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2007/07/11

ENGLAND / KIKIMIMI - LIVE IN JAPAN - (2006)

1977年にアルバム『Garden Shed』1枚をリリースして消えてしまったEngland(イングランド)がなぜか再結成し、なぜか2006年7月に来日してコンサートを行なったときの模様を収録したライヴ盤。『Garden Shed』収録曲全曲と、新曲かな? 知らない曲が2曲演奏されています。

自分はEnglandにそれほど思い入れはないのだけど、Yes(イエス)Genesis(ジェネシス)に似た匂いを振りまきつつ、いかにもイギリスらしい風景を思わせるなんとなくのんびりした人懐こさのあるメロディを持っていて、なかなかチャーミングなグループだと思います。うちにある『Garden Shed』は最初にCD再発されたときの、いわゆる盤起こしのものなので、ノイズなどもあってあまり音がよくないのだけど、それでも彼らの可愛らしい魅力は楽しめました。

しかし、このライヴ盤は、どうなのかなぁ。なんか、無難にまとまっちゃったというか、もうひとつ魅力が強く伝わってこない気がします。

Englandって、そんなに演奏力が高いグループだと思わないのだけど、その分、楽器の音色やメロディに独特のあたたかみや味わいがあって、それが大きな魅力のひとつだと思うんです。アルバム・リリースから長い年月が過ぎ、その間にメンバーの演奏技術が上がったのか、このライヴではまとまりのあるかっちりした演奏が聴けます。ただ、ロックとしての迫力というか、グルーヴ感のようなものが、このCDからは感じられないんです。もちろん、もともとロック感、グルーヴ感の強いグループではないですけど、ライヴですからねぇ。もっとロックを感じたかった。録音が悪いのかな。リズム隊の熱いビートを感じたいのに、なんか上品にまとまっちゃっている感じです。これならむしろ、演奏に乱れとかアイデアに対する技量不足とかがあったほうが、心情的に感情を乗せられるような気がします。あと、サンプリングでしょうか、メロトロンの音が非常に薄っぺらいというか、深みや趣がないのが非常に残念です。

M1「Midnight Madness」は『Garden Shed』でも冒頭に収録された曲でした。エレクトリック・ピアノのコード・ストロークやオルガンの音色など、とても懐かしく感じます。YesのようなGenesisのようなメロディと、爽やかだけどのんびりした美しさが、いかにも英国風です。メロトロンの音がスッキリしていて、演奏にもライヴにしてはダイナミックさがなく、こじんまりとした感じがします。

M2「Three Piece Suite」はメロトロンのイントロで始まりますが、なんだか無理してメロトロンを使ってるような印象を受けてしまいました。このメロトロン・パート、べつになくてもいいんじゃないかと。オルガンがいかにもイギリスな音。明るく爽やかにすら感じられるメロディとコーラスにもかかわらず、どこかのんびりしたおだやかさと落ち着いた美しさがあるところも、やはりイギリス。中間部では哀愁のギター・ソロが奏でられますが、ここの音が薄いのが残念。メロトロンも鳴っていますが、全体に音圧が低い感じです。スタジオ録音盤で話題になったメロトロンによるコード・ストロークも、サンプリングのメロトロンだとけっこう平凡で、あまり意味がない感じがします。歌メロの可愛らしさは魅力的だけど、ファルセット・ヴォーカルは自分の好みにはちょっと合いません。

M4「Yellow」はRenaissance(ルネッサンス)Illusion(イリュージョン)などにも通じるトラッド風シンフォニック。イントロのメロトロンがもっと深みのある音で鳴ってくれていればと、とても残念です。曲自体は、朝日が昇るのを草原で眺めているような、爽やかで透明な感じがあって素敵です。

M5「Poisoned Youth」もメロトロンの鳴りの悪さが曲の魅力をずいぶん落としているように感じます。とくに序盤は、メロトロンを鳴らしたいがためにつくった曲・アレンジじゃないかと思うくらいにメロトロンが大きくフィーチャーされている分、よけいにサンプリングの薄っぺらさが残念です。Englandの曲には可愛らしい印象があるものが多いように思うのですが、メロトロンが活躍するこの曲の序盤はゴシック風というか、いかにもヨーロッパらしい暗く沈んだ重厚さがあります。中盤以降はメロトロンが後退し、Englandらしい人懐こさと、イギリスらしいどことなくユーモラスな感じをたたえた軽快なものになります。その軽快さにすっかりなじんだころに突如メロトロンが再登場してメロトロン・ファンを喜ばせる構成になっているのですが、これまた薄っぺらい音で残念です。メロトロンの音に乗せてメロディアスなギターがソロをとるのですが、このメロトロンがもっと分厚く綺麗に鳴っていたなら、このパートがもっとドラマティックに感じられたでしょうに。

M7「Open Up」は新曲でしょうか。『Garden Shed』には入っていなかった曲です。テクニカルなオルガン・プログレ風に始まり、もしかしたらEmerson, Lake & Palmer(エマーソン・レイク・アンド・パーマー。ELP)のようになっていくのかと思ったら、ヴォーカル・パートは1970年代から80年代にかけてのディスコ・ミュージック風というか、「Susie Q」などにも通じそうな妙にいなたさのある軽快なロックになってしまい、その落差がおもしろいといえばおもしろいです。

M8「The Imperial Hotel」(帝国ホテル?)も『Garden Shed』には入っていない曲。スタートはほんのりGenesisの香りのするEnglandらしいポップ・プログレといった感じ。途中、シャッフル・ビートのシンフォニック・パートではギターがブルージーな演奏を聴かせ、そこではなんとなくPink Floyd(ピンク・フロイド)を思い出したりしました。この曲はどうやら『Garden Shed』以前につくられたものらしく、実際ヴォーカル・パートなどは『Garden Shed』よりも前の時代のロックの匂いがします。『Garden Shed』で感じられた彼らの魅力、人懐っこさと、英国の風景を思わせるおおらかでのんびりした感じが、この曲からはあまり感じられなくて残念。ヴォーカル・パートにはさまれるように、スローなエイト・ビートに乗ったギター・ソロが何度か入ります。ここはいかにもシンフォニック・プログレ風の哀愁が立ち込めていて、前後の普通にロックなヴォーカル・パートとの対比が変な感じです。






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