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2006年5月7日 - 2006年5月13日

2006/05/12

LA CRUS / OGNI COSA CHE VEDO


1993年にミラノで結成され、1995年に『La Crus』でアルバム・デビューしたポップ・グループ。ふたり組みなのかな。『Ogni cosa che vedo』は2003年にリリースされた5枚目(1996年のミニ・アルバム『Remix』を含めると6枚目)のアルバムです。

現在も活動中で、2005年には現時点での最新作である『Infinite possibilita'』というアルバムもリリースしているLa Crus(ラ・クルス)ですが、日本ではあまり聴かれていないというか、知られていない感じがします。いわゆる「イタリアン・ポップス」じゃないし、英米風味の売れ線ポップ・ロックでもない、ほんのりアンダーグラウンドな香りが漂うところが日本のイタリアン・ミュージック・ファンにあまり受けないのかもしれません。

彼らの魅力は、自分にとっては間違いなく、そのヴォーカルです。David Sylvian(デヴィッド・シルヴィアン)のような、あるいはHyde(ハイド)のような、低く抑えた声で粘っこくセクシーに歌うスタイル。そういえば自分、Japan(ジャパン)もL'Arc~en~Ciel(ラルク・アン・シエル)もけっこう好きだったりするのだわ。彼らのヴォーカルには、なぜだか強くヨーロッパを感じてしまうのです。

曲自体はデジタルなリズム(基本的にリズム・ボックス使用)の上にシンセサイザーによる硬い音色のオーケストレーションが冷たく、かつ美しく広がり、危険な美しさを振りまくかのようなヴォーカルがヨーロッパのどんよりとした退廃美を演出する、といった感じでしょうか。かといって妙に重かったり暗かったり耽美だったりということはなく、ほどよくポップです。ミュートをかけたサキソフォンなども導入され、ヨーロッパらしい哀愁も加味されたりします。

M4「Come una nube」ではガット・ギターを使って明るく軽快な感じを出したりもしますが、それでも明るくなりきれない、どことなく暗い影を断ち切れないといった雰囲気が、なんだか微笑ましい。でも、こういう曲よりは、スローなM8「Sembra un sogno」のような曲のほうが、彼らの妖しい魅力を持つヴォーカルを生かせますね。

比較的淡々としていて盛り上がりの少ない音楽なのですが、彼らの落ち着いた歌声はなんだか心地いいです。もう少しロック色が強くて曲の構成にメリハリがあると、さらに好ましいな。


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2006/05/11

タイとアフリカ、どっちもうまいぞ


今週末(5月13日・14日)は代々木でタイ・フェスティバルですよー。今年で何回目になるのかな。以前はタイ・フード・フェスティバルだったと思うのだけど、いつのまにか名称から「フード」がなくなってました。ライブがあったり雑貨などが売っているほか、やっぱりメインの楽しみはタイ料理の屋台がたくさん出ること。いろんなものが一皿500円くらいで食べられます。うまい。

ただ、前は毎年出かけていたのだけど、ここ数年であまりにも来場者の数が多くなり、会場が人だらけ・ごみだらけになってしまったので、去年は行かなかった。たぶん、今年も行かないだろうな。手軽に美味しいものが食べられるのは魅力なのだけど、人がたくさんいるところは疲れてしまうのよ。

来週末(5月20日・21日)は日比谷でアフリカン・フェスティバルですよー。こちらも今年で数回目なのだけど、雑貨や料理屋台が出てて楽しいです。コンサートもあったりするし。それになにより、タイ・フェスティバルにくらべるとまだ来場者が少なめで、いくぶん余裕があるのがありがたい。屋台で売られている料理もなんだか家庭料理っぽくて素敵。こっちはたぶん、今年も行くな。タイ・フェスティバルのように人だらけになっていないことを望む。

ちなみにお盆の時期には毎年、麻布十番納涼祭りに出かけて、ワールドバザール会場でいろんな国の屋台料理を食べるのが何年も楽しみだったのだけど、いまでははタイ・フェスティバル以上に身動き取れないほど混雑する祭りになってしまい、ここ数年行ってない。

求む! タイ・フェスティバル、麻布十番納涼祭りに代わる「ちょっとめずらしい国・地域の料理を屋台でいろいろ食べられる」屋外の祭り!

そういえばドイツ祭りなんてのも数年おきにやっていた気がするのだけど、次はいつなのだろう?
そして、イタリア祭りはないのか? 川崎チッタ・デッラでやったようなしょぼいやつ(^^;)ではなく、もっと華やかで楽しげなやつは。

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2006/05/10

PROCOL HARUM / EXOTIC BIRDS AND FRUIT

Procol Harum(プロコル・ハルム)の8枚目のアルバム。前作が彼らの最高作との呼び声も高い『Grand Hotel』で、ここではオーケストラやコーラスを導入してクラシカルな雰囲気を強く出そうという意識が見えましたが、続くこのアルバムではもっとリラックスして、もともとの彼らの持ち味である世俗的でいなたい、だけどイギリス風味たっぷりのロックが中心になっています。もともと「ロック・ソング・アルバムに立ち戻ろう」という掛け声のもと制作が進められたそうなので、当然ですね。

M1「Nothing but the Truth」はおなじみのピアノとオルガンをバックにしたロックン・ロール。力強くも味わい深いGary Brooker(ゲイリー・ブルッカー)のヴォーカルが楽しめます。控えめに使われるエレキ・ギターとオーケストラもいい感じ。なんということのないロックン・ロールでありながらも、大英帝国的な、ヨーロッパ的な香りが醸し出されてしまうところが魅力的です。

M2「Beyond the Pale」はいっそうヨーロッパぽいピアノ・ロック。古い街角楽師風の寂れた哀愁がうっすらと漂います。

M3「As Strong As Samson」ではオルガンのバックを中心にミドル・テンポのロックを演奏しています。やっていることはどうということのない地味なものなのだけど、なぜかやたらと派手に聴こえるアレンジが懐かしい感じです。なめらかなメロディ・ラインに乗るヴォーカルにはひなびた哀愁があり、いかにも英国風。イギリス風というよりも、英国風と表現したい感じ、なんとなくわかるでしょうか。歌メロの途中まではマイナー・コードで来るのだけど、最後はメジャーで終わるのが好ましいです。

M4「The Idol」もピアノのバックを中心にしたProcol Harumらしい英国の雰囲気たっぷりなロック。どことなく田園風なのんびりとした香りのするGaryのヴォーカルをクラシカルなオルガンがサポートし、一瞬ゴスペル風な匂いもさせつつも、あくまで世俗っぽい、パブなどで聴けそうな感じを残しているのが、いかにも彼ら風。

M5「The Thin Edge of the Wedge」はここまでの雰囲気とずいぶん違った曲。ピアノ、ギター、オルガンを中心に、動き回るベースがうっすらとブルースやジャズの風味を見え隠れさせ、いなたい怪しさ満載です。古い探偵ものドラマのバックなどに似合いそう。

M6「Monsieur R. Monde」ではピアノとディストーション・ギターを中心にした少し粘りのあるロックを聴かせてくれます。1970年代初頭のロックの香りですね。Creedence Clearwater Revival「スージーQ」とかにも通じる曲想でしょうか。

M7「Fresh Fruit」はミディアム・スローののんびりとしたブルース・ロック。マリンバの導入や、犬の吠え声のものまね?なども入り、なんだか楽しげです。

M8「Butterfly Boys」はピアノを中心にしたパブっぽいロック。後半のブルージーなギターがいい味わいを出しています。

M9「New Lamps for Old」はオルガンをメインにしたのんびりとおだやかな曲。ときどき入るギターのフィルインが世俗っぽさを加えます。こののんびり感がとても英国風ですが、彼らの醸しだすのんびり感は、田園風というよりは、やっぱり夜の酒場風。

M10「Drunk Again」は... おっと、最寄り駅についてしまいました。時間切れです。この曲についてはPensiero! websiteに掲載するときに追加しましょう。

全体的に、Procol Harumの音楽としかいいようのない曲ばかりが収録されています。ほんのりクラシカルで、だけどエレガンスというよりは世俗っぽい身近さがたっぷりで、イメージの中にある古いヨーロッパのパブにあるような、ひなびた哀愁と他愛のない楽しみがゆるゆると漂っているような、そんな音楽。とくにアルバム後半は「青い影 (A Whiter Shade of Pale)」とはだいぶ雰囲気の違う、Procol Harumらしい、いなたい系英国ロックになっています。その点で、アートな雰囲気のあるジャケットとはイメージが違いますね。ほどよく力が抜けた愛すべき作品だと思います。


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2006/05/09

麻薬調査犬が足を踏んでいった

長い髪をうしろでまとめ、口ひげをはやし、薄く色の入ったレイバン型の眼鏡をかけ、赤系のちゃらちゃらした柄シャツを着た小太りの、いかにも“何か”を運んでそうな怪しい雰囲気を持ったおっさん...

はい。おいらのパスポートに貼ってある写真です。自分で見ても怪しいと感じます。ていうか、こいついったい誰やねん?

おいらのパスポートは10年有効のもので、来年の秋に有効期限が切れます。つまり、この写真はおよそ10年ほど前に撮られたものなのですが、その後おいらはひげを剃り、眼鏡を替え、体重を10キロほど落とし、髪は長いけれど結ばずにヒラヒラさせているわけで、どう見てもパスポートの写真と同一人物には思えない。自分で見てもそうなのですから、過去のおいらを知らない各国入国管理官・税関職員等が不審に思ってもしかたがありません。

そんなわけで海外旅行に行くたびに、いろんな国のイミグレ(日本含む)で「おぉ!」とかいわれたり、笑われたり、にらまれたり、困惑されたりします。成田のチェックインカウンター入り口の職員に、なぜか自分だけ「グッド・モーニング」と挨拶されたり(他の日本人には「おはようございます」と声をかけているのに)、ソウルで日本人観光客に「ピクチャー・プリーズ」とお願いされる(いや、日本語わかりますから)なんてことも、もう慣れました。

いつもは不審がられたり困惑されたりしても、これといって引き止められることなく入国できていたのですが、今回は税関で止められた。

5連休のあいだ、オーストラリアのパースに行ってきました。たったの5日間しか休めないうえ、最終日は午前中に帰国したかったこともあり、日本発が夜便(到着は翌朝)しかないカンタスではなく、シンガポール経由のシンガポール航空で行きました。これだと午前中に出発して、その日のうちの夜遅くにパースにつきます。

これもまずかったのかもしれない。

オーストラリアは食べ物や薬の持込などに対する規制が非常に厳しい国です。入国カードにはさまざまな持ち込み禁止物・制限物が明記され、これらを持っている人はチェックをつけなくてはなりません。たいていの旅行者の場合、ここでチェックするのは「ドラッグ」の項目のみ。風邪薬とか頭痛薬とか持っていることは多いですから。入管側も慣れたもので、「ドラッグ」のみにチェックがある場合は「メディシン(頭痛薬とか)か?」と口頭で聞いて、「そうだよ」と答えれば「OK」といって入国カードに印をつけてくれ、その後の税関ではとくにチェックとかされずに入国させてくれました。これまでは。

しか~し。

今回は止められましたよ。入管はいつもどおりに印をつけてくれ、申告なしの列に行けといってくれたのですが、税関職員に申告ありの列へ誘導され、持ち物全部チェックされました。手荷物も、旅行バッグも。

今回は、これまでにも増してチェックが厳しかった。入管待ちの列にも麻薬調査犬(だと思われる)が何度もきてチェックしてたし(手に持っていたパスポートと入国カードを鼻で突かれました)。世の中が物騒だからでしょうか。

そして、税関。パスポートのこれまでの渡航暦を詳細に調べられ、バッグの中身をすべて出され、持ち物について説明させられ、財布や歯ブラシなどは何か特殊な装置(たぶん、麻薬等のチェックに使うのだろう)でスキャンされ、バッグ内の隅とかも入念に調べられ、空になったバッグもスキャンされ...

さらには口頭による質問もたくさん。パースに来るのは初めてか、前回来たのはいつか、前回はどこに泊まったのか、そこの住所を覚えているか、パースに知り合いはいるか、パースでなにをするのか、前回はなにをしたのか、ロットネスト島にはどうやっていくのか、何日滞在するのか、なんでそんなに滞在日数が短いのか、などなど。

明らかに「ほんとは観光できたんちゃうやろ。だって、おかしいやないかい。こんな季節はずれに、しかもたったの3泊て、どういうこっちゃ。この3年で4回もオーストラリアきとるけど、どれも短期滞在やし。オーストラリア観光でこの短さはないやろ。そもそも、おまえはナニジンや? パスポートの写真とぜんぜんちゃうやんか。怪しい。こいつ、むっちゃ怪しい」(←なぜ関西弁? 係官は金髪のお姉さんでしたが)といった雰囲気満載です。

たしかにねぇ、とくにイベントもないこの時期に、日本では連休だけどパースではなんでもない時期に、わざわざ日本から来て、たった3泊して帰るなんて、怪しいですよ。パースってどちらかといえば滞在型の街なのに。しかも、日本のパスポートなのに、直行便ではなく、夜中に到着するシンガポール発の飛行機できてる。シンガポールから何か持ち込もうとしてるん、ちゃうんか?な雰囲気もあるわけです。

最終的にはすべての嫌疑?も晴れ、無事に入国できたわけですが、税関で30分くらい止められてしまいました。ただでさえ空港着が夜11時50分と遅かったのに。けっきょくホテルに着いたのは深夜の1時半過ぎ。眠いっちゅうねん。

そんなわけで入国でちょっとごたごたしましたが、その後の2日半のパース滞在はおだやかで気分のよいものでした。今回もちゃんと?キングス・パークで遭難しかけた(笑)し、ロットネスト島ではクォッカを間近にたくさん見られたし(何頭かにはさわってみました。ふわふわ。ほんとはさわっちゃいけません)。泳ぐには寒かったのが残念でしたが、浜辺ぎりぎりにまでエイがきているのも見たし。そして食べ物は美味しく、ワインやビールも美味しく、ほんとにたった3泊なんてもったいない。できれば1か月くらい滞在したいです。またこよう。今度はもう少し長い休みで、カンタスの直行便で。

帰りは空港に入ったところで髪をしばり、少しでもパスポートの写真の雰囲気に似せることにしました。その甲斐あってか、今回はとくに不審がられることもなく出国できました。次回からもそうしよう。

来年にはパスポートの書き換えです。写真も新たに取り直します。今度はもっと善良な市民に見えるよう、地味ないでたちで写真を撮ろうと思います。

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