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2007/06/12

PINK FLOYD / THE PIPER AT THE GATES OF DAWN (1967)

いわずと知れたPink Floyd(ピンク・フロイド)のデビュー・アルバムで、グループの創設メンバーであり2006年に亡くなったロック・レジェンド、Syd Barrett(シド・バレット)主導によるPink Floydの唯一の作品。、Sydの脱退後、主導権がRoger Waters(ロジャー・ウォータース)David Gilmour(デイヴィッド・ギルモア)に移ってからのPink Floyd作品とは、ずいぶん趣が違います。

Pink Floydは自分がプログレッシヴ・ファンになるきっかけになったグループで、それもあってか自分の中では非常に好きなグループであり、特別なグループでもあったりするのだけど、実はこのファースト・アルバムはそんなに好きではなかったというか、あんまり興味がありませんでした。「Astronomy Domine」は名曲だけど、それ以外の曲にあまり魅力を感じなかったのですね、以前は。

そんなわけで、このアルバムは学生時代にLPから録音したカセットテープを持っているだけで、LP自体も、CDも、持っていなかったんです。しかし先日、アメリカ盤のCDが中古で安く売っているのを見つけまして、入手しました。そしてひさしぶりに聴いてみました。

いいじゃん!

「Astronomy Domine」や「Interstellar Overdrive」はもちろんですが、それ以外の小曲も古いブリティッシュ・ポップらしいあたたかみとおだやかさを感じるメロディを核に、どこか奇妙なポップ感覚があふれていて、非常に魅力的です。そして、それを包み込むサイケデリックなアレンジ。

いまの音楽のように多種多様なシンセサイザーやコンピュータを駆使しているわけではなく、鍵盤楽器はオルガンとピアノだけ。そこに、ロック・グループの基本形態であるギター、ベース、ドラムスが加わる。たったこれだけのシンプルな編成にもかかわらず、そこから生み出される音色の、音が映し出す映像の、なんと多彩できらびやかなことよ。もちろん、テープ・エコーやスプリング・リヴァーブといった当時の「イマジナリーな音をつくるアタッチメント」は活用されているのだけど、21世紀のアタッチメントにくらべるとできないことだらけの道具です。でも、「できること」を上手に組み合わせ活用するそのアイデアと工夫が素晴らしい。

崩したアルペジオを中心に、ラフに弾かれるエレキ・ギター。リズムの取り方が微妙にランダムで、変なグルーヴを生み出してます。Sydって、リードらしいリード・ギターは弾かないんですね。いわゆるギター・ソロのようなものがない。それよりも、曲に彩を与える音素材のひとつとしてエレキを使っているように感じます。ああいう演奏って、彼以外ではあまり聴かないかも。アコースティック・ギターのほうは普通にコード・ストロークだったりしますが。

Rogerのベースも、このころはかなり音数が多いし、動きも多い。1970年代も後半あたりになるとルートとそのオクターブを4分で弾くだけみたいな演奏も増えてくるのですが、このアルバムではドラムと一緒にリズムを刻み、ギターと一緒にアルペジオを奏で、ギターやオルガンとともにメロディもフォローするなど、さまざまな役割を演じます。

Nick Mason(ニック・メイスン)のドラムも個性的。ロック・ドラムによくある強拍を強調するのではなく、まるでアルペジオを刻むようにタムタム(かな?)をボコボコと叩く。そしてときおり、意識を覚醒させるかのようにシンバルの響きが飛び込む。なんだか、古い民俗音楽のような、未開の祭りのような、独特の雰囲気が生まれます。

こうした個性の強いギター・ベース・ドラムスを包み込むように、幻想的で視覚的な音色を響かせるRichard Wright(リチャード・ライト)のオルガン。けして難しいことはしていないのだけど、Pink Floydのサウンドを鮮やかに色付けします。

この4人の奏でる音・演奏が、渾然一体となってPink Floydという強い個性を演出する。ラフに聞こえるリズムや演奏も、実はアンサンブルとしてしっかりと完成されている。彼らの演奏のなかには、余分な音やフレーズなんてぜんぜんないのですね。どれかひとつの音やフレーズが欠けてもPink Floydの音楽は完成しない。それが強く感じられました。



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コメント

シド時代のピンクフロイドってカラフルですよね(^-^)
シングルのみの曲も名曲揃いだと思います。

投稿: shun | 2007/06/12 22:02

うん。そんでもって、いかにもイギリスらしいポップ感があるのね。自分は古いイギリスのポップ風味がけっこう好きなんだなということにあらためて気づいたりする今日この頃です。

投稿: もあ | 2007/06/13 09:21

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