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2006/12/20

LEANO MORELLI / NATA LIBERA (2003)


Duck Recordの廉価版ベスト「Cantaitalia」シリーズの1枚。1950年10月1日、レッジォ・エミリア(Reggio Emilia)のヴィッラミノッツォ(Villaminozzo)で生まれたカンタウトーレ、Leano Morelli(レアーノ・モレッリ)の再録ベスト盤です。

1970年代後半から80年代初頭にかけて「Nata libera」「Io ti porterei」「Cantare gridare sentirsi tutti uguali」「Musica regina」「Angela」といった曲でサンレモ音楽祭やフェスティヴァルバールに参加し、それなりに高評価を得ていたらしいのですが、現在、彼のリリースした4枚のオリジナル・アルバムはどれもCDになっておらず、入手困難のようです。熱心に探しているファンがいるとも思いにくくはありますが。

ただ、音楽活動自体は続けているようで、1997年にはNomadi(ノマディ)Francesco Guccini(フランチェスコ・グッチーニ)のカバー集、翌98年にはFabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ)のカバー集をリリースしています。また、再録によるベスト盤CDも1995年(D.V.More)と2002年(Duck Record)の2種類を出しています。

CantaitaliaシリーズとしてDuckから再リリースされたこの『Nata libera』は2枚目のベスト盤CDで、タイトル曲の「Nata libera」をはじめとしたサンレモやフェスティヴァルバール参加曲のほか、Rino Gaetano(リーノ・ガエターノ)の「Ma il cielo e' sempre piu' blu」やIvan Graziani(イヴァン・グラツィアーニ)の「Lugano addio」といったカバーも収録されています。

Duckでの再録なので、厚みのある演奏は期待できません。予想どおり、キーボードのアレンジや音づくりはしょぼい部分も多く、せっかくのオーケストレーションも安っぽく感じるだけだったりもします。一方でギターの音はイキイキとしていて、アコースティック・ギターもエレキ・ギターも、なかなか良い音で録れていると思います。また、Leanoの歌声も、以前はもっとひび割れた感じではなかったかと記憶しているのですが、Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)のように歳をとって丸みが出たのか、意外となめらかかつまろやかな歌い方です。しかし、ときどき往年のひびわれ声を思わせるところがあって、それがいい感じにアクセントになっています。

曲調は基本的に地味で淡々としていて、盛り上がりの少ないフォーク・ポップス/フォーク・ロックといった感じなのですが、カンタウトーレらしいセンチメンタルさやロマンティックさがある歌メロも多く、自分はけっこうよい気分で聴いていられます。ただ、ヴォーカリストとしてそれほど個性が強いわけでも歌唱力があるわけでもないので、カバー曲についてはオリジナルのカンタウトーレで聴いたほうがいいと感じます。また、リズムに軽快さのあるM2「Cantare gridare sentirsi tutti uguali」やM6「Se un giorno non mi amassi piu'」のような曲よりも、スロー系のロマンティックさを持った曲のほうが、やはり魅力的に感じます。M1「Nata liberta」やM3「Un amore diverso」、M4「Io ti porterei」などは、地味だけど味わいのある佳曲じゃないでしょうか。


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