週末映画&音楽
■ベッカムに恋して■
サッカー・ワールドカップでイングランドのデヴィッド・ベッカム人気が急激に高まったころに制作され、こんなタイトルで日本公開されたため、たぶんいろんな意味で損をしてるんじゃないかと思われます、この映画。ちなみに原題は『Bend it like Beckham』だったかな。「ベッカムのように曲げろ」という意味。ベッカムが蹴りだす、きれいに弧を描いて敵がつくった人の壁を飛び越え、ゴールにボールが吸い込まれるフリーキックのように、さまざまな障害をしなやかに飛び越えてゴールをめざしたい、主人公の気持ちが重ねられているのでしょう。ベッカムに憧れるサッカー好きな女の子がプロ選手になる夢を追うという、それだけのことといえばそれだけのことなのだけど、主人公をイギリスに住むインド人にし、親友にはイギリスの一般家庭の娘を、コーチにはアイリッシュ系をという異なった背景を持たせ、それぞれの「イギリスにおける地位や文化」を織り交ぜつつ細かいドラマを積み重ね、大枠では愛情と友情と夢と希望と躊躇と困難と克服と未来を丁寧な流れのなかで描いた素敵な青春映画であり、成長の物語なのですわ。若いって、いいな。
■アカルイミライ■
すみません。なんだかわかりませんでした、この映画。なにを、どう感じればいいのかしら。浅野忠信さんの役どころも意味がよくわかんなかったし、オダギリジョーさんも、芝居はなんだか迫力があったけれど、役柄的にはよくわかんない。藤竜也さんはひさしぶりに見た気がする。ドククラゲに託された意味は? クラゲは海へと逃げて(帰って?)いくのだけど、オダジョーはどこへいったの? 一緒に強盗に入る不良少年?グループの中に松山ケンイチくんを発見。いろいろ出てるのね。
■親切なクムジャさん■
13年ですか。執念深いですね、クムジャさん。そもそもクムジャさんと犯人は、最初から共犯だったわけではないんですよね? いくつもの誘拐事件に以前からかかわっていたのではなく、あの誘拐事件のときに巻き込まれただけなんですよね? 違うのかな。なんだか、そのあたりがよくつかめなくて。突然巻き込まれたのだとしたら、どうやって刑務所内から彼を特定できたのだろう。誰が娘をオーストラリアへ幼女に出したのだろう。それとも、以前の事件にも関係していたのなら、主犯がのうのうと世間にいるのはむかつくとはいえ、自分も犯人グループの一味であるわけだから服役は当然で、あそこまでの復讐をする理由がよくわからない。あれ? あの事件が最初で、服役中に別の事件がおきたのかな。そういえば犯行年度が説明されていたけれど、あまり意識してなかった。全体として、悪くはなかったけど、まぁこんなものかなといった感じでした。最後、ケーキに顔を突っ込むシーンでは「ドリフかよ!」とか思ってしまった。劇中、随所に挿入される「語り」は、年老いたジェニーなんですかねぇ。だとしたら『薔薇の名前』みたいだ。
■マーサの幸せレシピ■
レストランもの映画には、画面に出てくる料理が美味しそうなものとそうでないものがあるのだけど、この映画は美味しそうな部類(ちなみに『ディナーラッシュ』の料理は美味しそうじゃない)。とくにイタリア人コックのマリオがつくる料理は、そしてそのセッティングは、イタリア人っていいなぁ、イタリア料理っていいなぁと、素直に思ってしまいます。話自体はものごとに細かすぎて神経質な女性シェフ・マーサと姪っ子の心的交流&ふたりの精神的成長がメインですが、そこにマリオが果たす役割が、ドイツ人のイタリアに対する憧れ(とある種の幸福な誤解)を端的に表わしているようで、微笑ましい。階下の男性の存在があまり意味がなかったのが残念。彼にもなにかもう少し役割がほしかったところ。
■FRANCO BATTIATO / IL VUOTO (2007)■
最近のFranco Battiatoのアルバムのなかでの最高傑作という声もあちらこちらで聞かれるこの作品。うむぅ、そうなのかぁ。自分はどうもFranco
とはあまり相性がよくないみたいで、もちろんなかには「素敵だな」と思うものも少なくないのだけど、そうでないものもたくさん。で、このアルバムは、あんまりよさがわからないというか、自分の好みとはちょっと違うものでした。なんか、歌メロに魅力を感じないのですよねぇ。バックのフレーズにはFranco
らしい上品な美しさのあるものもときどき出てくるのですが。あと、シンセサイザーの多用が、自分の好みと合わないのかなぁ。とくに「古いジャーマン・プログレですか?」みたいなシンセの使い方は、自分は苦手です。
■FSC / FSC (2007)■
2007年のサンレモ音楽祭新人部門に出場したFSCの、たぶんデビュー作。このグループ、Franco Battiatoとも交流があるようですが、Franco
の音楽性とはあまり類似性を感じません。ここ数年でたくさん出てきたブリティッシュっぽいノスタルジックなメロディを振りまくグループのひとつといったところでしょうか。懐かしい感じが強いけど、コードの使い方や進行に洒落た部分があるので古臭くはならないところがうまいなとは思います。ここのフレーズや曲を聴く分には心地よいけれど、曲調にあまり幅がない感じで、だんだんどれも同じに聴こえてきてしまい、アルバム後半に入る頃には少し飽きちゃった。
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コメント
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投稿: アーティクルサイトジャパン | 2007/04/17 11:33