« 2006年9月10日 - 2006年9月16日 | トップページ | 2006年9月24日 - 2006年9月30日 »

2006年9月17日 - 2006年9月23日

2006/09/22

ROBERTO GIGLIO / SEI NASCOLTO (2004)

1972年2月6日ローマ生まれのカンタウトーレ。たぶん、このアルバムがデビュー作だと思います。2003年のサンレモ音楽祭新人部門参加曲「Cento cose」が収録されています。

スキンヘッドなのに、ぜんぜんいかつさを感じないのは、顔立ちが実はとても優しいというか、もしかしてこの人ゲイかもと思わせる、ある種の可愛らしさがあるからでしょうか。声もほんのり甘くかすれた感じで、「スキンヘッド!」からイメージされる力強さや、ある種のパンキッシュなイメージは、彼の曲にはありません。それよりも、どちらかというとMassimo Di Cataldo(マッシモ・ディ・カタルド)などに通じるような、優しげな感じがあります。

曲調は全体的にポップスとロックの中間といった感じで、ミディアムからミディアム・スローなものが多く、比較的淡々としたメロディにシンプルなギターのバッキング、変なSE風に使われるキーボード、といった印象です。大きな盛り上がりなどはないのですが、フレーズには素直でなめらかなものが多く、イタリアン・ポップスらしいといえます。

M1「Sei in ascolto?」ではエレキ・ギターがミュートでミディアム・テンポの8ビートを刻み、M3「A volte zero」ではガチャガチャとコードをかき鳴らされます。リズムはけっこう単調で、シンプルなポップ・ロックになっています。

サンレモ参加曲であるM4「Cento cose」はアコースティック・ギターのストロークが中心で、イタリアらしい感じを持った、やわらかであたたかいポップスです。ただ、バックで使われるキーボードがSE風で、なんだか微妙な感じです。

M5「Terra e mare」はエレキ・ギターのストロークにちりばめられる透明なピアノの響きが印象的。スローなロックで、サビの歌メロとバックのアレンジ、コード進行はノスタルジックな感じです。また、エレキ・ギターが奏でる短い間奏は、ディストーションというよりはファズといった感じのひずみ方で、やはりここもノスタルジック。

またM6「Vai dove vuoi」でもギター・アンプのトレモロ機能を使ったエレキ・ギターの音が懐かしい感じです。最近のアンプに「トレモロ」なんてついてるのでしょうか? 曲そのものはシンプルでわかりやすいやわらかさを持ったイタリアン・ポップスなのですが、バックでシンセサイザーがグニョグニョと鳴っていて、なんかそれが自分はいやです。

M7「D'improviso」とM8「Io mai」は、リフっぽいギターのバッキングとカッティングがちょっといい感じ。とくにM8はサビでシンセサイザーがバックに入り、大きなメロディで一気にスペーシーになります。

ラストのM10「Vivo da me」はゆったりとしたリズムのバラード系で、おだやかなバックのアレンジにオーケストレーションも入り、しっとりとした叙情が漂います。バラード系とはいってもあまり甘さはなく、どことなく寂しげな印象があるところが好ましいです。

これといって突出した曲がなく、またシンセサイザーを変なSE風に使うのが自分の好みからするといまいちなのですが、ほどよくイタリアン・テイストがあり、歌声もほどよく印象的なので、ほどよく楽しめることでしょう。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2006/09/21

AMMUINA / TUTTO LO SPLENDORE DI UN RESPIRO (2006)

カンパーニア州サレルノ(Salerno)出身のニュー・グループ。このアルバムがデビュー作となります。大雑把にジャンル分けをすれば「ロック・グループ」となるのですが、いわゆる元気でやかましいロックンロールといったタイプではなく、憂鬱なアートを感じさせるような、たとえば音の感じはちがいますがDavid Sylvian(デヴィッド・シルヴィアン)などにも通じるようなニューウェーヴ系のものです。ジャズでもクラシックでも歌ものポップスでもないから、とりあえずロックにしておこう、といった感じでしょうか。

多用されるエレキ・ギターのクリーン・トーン。滴り落ちる水滴のように透明なピアノの響き。それらが水面に広がる波紋のように交わっていきます。どこか静謐で神聖にさえ感じられる瞬間を持ったギターとピアノのうしろでは、厚みのあるドラムとベースが力強いリズムを刻みます。そして、少し喉を絞められたような声で、淡い狂気と哀しみを秘めて搾り出されるかのごとく歌われるヴォーカル。このヴォーカルがときに、いびつな浮遊感と高揚感を持つのですが、そのときの様は初期のAlan Sorrenti(アラン・ソッレンティ)を髣髴させます。

盛り上がりの少ない淡々としたメロディ構成の曲が多く、バックの演奏も派手なドラマティックさなどはないのですが、ヴォーカルを含めたメロディ楽器の持つある種の静けさとリズム・セクションの力強さの対比が心地よく感じられます。サビなどの部分で効果的にコーラスが使われる曲や、シンセサイザーがファンタジックなオーケストレーションを演出する曲もあります。また、オーヴァードライヴで甘くひずませたエレキ・ギターが丸く伸びやかなフレーズを奏でるパートなど、Genesis(ジェネシス)England(イングランド)といったシンフォニック・プログレッシヴを思い起こさせますし、クリーン・トーンのエレキ・ギターによるアルペジオにシンセサイザーが薄くかぶるところなどではPink Floyd(ピンク・フロイド)などに通じる匂いも感じます。

イタリアのあるウェブサイトでは、彼らのサウンドからインスピレーションを感じるアーティストとして、Afterhours(アフテルアワーズ)Carmen Consoli(カルメン・コンソリ)Fabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ)Subsonica(スブソニカ)Pink FloydChopin(ショパン)の名をあげているのですが、なんとなくなるほどと思います。


| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006/09/20

DANIELE STEFANI / ADESSO O MAI

を聴きながら出勤しようと思って愛用のポータブルプレイヤーにCDを入れて家を出たのだけど、プレイボタンを押してもなぜか曲が始まらない。おかしいなぁと思ってリモコンのディスプレイを見ると「no disc」の文字。あれあれぇ、CDいれずに持ってきちゃったのかなぁとプレイヤーを明けてみると、そこにはCDがちゃんと入ってる。あらためてプレイボタンを押したけど、やはり表示されるのは「no disc」... なぜだ? 家にあるプレイヤーではちゃんと聴けたはずなのに。

そんなわけで今朝は音なしでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/09/19

週末に観た映画


■ファースト・ナイト■
たぶん、BSで放送されたもの。舞台の初日をひかえてナーバスになった女優の妄想が公開リハのあとに劇場前で自動車事故にあって死んだファンの少女の幽霊を生み出したお話? 役づくりへのプレッシャーがゴーストを呼び、過度のアルコールがそれを振り払った、ということなのかしら? なんだかよくわからなかった。

ポゼッション
10年以上前に地上波で夜中に放送されたもののヴィデオテープが残ってたので、ひさしぶりに。イザベル・アジャーニが非常に美しく、非常におそろしい。地下鉄の構内で牛乳をぶちまきながら暴れる様は圧巻。物語自体は、よくわからない。夫の長期単身赴任で情緒的に不安定になった妻の妄想が生み出した怪物のお話? ラストシーンはなにかの暗示に満ちているのだけど、それが示すものが自分にはわからなかった。


■ゴシック■
10年以上前に地上波で夜中に放送されたもののヴィデオテープが残ってたので、ひさしぶりに。監督はケン・ラッセル。たぶん、DVDになってない。詩人のバイロン邸に集まった、バイロンの友人で詩人のシェリーとその愛人メアリー(のちに妻となる)、メアリーの妹、医者のポリドリが、アヘンと嵐、幽霊小説、そして自らの中に持つ恐怖の作用で、狂気的な恐ろしい一夜を過ごすというお話。実話を含んだフィクションのようで、この夜がきっかけとなってメアリーは『フランケンシュタイン』を書き、ポリドリは『ヴァンパイア』を書いたのだそうだ。ストーリー的にはあまりに幻想的で、観る側も薬(アヘン)を服用したかのような精神状態にならないとついていけない感じはする。

ロマノフ王朝の最期
10年以上前に地上波で夜中に放送されたもののヴィデオテープが残ってたので、ひさしぶりに。ロシア氏に名を残す有名な怪僧ラスプーチンの話。なぜラスプーチンがあそこまで皇室の信頼を得ることができたのかについての描写がないので、どうも釈然としない。皇太子かなにかが難病で、ラスプーチンだけがそれを癒すことができたんだったっけ? まぁ、その辺は「一般的な教養人であれば当然知っているべき知識」なので、あえて描く必要なしということなのでしょう。自分にとってのこのあたりの歴史知識は池田理代子のコミック『オルフェウスの窓』がベースだったりするもので(^^;)、ユスーポフ侯はもう少し美青年のほうが良かったな。あと、日本語吹き替えがとても違和感。ラスプーチンの声としゃべり方が、なんかイメージと違う気がする。やはり外国映画は原語+字幕で観たい。


イノセント
地上波で夜中に放送されたのだったかな。それともBS? ルキノ・ヴィスコンティ監督作品らしい。貴族階級の夫婦を中心にした身勝手な愛憎と破滅の物語。登場人物の誰にも感情移入できず。ストーリーの中心となる夫婦のどちらもが非常にわかりやすく身勝手で、その「自分の気持ちに忠実」さ加減がまるで子供のようにイノセント。だから子供は嫌い。そのうえ、大人の狡猾さや世間体なども入ってきて、なんだかとっても嫌な感じが残ってしまった。セットや風景等の映像はとてもきれいなのだけどね。


ノートルダムのせむし男
DVDで。1939年の白黒映画。身勝手な伯爵と身勝手なジプシー女を中心にした愛憎と破滅の物語。クライマックスにおけるカジモドの反撃シーン、あれはやりすぎだろう、いくら理由があったとはいえ、あんなに死傷者を出したらカジモドもただではすまないだろう、と思ってしまうのだけど、あの時代で場所が教会だとそんなこともないのかな。なかなかおもしろかった。国王がヨボヨボすぎ。


阿弥陀堂だより
BSで放送されたもの。とくにこれといった物語も盛り上がりも事件もなく、淡々と終わっていきました。長野県の広報映画ですか?


| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2006年9月10日 - 2006年9月16日 | トップページ | 2006年9月24日 - 2006年9月30日 »