ELENA LEDDA / MAREMANNU (2000)
1959年にカリアリ(Cagliari)近郊のセラルジゥス(Selargius)で生まれたサルデーニャの歌姫、Elena Ledda(エレーナ・レッダ)の、たぶん5作目のアルバム。半分以上はサルデーニャのトラッド・ミュージックのようです。なので歌詞もサルデーニャ語のようですが、手元のCDはドイツでリリースされたものなのか、ドイツ語訳詞と英語訳詞がついてます(標準イタリア語訳はなし)。
彼女のアルバムは、Suonofficina(スォノッフィチーナ)というグループをバックに従えた『Sonos』(1987年)というアルバムを以前に聴いたことがあるのですが、これが非常に素敵な地中海音楽で、Elenaの力強い生命力に満ちた伸びのある歌声と、地中海トラッドとポピュラー・ミュージックがミックスされたようなキラメキに魅力された記憶があります。
2000年にリリースされたこの『Maremannu』は、『Sonos』よりもずっとトラッドに近いようです。もちろん、完全なトラッドというわけではなく、地中海ポップス的なアレンジもあるのですが、それでも、トラッド風の音楽に興味がないポピュラー・ミュージック・ファンには少しつらいかもしれません。
バックに薄いコーラスがつく程度で、ほぼア・カペラに近いM1「Fizu 'e su mundu」は、トラッド風であるとともに、どことなくグレゴリオ聖歌などをも思わせる静謐さがあり、Elenaの魅惑的な歌声を堪能できます。
M5「Dilliriende」もヴォーカルはトラッド風ですが、バックの演奏は南洋のリゾートを思わせ、明るく楽しげです。
M6「Maremannu」でも、Elenaの伸びやかな歌声を楽しめます。まるで、青くおだやかな海の上を、あるいは、夕日の落ちるサバンナの上を、ゆったりと流れていく気持ちのよい風のような雰囲気。トラッド風の弦楽器の響きも心地よく、地中海の香りもします。
自分の好み的には、よりポピュラー・ミュージックやロックの要素が強い『Sonos』のほうが合いますが、このアルバムはこのアルバムで、聴いていて気持ちのおだやかにある、なかなか素敵な作品だと思います。
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