石と刃で気分すっきり
昨日はスーパーでほうれん草が特売98円だったので、消費期限ギリギリ2割引のひき肉も買って、ほうれん草とひき肉のくたくた煮をつくることにしました。この料理、簡単でおいしいので、ほうれん草が安くなっているとついつくってしまいます。
調理方法はほんとに簡単。ニンニク、たまねぎ、下茹でしたほうれん草をひたすら細かくみじん切りにして、まずはニンニクとたまねぎをオリーブオイルで炒めます。中火でじっくりとたまねぎの甘みを引き出したら、ひき肉を投入。塩・胡椒で基本の味付けをして、ひき肉がぽろぽろになるまでじっくり炒めます。そこにほうれん草を投げ込み、白ワインと水でひたひたになるくらいにし、唐辛子をひとつまみ(一味でも七味でもカイエンペッパーでも可。ほんとは青唐辛子を切って入れると辛さと爽やかさが加わって美味しいのだけどね)。あとは中火でほうれん草がくたくたになるまで煮るだけ。
みじん切りが多少面倒な以外は、材料を炒めて煮るだけなのでほんとに簡単な料理なのですが、ここでおいらは気がつきました。
うちの包丁、なんでこんなに切れないんだ?
ニンニクはさくさくと細切れにできましたが、たまねぎにはなかなか刃が入っていかない。ほうれん草にいたっては切るというより広げて押しつぶしているような感覚。
切れない包丁は、調理時間が余計にかかる、怪我をする確率が高くなる、素材を押しつぶすので見た目が美しくなくなる、素材を押しつぶすので細胞や繊維が必要以上に破壊され味や栄養素が流出しやすくなる=美味しくなくなる……などなど、いいことがないのです。
そういえばなぁ、もう長いこと包丁砥いでないもんなぁ。西洋ナイフを砥ぐためのスティック状の砥ぎ器(100円ショップで購入)でときどき申し訳程度にシャッシャッとはするけれど、あれだと一瞬ちょっと切れるようになった気がするだけなんだよなぁ。
というわけで、すべての材料を鍋に投げ込んでくたくたと煮ているあいだに、ひさしぶりに砥石で包丁を砥ぐことにしました。
砥石に水を振り掛けて、流し台の端っこに固定して、包丁の両面をシャッシャッと。まずは刃全体、次に根本、中間、刃先と部分ごとに。とくに中間部から刃先にかけての部分は砥がれにくいので念入りに。これを両面とも、何度か繰り返します。
となりのガスコンロでは鍋がくつくつ。手元では砥石と包丁がシャッシャッ。
くつくつ、シャッシャッ。
くつくつ、シャッシャッ。
くつくつ、シャッシャッ。
気がつくと、ほとんど無心で包丁砥ぎに没頭してました。
気持ちいい。
ただひたすらに、砥石に包丁を滑らせて、刃をつけていく。
これだけのことが、なんだか妙に気持ちいいのです。
余計なことを考えず、砥石と包丁の状態だけを見てる。
ときどき刃のつき具合を確認しながら、ひたすらに砥いでいく。
研ぎ終わったときは、なんだか晴れ晴れ、気分すっきりです。
出題するお姉ちゃんだけがスッキリしている山手線の気分すっきりクイズ(?)を解くよりも断然すっきりです。
うん、理由はわからないけれどなんだか気分が晴れないなぁというときは、また包丁を研ごう。そうしよう。
くたくた煮を食卓に持っていく前に、トマトと豆腐のサラダ(カプレーゼ風)をつくりました。砥いだあとだから、トマトがさくさく切れて、これも気分すっきり。
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