UMBERTO TOZZI / GLORIA
1982年にニューヨーク出身の新人歌手、Laura Branigan(ローラ・ブラニガン。2004年8月に亡くなったそうです)がカバーし全米ナンバー1ヒットとなった「Gloria」
の原曲を収録した、Umberto Tozzi
(ウンベルト・トッツィ)の4枚目(だったかな)のアルバム。タイトル曲のインパクトが強い分、他の曲がいくぶんおとなしめに聴こえてしまいますが、それぞれに味わいのある曲が収録されています。
M1はアルバム・タイトルともなっているヒット曲の「Gloria」。軽快なメロディはキャッチーで覚えやすく、印象的です。ディスコ風のシンプルなリズムと派手なキーボードのアレンジには少し時代を感じます。
M2「Qualcosa qualcuno」は一転し、おだやかなリズムとあたたかなメロディを持った曲。明るい色の花がたくさん咲いている草原に寝転んで、晴れた青い空を眺めているような、くつろいだ気分になります。
M3「Non va che volo」はエレクトリック・ピアノのもわもわとしたやわらかい音色にのって、Umbertoのやさしい歌声が響きます。おだやかでゆったりとしたメロディ。ときおり顔を出す寂しげな雰囲気。オーケストレーションやコーラスも導入され、イタリアらしい美しさを持っています。M2やM3などを聴くと、Umberto Tozziって「Gloria」
のような軽快なタイプの曲のほかに「Donna amante mia」
みたいな曲も書ける人だったんだよなということを思い出します。
M4「Alleluia se」は「Gloria」と同様の、リズムを強調したディスコ風な曲。キーボード・アレンジも派手でやかましいです。軽快でポップだけれど、「Gloria」
ほどのキャッチーさはありませんね。
M5「Mamma maremma」ではファルセット・ヴォーカルをちりばめ、どことなくユーモラスな感じを出しています。言葉数の多いバックのコーラス文字あまり気味で、ちょっと楽しいです。
M6「Valzer」はストリングスに導かれて始まります。前半はおだやかなワルツ調で、後半では4拍子に変わります。親しみやすいメロディが心地よく響きます。
M7「Notte chiara」はクリーン・トーンのツイン・エレキ・ギターがアメリカのウェスト・コースト風の爽やかさを感じさせます。バックに響くオルガンの音色やコーラスなどにも、古いアメリカのポップ・ロックを思わせますね。平和な感じのするあたたかなポップスです。
M8「Fatto cosi'」はピアノをバックに歌われるゆっくりしたポップス。ほどよくひび割れた歌声と、おだやかで素直なメロディ展開、適度な都会風味は、最近のMassimo Di Cataldo(マッシモ・ディ・カタルド)やGianluca Grignani
(ジァンルカ・グリニャーニ)などに通じるところがあるかもしれません。
M9「Puo darsi」も都会的でやさしくあたたかい感じのしゃれたスロー・ポップス。この曲も途中でリズムパターンが4拍子から8分の6(12?)拍子に変わり、曲の印象に変化をつけています。
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