介する、という体裁をとって日本的な文化を茶化している短編集。わざと直訳翻訳風な台詞回しがあったり、外国人から見たら不思議なんだろうけど実は日本人から見ても不思議な光景について微妙に確信をつきつつ微妙にずれた解説がされたりと、ゆるいおかしさがじわじわと効いてくる。
■ラフ ROUGH■
長澤まさみのかわいらしさ(だけ?)を観るための映画。わかりやすい人物背景、わかりやすいストーリー展開、わかりやすいアクシデント、わかりやすいエンディング。2時間弱のあいだにわかりやすく上手にお話を収めてあるので、安心して観られる。最後のカセットテープによる告白は、映画『Love Letter』で主役の中山美穂が山に向かって死んだ恋人宛の手紙を叫ぶシーンと同じくらい、見ていて(聞いていて)恥ずかしいというか、あいたたたというか。青春ラヴ・ストーリーにはこういうの必須なんでしょうか? というか、こんな女の子、いるのか?
■天使のはらわた 赤い閃光■
川上麻衣子主演。たとえどんな理由があろうと記憶をなくすまで酔いつぶれる人が私は嫌いです。
■怪談新耳袋 ノブヒロさん■
なんか、もっと怖い話になりそうなのに、どうもストーリーに入り込めないのは、役者さんの芝居がなんだか微妙だからでしょうか。内山理名演じる主役女性のキャラクターがムカつくし。仕事上で初めて会う相手に向かってクッション言葉なしの否定会話ってどういうことよ。そうかと思うと1週間程度で妙になれなれしい口の聞き方になってるし。いくら相手に「先生ではなく、ノブヒロと呼んでくれ」といわれたとしても、相手はいわば取引先でしょ。そこには親しみを込めつつ仕事上の礼儀が必要なのは、きちんと仕事をしている人なら誰でも知っているはず。いかにこの主人公女性がろくに仕事もできないくせに「あたしはがんばってる」と思っている勘違い女かがわかるというもの。このキャラクターにぜんぜん好感を持てないので、彼女に降りかかった災難にも同情できませんでした。
平田満の高速四つ足階段のぼりのシーンはこっけいで笑った。ヤスはやっぱり階段をのぼるのね。上で待ってるのは銀ちゃんじゃないけど。
■HOUSE ハウス■
大林宣彦監督が尾道三部作を撮るよりずっと前に撮った映画。若かりし日の池上季実子、大場久美子、神保美などが出ています。いちおう「夏休みを親戚のおばさんの住む古い洋館で過ごす仲良し女子高生グループが次々と“家”に食われてしまう」というホラー映画扱いなのだけど、若い娘を大量投入したエログロ映画を思いっきりポップにアレンジしてみましたといったほうがよさそうな感じ。ポップ感が吹っ飛んでて、かなりおかしなことになっています。怪作。ゴダイゴ(映画にも一瞬登場します)の音楽がいい感じ。
■プルシアンブルーの肖像■
安全地帯の玉置浩二が出演している学園ホラー。主題歌ももちろん安全地帯。ゴシック・ホラーの香りを持ちつつ学園ものらしい青春の甘酸っぱさもありつつ子供ゆえの無知と残酷さも漂わせつつ話が進みます。けっきょく用務員さんはなんだったのでしょう。先生はたんに日記を盗み読みしただけなのかしら。音楽の先生は憑依されてたの? などなど、思うところもありますが、あまり考えず話の流れに身をまかせておけばそれなりにおもしろいんじゃないかしら。
■日本以外全部沈没■
これは楽しい。外的な要因でこれといった苦労をせず突然に最高の地位と権力を手にしてしまったら、ああなりそうだよなぁ。登場人物の役名やルックスに、なんとなくモデルが誰かを想像できるような微妙な類似性が持たせられてるのも楽しい。おそらく多くの日本人が心のそこではちょっぴり思ってるのだけどいわずに(いえずに?)いる外国人に対する思いとかがデフォルメされて表現されてるのがおかしい。全人類滅亡を確信し、最後のときが訪れる直前になって、はじめて世界平和が実現した、という終わり方も、なかなか趣き深いです。
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