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2006/10/17

SAVATAGE / POETS AND MADMEN (2001)

10年くらい前だったか、一時メロディアス・メタルが聴きたくてしかたがないような時期がありまして、その頃にジャーマン・メロディック・スピード・メタルなどとともにけっこう好んで聴いていたグループのひとつがSavatage(サヴァタージ)でした。最近ではヘヴィ・メタル系の作品を聴くことはあまりなくなりましたが、たまたま中古でこの『Poets and Madmen』を安く見つけ、懐かしい名前に引かれて入手しました。

アメリカはフロリダ出身ながら、ドラマティックでメロディアスな要素を含んだその曲づくりや演奏にはユーロピアンな香りが漂い……などと当時は思っていたのですが、いま聴いてみると、やはりアメリカの音ですね。ヨーロッパ的なある種の重い美しさはあるけれど、バックボーンにはアメリカン・ハード・ロックの匂いを感じます。

ヴォーカルのZachary Stevens(ザッカリー・スティーヴンス)が脱退したようで、初期のヴォーカリストでグループの主要人物ながらもZachary加入後は曲づくりとアルバムでの鍵盤楽器演奏のみに参加していたJon Oliva(ジョン・オリヴァ)が、このアルバムではヴォーカリストとして復帰しています。パワフルなのだけどロマンティックな響きもあるZacharyのヴォーカルに対して、Jonのヴォーカルはちょっとダークかつラフな感じがしますね。こういったアルバムの性格にはZacharyの歌声のほうが、自分は好きかな。

収録された曲は、『Gutter Ballet』『Handful of Rain』などにくらべるとヘヴィでダークな印象が強いようにも感じますが、どれもSavatageらしいと思えるもので、ほどよくドラマティック、ほどよくユーロピアン、ほどよくヘヴィ、意外と素直なものとなっています。基本はヘヴィなのだけど、要所要所でギターやピアノのアコースティックな響きを混ぜたり、オーケストレーションをかませたり。それを使いすぎないところが物足りなくもあり、渇望感を与えて魅力的でもあり、といった感じでしょうか。ただ、何曲かでシンセサイザーが使われているようですが、以前から使っていましたっけ? なんか薄っぺらい感じの音づくりやアレンジで、あまり演奏にマッチしていない感じがするのだけど。

一方で、バックに混声合唱を従えた曲もあり、このあたり、個人的にツボ。なんというか、やはり憎めないやつらです。とくにM6「Morphine Child」は、コードを崩したハーモナイズド風のギター・リフや、エレキ・ギターによるクリーン・トーンのアルペジオとディストーション・サウンドの使い分け、Queen(クイーン)を髣髴させるオペラティックな構成と、聴きどころ満載です。

全体的に歌メロの魅力が少し薄いかなとは思いますが、ひさしぶりのヘヴィ・メタル、充分に楽しめました。前作の『The Wake of Magellan』もシンフォニック・ヘヴィ・メタルの名盤という評判なので、機会があったら聴いてみよう。



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