RUSH / MOVING PICTURES (1981)
多くのプログレッシヴ・ロック・ファンから高い人気と尊敬を集めるカナダのRush(ラッシュ)。でも自分は、あまり彼らの曲が好きではありません。いちおう自分も以前は熱心なプログレッシヴ・ファンの端っこにいたので、初期から1980年代くらいまで、おおかたのアルバムは聴いた(はず)なのだけど、なんかね、彼らの曲って、聴いてるといらいらしてくるんですよ、なぜか。
演奏はもうありえないくらいにうまいし、アンサンブルは3ピースのロック・グループの限界を軽く超えまくってる。ごく自然に素直にそうとあまり意識させずに軽がると変拍子を奏でる。それらの点は、素直にすごいと思います。かっこいいとも思います。Geddy Lee(ゲディ・リー)のヴォーカルはかなり個性的な声だけど、べつに嫌いじゃありません。でも曲自体が、どうもね、好きになれないんです。たぶん、いわゆる「歌心」とは別の方向を向いた曲づくりがされているのだろうな。
そんなわけで、CDを持っていてもあまり聴かないグループなのですけれど、このアルバム『Moving Pictures』だけは、ちょっと違うのだな。M1「Tom Sawyer」のかっこよさったらありません。なにかが宇宙から降りてくるかのような「ぴしゅぅぅぅぅ」というイントロのキーボード1音がスピーカーから流れてきた瞬間から、妙にひきつけられてしまう。その後の宇宙的な広がりを感じさせるエレキ・ギターのテンション・コードもたまりません。コズミックな空間を感じさせつつ、ゆるゆるのシンフォ風には絶対ならない素晴らしくタイトなリズム、ギター以上にフレーズを奏でまくるベース、変なギター・ソロ、それら全体を含めたアレンジやアンサンブルのどれをとってもめっちゃカッコイイ。
思えば自分がはじめて聴いたRushのアルバムがこの『Moving Pictures』でした。そして「Tom Sawyer」にしびれてRushっていいかもしれないと他のアルバムを試してみては「あれ?」、別のアルバムを試しては「あれれ??」となり、いまに至るという感じです。
ちなみにこのアルバムも、「Tom Sawyer」とM3「YYZ」は非常にグッとくるのですが、あとはM4「Limelight」がちょっといい感じな以外、他の曲はあまり自分にはアピールしなかったりします。
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