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2007/04/09

New Trolls Live で Concerto Grosso 三昧

4月7日(土)に川崎のClub Citta'で行なわれた「New Trolls with Strings Orchestra Concerto Grosso Live Encore」に行ってきましたよ。去年のまさかの初来日(しかもオケ入りConcerto grosso live)もビックリでしたが、再来日公演となる今回の目玉は、なんといっても世界初披露となる(らしい)新曲「Concerto grosso no.3」の演奏(もちろんオーケストラ入り)と、大事故で半身不随・もはや音楽界への復帰不可能かといわれたオリジナル・メンバーNico Di Paloの奇跡の復活・初来日でしょうか。

定刻の18時より10分ほど遅れて開演したコンサートは、まさに「Concerto grossoによる、Concerto grossoファンのための、Concerto grosso三昧コンサート」といった感じでした。途中で20分の(といいながらも実際は25分くらいあった)休憩をはさんだ2部構成で3時間半以上の長丁場。

オープニングは昨年と同じ「Nella sala vuota」でしたが、この時点ですぐにわかったことがひとつ。

「去年より音がでかい!」

新曲披露に向けての気合が音量に表われているのでしょうか、昨年より明らかに楽器の音がでかいです。バスドラが鳴るたびにステージ横のPAから風圧を感じます。

昨年のステージでは、第1部はバンドのみの演奏でポップな曲、ロックな曲などが聴けましたが、今回は2曲目の「Visioni」が終わった時点でステージにオーケストラが招き入れられます。オーケストラを担当するのは昨年と同じトウキョウ・ヴィエール・アンサンブル(http://www.t-vielle.jp/)。もちろん、女性奏者を中心にした編成です。そして、いよいよ今回の目玉、「Concerto Grosso 3」全曲(なんだよね?)演奏が始まりました。

「Concerto grosso 3」は全部で7つのパートに分かれています。演奏は1パートごとに行なわれ、それぞれのパートの前にVittorio De Scalziが簡単な曲紹介をします。で、初めて聴いた「Concerto grosso 3」の感想なんですが、う~ん、こんなもんかなぁといった感じです。とくにファースト・ムーヴメントなどは過去の「Concerto grosso」の劣化コピーみたいな印象で、あまりおもしろみを感じず。全体に、メロディ自体の持つ芳醇さというか艶やかさというかが、過去の「Concerto grosso」にくらべてかなり弱いように思います。今回の「Concerto grosso 3」って、Louis Enriques Bacalovは曲づくりにからんでるのかなぁ。たぶん、からんでないんだろうなぁ。

「Concerto grosso」って、New Trollsのディスコグラフィのなかではかなり特殊な作品だと思います。音楽的にも、アレンジ的にも。あのクラシック・フィーリングに満ちたたおやかなメロディと艶のあるオーケストラ・アレンジは、New Trollsのものというよりは、たぶんLouis Bacalovのものなんじゃないかと思うわけで。今回の「Concerto grosso 3」には、それを感じないんですよねぇ。クラシカルな装いはしているけれど、曲的にはかなりポピュラー・ミュージック的な要素が強いように感じられました。そういう意味では、New Trollsらしい音楽にオーケストラがついている、ともいえるのですが、そう考えたときに残念なのが、歌詞が英語であること。過去の「Concerto grosso」も歌詞が英語だから、踏襲したのかもしれませんが、そこを踏襲されてもなぁというのが正直なところ。

などという贅沢な不満もいくつかあるのですが、もちろんなかには魅力的なパートも多くあります。とくに終盤の、チェロが大きくフィーチャーされた曲はかなりかっこよく、むしろ「Concerto grosso」というタイトルがついていなかったほうが素直に楽しめたかもしれません。また、昨年は、とくにはじめのほうはオーケストラの音量が小さくてせっかくのストリングス・アレンジがよく聞こえなかったのですが、今回は最初からオーケストラの音量バランスもバッチリで、力強くも美しい演奏が聴けたのがよかったです。

休憩をはさんでの第2部は、「Concerto grosso 1」と「Concerto grosso 2」+α。こうやって聴くとあらためて「Concerto grosso 3」とはメロディの肌合いが違うと感じます。新曲初披露で多少のぎこちなさが残る「Concerto grosso 3」とくらべるのはどうかとも思いますが、「1」と「2」は昨年もほぼ同じメンバーで演奏されていることもあってか、トウキョウ・ヴィエールの演奏もこなれた感じとリラックスした感じがありました。そしてやはり、それぞれのメロディが美しく印象的。そういう点では満足のいくものでしたが、個人的な希望をいえば、これらは昨年のコンサートでも演奏されているし、第1部で「Concerto grosso」のタイトルを冠した新曲も演奏済みなので、第2部では昨年演奏しなかった曲、より本来のNew Trollsらしいポップな曲やロックな曲、せっかくNico Di Paloがステージ上にいるのだからたとえばアルバム『UT』からの曲などが聴きたかったところです。そういった曲がオーケストラ入りのスペシャル・アレンジで聴けたなら、かなり満足度の高いものになったのだけどなぁ。贅沢な望みですかね。ただ、事故の後遺症で左半身が思うようにならないNico Di Paloの熱演・熱唱は、けっして完全なステージ・アクトではないし、声も出きってはいませんでしたが、それでも感動的ではありました。

New Trollsのことを「プログレッシヴ・ロック」と思っているファンが多いという日本の事情に配慮して、プログレッシヴを中心にしつつも、New Trollsの本来的な魅力であるポップス、ロックもバランスよく配置した昨年のコンサートにくらべると、今回のコンサートはプログレッシヴ・オンリー、完全にプログレッシヴ・ファン向けでした。アンコールで「Una miniera」は演奏されたものの(最終日には「Il treno」の演奏もあったらしい)、ポップス・グループとしてのNew Trollsの作品も含めて「New Trollsが好き」なファンには、ものたりない部分もあったのではないかなと思います。New Trollsファンのためのコンサートというよりは、「Concerto grosso」ファンのためのコンサートといった感じでした。

昨年、ノリノリの演奏で多くのファンの心をつかんだトウキョウ・ヴィエール・アンサンブル前列右端のヴァイオリニスト、武内いづみさん(http://blog.livedoor.jp/visionmusic/)は、今年は少しおとなしい感じでしたね。2回目の公演で余裕なのか、チェロも弾くマエストロ(指揮者)のキャラなのか。その横で、昨年は「つらそうな表情」で演奏してた(とBlogに書いたらご本人さんに見つかってしまった ^^;)Jam Strings(http://blog.livedoor.jp/jose0917/)のみっきぃさんこと石内幹子さんは、今年は笑顔がたくさん見られました。演奏中はあいかわらず真剣な表情でしたが、つらそうではなかった(笑)。となりのいづみさんに笑いかけるときの表情や、エレガントな衣装が素敵でした。って、いったいなんのレポートだよ!

■第1部■
Nella sala vuota
Visioni
Concerto Grosso 3
 (7つのパートごとにタイトルがついてましたが、覚えられず)

■第2部■
Concerto Grosso per i New Trolls
 1. Allegro
 2. Adagio
 3. Cadenza - andante con moto
 4. Shadows
St. Peter's day
Let it be me
Concerto Grosso 2
 1. Vivace
 2. Andante ( Most dear lady )
 3. Moderato ( Fare you well dove )
Quiet seas
Le roi soleil

■アンコール■
 La Prima Goccia Bagna Il Viso
 Una miniera
 Musica
 Vivace
 Adagio

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