PAOLO MENEGUZZI / MUSICA (2007)
Paolo Meneguzzi(パオロ・メネグッツィ)のデビューは2001年の『Un sogno nelle mani』だと思っていたのだけど、実は1990年代に南米のチリでアルバム・デビューしてたのだそうです。本名もPaoloじゃなくてPabloらしいのですが、もしかして南米生まれなんでしょうか? だからどうだということはないのですけど。南米時代のことはオフィシャル・サイトのバイオグラフィに書かれていないのでよくわからないのですが、Wikipediaによると1997年から1999年の3年間に毎年1枚ずつ、計3枚のアルバムがあるようです。
イタリアン・ポップス・シンガーとしてのPaoloのデビューは2001年のサンレモ音楽祭新人部門参加&参加曲を収録したアルバム『Un sogno nelle mani』からといっていいのでしょう。サンレモ曲の「Ed io non ci sto piu'」はブリティッシュ風味のまぶされたよくある感じの曲で、これといってどうといったことはなかったのですが、アルバムのほうはほどよい明るさと軽さ、哀愁がバランスよく混ぜ合わさった、あたたかいポップスといった感じで、けっこう好きでした。
ところがイタリアでのセカンド・アルバムとなる『Lei e'』(2004年)では、R&Bベースのポップス・ブームに乗ってか、はたまたR&Bベースのポップスで大成功したTiziano Ferro(ティツィアーノ・フェッロ)に影響されてか、一部のイタリアン・ファンが「Tizianoのパッチもん」と呼ぶくらい、Tizianoもどきな曲が多く収録されました。そういったタイプの曲は自分の好みとは違うので、この時点で彼に対する興味はほぼゼロになりました。なのでサード・アルバム『Favola』が2005年にリリースされても、完全にスルー。
ところがところが、2007年のサンレモ音楽祭のヴィデオを見ていたら、ふたたび参加したPaoloが歌った曲「Musica」が、なんだかとても気持ちがよかったのです。イタリアらしいやわらかなメロディとほのかな哀愁。徐々に盛り上がっていく構成。ヴォーカルにそれほど強い個性はないけれど、Paoloはもともと充分に聴かせる声と歌唱力を持っている人です。曲さえよければ、嫌いじゃないタイプ。そこでひさしぶりに彼のアルバムを購入したのでした。
M3「Ti amo ti odio」やM9「Aiuto」など、明らかにTizianoぽい曲はまだ残っていますが、『Lei e'』ほどR&B色はありません。それよりも、やわらかくあたたかい感じのイタリアン・ポップスが多く、自分にとっては好ましいです。それに、PaoloのヴォーカルにはTizianoほどの強いソウルや色気がありませんので、彼にとってもこういう曲のほうが合うように感じます。M5「Ho bisogno d'amore」やM10「Ore 3」など、ゆっくりしたテンポで、ほどよく明るく、ほどよくあたたかく、ほどよくやさしく、ほどよく哀愁のある曲に、イタリアらしい美しさを感じます。そしてやはり、Rosario Di Bella(ロザリオ・ディ・ベッラ)が提供したM2「Musica」は、ベタではあるけれど、やわらかな哀愁が漂っててなかなかいい曲だと思います。
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コメント
私もこの曲結構好きです。曲がいいのかな? Paolo本人はそんなに好きじゃないけど。チリでデビューしていたんですね、知りませんでした。
投稿: なこ | 2007/04/19 23:22
うん、曲がいいんだと思います。この曲を提供したRosario Di Bellaは、地味だけど心地のいいメロディを書くことが多いようなので、Rosarioのアルバムも機会がありましたらぜひ。
投稿: もあ | 2007/04/21 22:19