VELVET / VELVET (2007)
2007年のサンレモ音楽祭参加曲「Tutto da rifare」を収録した、ローマ出身のロック・グループVelvet(ヴェルヴェット)のアルバムです。
このグループ、自分の記憶からはすっかり消えていたのですが、2001年のサンレモ音楽祭新人部門と2005年のサンレモ音楽祭グループ部門にも出場したことがある、そこそこの中堅グループだったのですね。グループ結成は1998年、シングル・デビューは2000年、アルバム・デビューは2001年だそうで、このアルバムはもう5枚目くらいになるようです。
う~ん、他のアルバムは聴いたことがないのだけど、みんなこんな感じなのでしょうか。
1曲1曲は悪くないと思います。サンレモ曲のM2「Tutto da rifare」に代表されるような、ミディアム・スローで古いブリティッシュ・ポップ・ロックのようなノスタルジックでちょっと切ない系の構成&メロディを持った曲が多く収録されています。というか、ほとんどがそういった感じの曲です。率直にいって、ヴァリエーションが少なすぎです。
もちろん、なかにはガチャガチャしたエレキ・ギターのストロークが古いパンキッシュなハードロックのようなM3「Ad ogni respiro」のように、ノスタルジィ&センチメンタルとは違う方向の曲もあるのですが、そういった曲は、曲自体の魅力が微妙に薄い。やはり彼らの魅力はミディアム・スロー系のノスタルジック・センチメンタルな曲にあると思うのだけど、聴いているうちにどれもが同じ曲に聴こえてきてしまいました。しかもM7「Ora」なんて、タイプとしては彼らの魅力が出やすいミディアム・スローのノスタルジィ系なのに、メロディや構成が悪いのか、ぜんぜん魅力を感じない。というか、7曲目の段階で「こういった感じの曲はもういいよ」という印象になってしまいました。
バックでルーズに刻まれるエイト・ビート。薄いディストーションにエコーをかけてゆっくりとしたアルペジオ風にコードを鳴らすエレキ・ギター。1960年代後半から70年代くらいのブリティッシュ・ポップ・ロックを思い出させるような、やわらかく、ほどよくあたたかく、やさしい郷愁と哀愁を感じさせるメロディ。ときにパンキッシュになったりガレージ・ロック風になったりもするけれど、それらにもオールド・ロック風の懐かしさを感じます。なので、1曲ごとに聴けばけっして悪くないのだけど、アルバムを通して聴くと、自分にはどれも同じに聴こえてしまう。そのため、途中で飽きてしまいました。Velvetらしい個性としてノスタルジィ&センチメンタルを振りまきつつ、メロディやリズム、アレンジ等に、もっとヴァリエーションがあったらなぁと思います。
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