ALIEN / ALIEN (1993)
1986年にギタリストのTony Borg(トニー・ボルグ)を中心に結成され、1988年にアルバム・デビューしたスウェーデンのロック・グループAlien(エイリアン)のサード・アルバム。一時、北欧メタルに興味があった時期があり、おそらくそのころに購入したのだと思います。
北欧メタルといえば、Europa(ヨーロッパ)やYngwie Malmsteen(イングヴェイ・マルムスティーン)、Silver Mountain(シルヴァー・マウンテン)、Biscaya(ビスカヤ)といったグループが思い出され、そこからクラシック・ミュージック的な美しくドラマティックな構成やメロディ、演奏スタイルを持った力強いロックのイメージを自分は想像します。でもAlienの音楽は、もっとポップでやわらかく、ヨーロッパというよりはアメリカの匂いのほうが強いように思います。1980年代後半から90年代くらいにかけての、明るく渇いたアメリカン・ロックの音。ライナーには「彼らの真骨頂とも言うべき叙情的なメロディを配した美しいハード・ロック」と書かれているけれど、叙情的には感じられません。デビュー当時に以前からのファンに「アメリカに魂を売った」などとなじられたAsia(エイジア)のほうがよほど叙情的でユーロピアンですね。
にょろにょろとしたギターのフレージングや、派手でカラフルなキーボードの音色が、いかにも産業ロック全盛期を通り抜けたアメリカン・ロックぽいです。ほどよく力強く、ほどよく元気で、なんとなくSurvivor(サヴァイヴァー)とかGiuffria(ジェフリア)とかを思い出したのだけど、これらのヒット・グループにくらべると曲そのものの持つ魅力が薄いのですよね。印象的だったりキャッチーだったりするメロディがあまりないからでしょうか。M8「Strong like a warrior」のギター・ソロの最後にDeep Purple(ディープ・パープル)の「Child in time」のフレーズが入ってて「あれ?」と思ったりするけど、それだけ。M9「Song of a renegade」はなんとなくStyx(スティックス)の「Boat on the river」を思い出させるけど、曲と演奏の持つ厚みや深みといった部分でStyxにぜんぜんかなわない感じがするし。
2005年にもアルバムをリリースしてるので、グループはまだ活動を続けてるのかもしれません。いまはどんな音楽を演奏しているのか知らないけれど、少なくともこのアルバムは「そういえば自分の学生時代はこんな感じのアメリカンなロックが大人気だったよなぁ」といった印象を強く感じます。というか、そういった印象しか残りませんでした。
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