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2006年3月19日 - 2006年3月25日

2006/03/25

歓迎してくれるお店はやっぱりうれしい

昨日は会社の送別会が会社近くの某イタリア料理チェーンでありまして、夕飯はそこで食べたわけです。イタリア料理とはいっても高級店ではありませんので、まぁ料理はそれなり。パスタなどは美味しくいただけましたが、魚は多少魚臭い。飲み放題のコースだったのでワインは得体の知れないグラスワイン赤白しかなく、こういう場合は白ワインのほうが失敗が少ないので白ワインをいただきました。まぁそれなりに美味しいテーブルワインといった感じで、パスタやピッツァなどとは合うのですが、魚介とはけっこうきつい組み合わせではありました。

18時過ぎから始まり、21時半過ぎに終了。料理はけっこうたくさんあり、お腹はいっぱいになったのですが、ワインが...

とくに2次会等もなく、かといってこのまま帰るには時間もまだ早めですし、ちゃんと美味しいものを飲んでいないのに中途半端に酔ってるのはなんだか悔しい。どこかできちんと美味しいワインを1~2杯飲んでから帰りたいなと思いまして、カーブ・イデアル「ラングル」に行ってみることにしました。

ラングルは、料理ももちろんですが、なんといっても抜群に美味しいワインを出してくれるお店です。美味しいワインを、しかもさまざまな種類のものを、グラスで出してくれるお店なのです。

先月の半ばくらいまではランチ営業をしていたので毎週のようにお昼を食べに行っていたラングルですが、思いっきり人手不足という理由もあり(昨日はシェフと支配人の2人だけで営業してました。それは大変そうだ)、いまは夜しか営業していません。なので支配人の中尾さんにもシェフの椎名さんにも1ヶ月以上会っていません。

金曜の夜ということで、もしかしたら満席で入れないかなとは思いつつも、扉を開けて中に入ってみたところ、幸いなことにひとつテーブルが空いていて、無事に席に着くことができました。そして、食事はしてきたのでワインと軽いおつまみだけというわがままな注文に、支配人もシェフも快く応えてくれました。

味わいのしっかりとした白ワインを、だけどお腹いっぱいなのであまり重過ぎないものをとお願いしたら、持ってきてくれたのはアンヌ・グロのオート・コート・ド・ニュイ。華やかな香り、余韻の長い豊かな味わい、しっかりした酸味。そうそう、こういうのが飲みたかったのですよ。

アミューズはハムのペーストが乗ったバゲット。やわらかなハムの甘みがふんわりと広がります。そして、白ワインと美味しいおつまみということで、ポークのリエットを出してくれました。リエット好き。ほどよく胡椒がきいていて、肉の旨みを引き立たせます。ワインとも美味しくいただけます。

美味しいワインと美味しいおつまみはやっぱり美味しいなぁと当たり前のことを思いながら楽しんでいると、ワインボトルを抱えた支配人登場。リエットにすごく合うと思うのですよと、ヴーヴレィをすすめてくれます。おぉ、このラベルは覚えているぞ。以前にランチのときに飲んですごく美味しかった、ほんのりにごり酒のようになっている微発泡性のワインではないですか。ぜひぜひください。

中尾さんはいつも美味しいワインをすすめてくれます。ランチでも、その日の料理に合わせていろいろと試しましたね。ベストマッチだったり普通だったりはしましたが、失敗はいままで一度もありません。今回も、リエットの旨みとワインのシュワシュワ感がめちゃうま。うん、オート・コート・ド・ニュイもとても美味しいワインだけど、このリエットにはこっちのヴーヴレィのほうが合います。さすが。

通路を挟んで向かいのテーブルでは、やはりひとりできている男性が、ワインを飲みながらなにやら白いものを食べてます。チーズかな? いや、あれは、ホワイトアスパラではないですか。うぅ、食べたいぞ。春はアスパラ、やうやう白くて美味しいぞ。お腹はいっぱいだけど...

「ねぇねぇ、あちらの方が召し上がってるの、あれ、ホワイトアスパラでしょ? 食べたいなぁ~」
「お腹のほうは、だいじょうぶですか?」
「う~ん、いっぱいだけど、アスパラでしょ。10本とか出てくるわけじゃないでしょ」
「じゃぁ、いっちゃいますか?」
「うん、いっちゃおう」

そんなわけで、アスパラもいただいちゃました。温製と冷製があるそうで、香り重視なら温製、旨み重視なら冷製とのことなので、今回は冷製を。ほどよい歯ごたえを楽しみつつ、オート・コート・ド・ニュイとヴーヴレィを交互に楽しんでいるところに、またまたボトルを抱えた支配人登場(笑)。今度は南仏の、やさしくやわらかい味わいの白ワインです。たしかにニュイとヴーヴレィだとアスパラには少し強い感じで、ワインの味がいくぶん勝ってしまいます。そこで、アスパラとバランスの取れるものを持ってきてくれたのです。

かくしてテーブルには白ワインが少しずつ入ったグラスが3つ並ぶことに。もう、どいつもこいつも美味しいです。南仏の白は日常飲みのテーブルワインといった風情がかえってアスパラを楽しげな味わいにしてくれます。おいら自身も酔いがまわってどんどん楽しくなっています。なんだか無駄に笑顔です。

アスパラうめぇ~と喜んでいると、支配人がなにやらすごく小さな鍋を運んできました。「シェフからです」と置かれた鍋の中身をのぞいてみると、そこにはホタルイカ。トマトと魚のブロードかなにかで煮たもののようです。まぁ、うれしい。トマトの甘酸っぱさとホタルイカの磯風味が口の中に広がると、そこはもう海辺です。そしてここにヴーヴレィを含むと、あぁ、地中海だ。リビエラだ。明るい陽射しと乾いた風、美しい風景、やわらかな海の香り。目の前に、昨年訪れたチンクエ・テッレの海が、リオマッジョーレで過ごした穏やかで素敵な日々が、地元の魚と地元のワインを楽しんだ美味しい食卓が浮かび上がります。

とても美味しかった。でも、さすがにお腹がいっぱいです。本当なら、シェフの料理をもっと食べたかった。隣の席の女性が食べていたホタテも美味しそうだったし。今度はもっとお腹をすかしてこよう。

最後に支配人おすすめのデザートワインをいただきました。ランチではいつも食事のあとにデザートもしくはチーズをいただきながら甘い食後酒を飲んでいたのですが、今日はもう、デザートは入りません。なので、デザート代わりになる食後酒を、デザートと食後酒の両方をひとつで完結できるようなお酒をと、ドライ・アプリコットにも似た味のする、非常に旨みのあるものを持ってきてくれました。たしかにこれ、ひとつで完結しています。逆に、これと合わせられるデザートを探すのが難しいといっていましたが、さもありなん。これは、甘いデザートと合わせるよりも、チーズとかフルーツとかを合わせたほうがいいだろうな。

そして締めはエスプレッソ。1杯目はほんの少しだけグラッパをたらして特性に、2杯目はストレートに。満足です。1日の最後に美味しいワインを飲んで、美味しいものを食べて、これ以上なにを望めるでしょう。

そしてなによりも、飛込みで行ったのに、レストランであるラングルに22時近い遅い時間に入店し、ワインとつまみしか頼まなかったのに、中尾支配人と椎名シェフが本当に自分を歓迎してくれたことがうれしい。食事って、なにを食べるかも大切だけど、どこで食べるか、誰と食べるかも大切なのです。自分はひとり客として入店したけれど、お店の雰囲気を楽しみ、他のテーブルのお客さんを眺めたり、支配人と合間合間に話したりできるこのお店では、ひとりで食べているという感じがしない。

美味しい料理と美味しいお酒、居心地のよい空間、そして、歓迎してくれるスタッフ。やはりここはお気に入りの店のひとつなのです。ディナー時間の営業のみなので、なかなかこれないのが残念だけれど、またこよう。というか、ランチ再開してくれないかなぁ。

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2006/03/24

RICCARDO MAFFONI / STORIE DI CHI VINCE A META'

今月末にClaudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)の3枚組ベスト盤『Tutti qui』の続編がリリースされるらしいので、それにあわせて今年のサンレモ関係のアルバムを買おうかなと思いまして、出場者たちの最新アルバムをチェックしていたところ、新人部門優勝者のRiccardo Maffoni(リッカルド・マッフォーニ)のアルバム・ジャケットに、なんだか見覚えがある。自宅のCD棚を探したら、持ってました、この人のアルバム。

1977年6月2日、Brescia(ブレーシァ)のOrzinuovi(オルツィヌォーヴィ)というところで生まれたRiccardo。1990年代初めころから地元のローカル・バンドで音楽活動をはじめ、その後10年間で3本のデモ・テープをつくりました。90年代終わりから2003年ころまでにかけては、Premiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ。PFM)やNomadi(ノマディ)のサポート・メンバーとして呼ばれ、ツアーに同行するなど、地道な活動で力をつけていたようです。

このアルバムはRiccardoのデビュー作で、2004年の2月13日にリリースされました。自分が持っているのはオリジナル・ヴァージョンですが、現在は、2006年のサンレモ音楽祭新人部門優勝曲「Sole negli occhi」と、この曲のシングルに同時収録された新曲「T'aspettero'」の2曲を追加したサンレモ・ヴァージョンとして再リリースされています。

Riccardoの音楽は、あまりイタリアっぽくない感じがします。もともとBruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)などが好きなようで、収録されている曲もBruceやBob Dylan(ボブ・ディラン)などを思わせる、アメリカンな感じの力強くて骨太なフォーク・ロックがほとんどです。少しひび割れた歌声もBruceぽいといえば、いえるかもしれません。

アルバム前半は、とくにいなたい感じのフォーク・ロックが続きます。M2「Ultimi eroi」などは力強い明るさが思いっきりBruce Springsteen風(彼の曲はあまり聴いたことがないので、よく知りませんが)。M3「Una grande rosa rossa」で聴かれるハーモニカも、ハーモニカというよりはブルース・ハープと呼んだほうが雰囲気にあっています。

アルバム前半では力強く、男臭く責めてきますが、後半に入ると少しやさしさや哀愁が混じってきます。M5「Uomo in fuga」ではシリアスで重い雰囲気さえたたえ、アメリカやイタリアというよりは、どことなくイギリスとかアイルランドとかを思い浮かべてしまいます。M6「Tempo ignora」ではいくぶん張り上げ気味のヴォーカルに、このアルバムで初めてちょっと「イタリア」を感じました。ピアノのアルペジオやオーケストラも入り、明るい陽射しを感じるフォーク・ロックになっています。またM9「Aspetto un altro po'」でもピアノとオーケストラが入り、渋くしっとりと歌っています。

全体的にはいなたい系の骨太ロックで、サンレモ系の音楽とはまったく違います。イタリアン・ポップスのファンよりも力強いフォーク・ロックのファンのほうに、よりアピールするでしょう。ちょっとタイプは違いますが、Massimo Bubola(マッシモ・ブボラ)とか、あるいはModena City Ramblers(モデナ・シティ・ランブラーズ)のようなコンバット・フォークのファン、あるいはアメリカのストレートなアコースティック・ロック・シンガーが好きな人にも楽しんでもらえるかもしれません。

そういえば、最近ではすっかりバラード・シンガーになってしまった感のあるGianluca Grignani(ジァンルカ・グリニャーニ)も、デビュー当初はこういった土の匂いのする骨太なロックをやっていましたよね。人気が出たのはバラード屋さんになってからのような気がしますが。売れるために刃、バラード屋さんのほうがいいのかな。


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2006/03/23

いまさらサンレモ2006 2日目

東京では桜の開花宣言も出たというのに、今週になってやっと今年のサンレモ音楽祭2日目を見ているおいらです。最終日まで見るには、あとどれくらいかかるのだろう?

まずは、女性(Donne)部門。

Anna Oxa(アンナ・オクサ)はこの日もやっぱり怖いです。怖いけれど、曲は印象的だ。ぜんぜんサンレモ受けしなさそうなところが素敵です。1枚ずつ歌詞カードを捨てながら歌っていく姿は妖怪のようです。CD買おう。Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)の3枚組ベストが発売になったら一緒に買おう。うん。

もうひとりのAnna、Anna Tatangelo(アンナ・タタンジェロ)は、Anna Oxaとは違った意味で怖いです。ルックスがめちゃめちゃ攻撃的なおねえちゃんという感じがします。まだ若いのに、なんだか押し出しが強いです。曲はやっぱり提供者のGigi D'Alessio(ジジ・ダレッシォ)が自分で歌ったほうがいいように思いました。

そして、Nicky Nicolai(ニッキー・ニコライ)。よく知らないのですが、この人って、ベテランなんですよね、きっと。カンツォーネの時代からいる人なんですよね、おそらく。それにしては歌が下手じゃありませんか? 自分には、この人の(少なくとも今年のサンレモ音楽祭の舞台での)歌唱は、ある種の冗談のように聞こえるのですけど。

続いて、男性(Uomini)部門。

Gianluca Grignani(ジァンルカ・グリニャーニ)はもう、こういうタイプの曲しか歌わないんでしょうか。美しいメロディを持ったいい曲だと思うし、Gianlucaのヴォーカルもどことなくセクシーな感じがしてつい聞き入ってしまうのだけど、最近の彼の曲はなんだかどれも同じに聞こえてしまう。1曲聴く分にはいいけれど、こういう曲ばっかり続けて聴いたら飽きてしまいそうです。

Ron(ロン)は、顔の造作が全体的に真ん中に寄ってますよね。いい声なのに、残念だ(←なにが?)。

Povia(ポヴィア)は、今年の優勝者だということは知っているのだけど、やっぱりなんでこの人のこの曲が優勝なんだ? 鳩のものまねが受けたのか? これはものまね大賞か?

グループ(Gruppi)部門。

Sugarfree(シュガーフリー)は最近の若いバラード系ロック・グループにありがちな曲で、新鮮味がありません。新鮮味はないのだけど、流行とは関係なく愛されるタイプの美しい曲だと思います。CDを買ってしまいそうです。買ったら買ったで「個性が弱い」とか思いそうではありますが。

Mario Venuti(マリオ・ヴェヌーティ)とその一味((C)あんき~おさん)、そしてGigi Finizio(ジジ・フィニツィオ)とその一味は、どうでもいいや。自分にとっては訴えかけるものなし。とくにGigi Finizioは、なんで一味と一緒に出てるのかわからんし、自分で曲がつくれる人なのにどうしてGigi D'Alessioの曲を歌ってるのかもわからんし、Gigi D'Alessioが歌ったほうがよさそうだし。

そして新人(Giovanni)部門。

やっぱり印象に残ったのはSimone Cristicchi(シモーネ・クリスティッキ)ですね。実験中になにかが爆発しちゃったかのようなマッド・サイエンティスト風の髪型と見開いた目をきょろきょろさせるヤバめな表情とか、サンレモ受けするバラード・タイプじゃない曲とか。やっぱ新人はこうでなきゃ。アルバム出てるのかな。今年の新人のなかでの購入予定第一候補です。

あとはなぁ、あんまり印象に残った人がいないなぁ。初日のワンコーラス歌唱であまりの歌の下手さにだいじょうぶかと心配になったVirginio(ヴィルジニオ)が比較的ちゃんと歌えててちょっと安心したぐらい。Antonello(アントネッロ)もDeasonika(デアソニカ)も新鮮味のないありきたりな普通に綺麗なポップスだし、Monia Russo(モニア・ルッソ)もHelena Hellwig(エレナ・エルウィグ)もありがちな女性ヴォーカルもの。どれもCDの購入候補には入ってこないな。

そういえば、ゲスト?でインタビューを受けていたおじさん、Giorgio Faletti(ジォルジォ・ファレッティ)と呼ばれていたように思うのですが、2000年に『Nonsense』という素敵なアルバムをリリースした人かしら。これ、いいアルバムだったな。


(↓今年のサンレモ参加者たち。参加曲収録というわけではありません)


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2006/03/22

IVANO FOSSATI / L'ARCANGELO

Ivano Fossati(イヴァーノ・フォッサーティ)って、飛び飛びにしかアルバムを聴いていないこともあるのですが、自分にとっては、どうもうまくキャラクターをつかめないカンタウトーレのひとりです。

イタリアン・プログレッシヴのファンのあいだでは「元Delirium(デリリウム)の」という形容がなかなかぬぐえない彼ですが、Deliriumぽい、ほんのりプログレッシヴな作風って、Oscar Prudente(オスカル・プルデンテ)と連名の『Poco prima dell'aurora』以外ほとんどないと思います。ソロになってからの作品は、素朴であたたかみのあるポップスだったり、Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)もびっくりというくらいの熱唱型哀愁カンタウトーレだったり、カンツォーネ的なやわらかさがあったり、ラテンのパッションを感じさせるものだったり、南欧風の哀愁を漂わせるかと思えば、近年は北部を思わせるクールでクレバーな感じのジャズ風味だったり。

ただ、どのような曲調のときでも、音楽にまじめに向き合っている感じがするところ、そして、どことなくロマンティストな雰囲気をたたえているところが、Ivanoの魅力のひとつかもしれません。

2000年ころからジャズ風味の強い作品が続いていましたが、2006年にリリースされたこのアルバムは、それ以前の作風、よりカンタウトーレらしい作品に近いように感じます。ほどよくひび割れた味わいのある歌声を活かした、あたたかみのあるおだやかな曲が多く収録されています。

フォーク・ロックのM1「Ho sognato una strada」は、厚みのあるアコースティック・ギターのストロークが、なんだかゴージャスにすら感じられます。エレキ・ギターもいい音色でなっています。

M2「Denny」は歌詞重視のカンタウトーレ作品といった感じのおだやかな曲で、やさしく響くオルガンの抑えた音色が素敵です。

M3「Cara democrazia」はフォーク・ロック調の曲ですが、バックの演奏が非常に厚く重たく感じられ、その力強い歌い方からも、おそらくメッセージ色の強い歌詞なのだろうなと思わせます。

M4「L'amore fa」はシンプルなメロディでつづられるおだやかな曲で、オルガンとピアノのやさしい響きが印象的です。

M5「L'arcangelo」ではラテン風のアレンジが施され、明るくにぎやかな感じがします。演奏は華やかですが、メロディにはほんのり哀愁が漂っています。

M7「La cinese」ではアジアのお祭りのようなフレーズがレゲエ風のリズムにのるイントロがおもしろいですね。曲のなかにもアジアン・テイストなメロディが織り込まれています。

M8「Baci e saluti」はスローなフォーク・バラード系の曲で、ハーモニカの音色が寂しい夕暮れを思わせます。

M10「Aspettare stanca」はジャズ&ブルーズといった印象の演奏で、ウィスキーとタバコの煙が似合いそう。ジャジーなアレンジとはいっても、以前のアルバムで聴かれたようなクールで知的なユーロ・ジャズぽい感じというよりは、ハードボイルドな印象を受けました。

このアルバムのなかで自分がもっとも気に入ったのは、M6「Il battito」。最初はピアノとベースのシンプルな演奏で、ほのかにジャズっぽい感じがします。そこにのるヴォーカルは、なにかがひっかかったような歌い方で、強く「言葉」を意識させます。おだやかで地味なのだけど、深みと奥行きを感じます。そして終盤に向けて徐々にバックの演奏が厚くなり、シリアスに、ドラマティックになっていくのが印象的。自分はここに、プログレッシヴ・ロックに通じる匂いを感じます。

う~ん、やっぱりIvanoってよくわからない。でも、その「よくわからないところ」が魅力的であったりします。



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2006/03/20

コート・ドールでコート・ドールを

昨夜は東京・三田にある、名店と名高いフレンチ・レストラン「コート・ドール」で食事をしてきました。

自分、フレンチもイタリアンも好きで、それなりに食べにはいきますが、たいていは客単価がいっても1万~1万5000円くらいのところ。フレンチでいえば、いわゆるビストロ・クラスのお店です。しかしコート・ドールは平均客単価2万~3万円の、ちょっとした高級店。しかも有名なお店。こういうお店はいままで入ったことがないので、少し緊張します。予約時にドレスコードの確認をしたところ、とくにジャケットもネクタイも必要ない(ドレスコードなし)とのことでしたが、そこはそれ、高級店では高級な雰囲気を楽しむのも味のうちですから、いちおうジャケット&ネクタイで行きました。

なぜ、こんな有名高級店に予約を入れたか。それは昨日が結婚記念日だったからです。毎年、結婚記念日(前後の土日)には、美味しいものを食べに出かけるのがうちらの祝い方。去年は神楽坂にあったビストロ・イデアルで食事をしたのですが、その後イデアルはシェフが変わり支配人が変わり店名も変わり、フレンチとイタリアンの入り混じった創作西洋料理のお店になってしまいました。それはそれで美味しいのだけど、やはり「おフレンチぃ~」な料理が食べたいということで、コート・ドールを選んだのです。

なぜ、数あるフレンチ・レストランのなかでもコート・ドールなのか。なぜなら、ビストロ・イデアルの支配人をされていた大園さんが、いまはコート・ドールにいるからです。支配人としてではなく、ソムリエとしてですけれど(コート・ドールには松下さんという、シェフとずっと一緒にこのお店で働いてらっしゃる支配人がいますからね)。去年と同じく、大園さんのいるお店で食べたいと思い、ここを選んだわけです。ちょっと自分のキャラからは背伸びなんですけど。

最寄りの駅から歩いて約10分弱。外はすごい強風が吹き荒れていて、吹っ飛ばされそうになりながら、髪もぼさぼさになりましたが、なんとか店にたどり着きました。高級マンションの1階にある、こじんまりとしたお店。入り口もひっそりとしてて、一瞬見落としてしまいそう。落ち着いた木の扉を開け中に入ると、そこには懐かしい大園さんの笑顔がありました。おひさしぶりです。

席に通されると、アペリティフのシャンパーニュが出てきました。ふわふわの泡のようにクリーミーな舌触り。間接照明に照らされ、華美な装飾のない、落ち着いた店内。明らかに自分らより年下に見える(20代後半から30代前半くらい?)けど明らかに自分らよりも金持ちそうなお客たち。お店のつくりや雰囲気はとても居心地がよく、緊張もしないのだけど、この客層のなかでは多少うちらは場違いな感じがなきにしもあらず。

料理は、アミューズに、このお店の名物といわれる赤ピーマンのムースにトマトのソースを添えたもの。もう、これはなんなんでしょう。とろとろのふわふわです。やさしい野菜の味。ピーマンの味はよくわかんなかったけれど、ソースのトマト味のさわやかな甘さにもうメロメロ。ビストロ・イデアルで以前シェフをされていた(いまは新宿のオーヴィユパリでシェフをしている)黒岩さんのつくる赤ピーマンのババロアも絶品でしたが、ここのムースもすっげぇ旨いっす。

前菜は、この時期ならではの茹でたホワイト・アスパラガス(塩かマスタード・ヴィネガーのソースで)と、フォワグラのキャベツ巻き。メインは魚とイベリコ豚を。もう、どいつもこいつもシンプルな料理法で素材の味がしっかり感じられ、旨いっす。とくに前菜はたまらんかった。なぜヨーロッパ人が春になるとホワイト・アスパラ、ホワイト・アスパラと騒ぐのか、理由がわかるというくらいに美味しいアスパラ。そして、もうとろっとろで口の中でとろけるフォワグラ。これとパンとワインがあればもうOKですみたいな感じです。

ワインはしっかりした味のブルゴーニュ(コート・ドール)の白がいいなと思い、大園さんと相談。ピュリニー・モンラッシュのプルミエ・クリュをすすめていただきました。これもまた、旨いブルゴーニュの白はほんとに旨い、ということを再確認。料理との相性もよく、非常に美味しくいただきました。

その後、妻はデザートとして温かいケーキ(チョコレート・サヴァランみたいなのに温かい練乳のようなソースがかかっている)を、自分はチーズの盛り合わせ(モンドール、ボーフォール、ロックフォール、名前忘れたシェーブルの4種)をいただき、さらに自分はチーズに合わせてソーテルヌをグラスで1杯。お店から「おめでとうございます」メッセージの書かれたクッキーもいただき、食後のコーヒーも飲んで、しめて4万7000円。おなかはちきれそうだし、味もよかったし、満足のいくディナーでした。しょっちゅうはこれないけれど、年に1~2回くらいは来てもいいな。大園さんがいるなら。

その大園さんは、まだこのお店に来てから3か月程度ということもあり、ちょっと硬い感じはありました。お店の雰囲気も、扱うワインや料理も、お客さんの層も、イデアルとはずいぶん違いますからね。うちらのテーブルでは、顔なじみでもあるし、自分もこんなキャラですから、ほどよくリラックスしてサーブしてくれていましたが、他のテーブルでは、慎重に慎重にサーブしているように見えました。丁寧だけどフレンドリーで、お客との距離感を上手にとるのだけど意外とお調子者かもと思わせるひとなつっこさがある彼のサービスを自分らは知っているので、このお店で楽しくサービスをしているだろうか、支配人さんとかにいじめられていやしないだろうかなどと、酔っ払っていたこともあり、帰り道でちょっと心配にもなったのでした。余計なお世話ですね。

ホールには松下支配人と大園ソムリエのほかに、若いおにいちゃんのギャルソン(お名前聞いたのだけど、忘れちゃった。ごめんね)がいて、このギャルソンがなんだかフレンドリーでいい感じです。大園さんとも仲良くしてるみたいだし。彼と話しているところに大園さんがきて「彼は、私に憧れてるんですよ」といったとたんに、彼に「それは、ありません」と言い切られていましたが(笑)。自分はやはり、こういったほどよくフレンドリーな感じがするサービス・パーソンたちが大好きです。そういう意味では、コート・ドールのようなレストランよりは、オーヴィユパリのようなビストロのほうが楽しいし、好きかもしれません。またオーヴィユパリ行こうっと。そんで、黒岩さんの美味しい料理を気楽に食べるのだぁー。


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